水の門

体内をながれるもの。ことば。音楽。飲みもの。スピリット。

歌集『カインの祈り』

澤本佳歩歌集『カインの祈り』
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心構えができてない…

2011年10月19日 21時36分26秒 | 人[その作品]に寄せて
手続きを 吾が方むいて 伝えくる
ナースと母の 顔を見比ぶ
(とど)

2009年12月18日 作歌
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月収一万も無い頃に。

2011年10月19日 21時32分20秒 | 人[その作品]に寄せて
父の手跡(て)に 保証人として 綴られて
こみ上げてくる 淡い諦念
(とど)

2009年12月18日 作歌
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ちょっと食べては…

2011年10月19日 21時26分18秒 | 人[その作品]に寄せて
食べては吐く 父の買い置ける 惣菜が
入院前夜の 食卓に載る
(とど)

2009年12月18日 作歌
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父逝く・八首

2011年10月16日 07時23分21秒 | 投稿歌
昨日、来月十日締め切り分の歌稿を投函して来ました。やはり父が亡くなった関係の歌を集めて出しました。
今回は自分でも推敲が甘いなぁ…という感が拭えないのが実際です。
二首目「くぐもり」の後にいきなり「店~」と続くのがスムースでないし、七首目「友の悔やみ」は、一瞬 友達が亡くなったようにも取れなくもないし。それに「返信」を誰が書いているのかちょっと読み取りづらいですよね。五首目「実感である」も、もうちょっと何かいい表現は無いのかなぁ…と自分でも思ったし。
そんな風に自分で落ち度が分かるにも関わらず提出してしまったのは、あまり真正面からがっぷり向き合えるテーマじゃなかったということもあるんでしょうね…。本当は締め切りまで日にちもあるんですけど、忙しいことを言い訳に「えいやー」で出してしまいました。


冥福の語を避け悔やみ述べくれる友のツイートに沁みいり過ごす

うすら開く瞼に覗く瞳孔のくぐもり店に並ぶ魚(うお)のごと

仏式の望み叶わず骨箱に十字張られし父の心地は

骨となりたる父を伴い帰り来し夕餉に酌めるビールの苦し

骨箱に父の面影重なるは幻でなく実感である

SLを観に行かんとした父はいま高崎の空巡りているか

「シモン、シモン」と繰り返したる主イエスを友の悔やみの返信に見き

お彼岸の頃に逝きたる父親が先達と和す文芸欄に


(2011年11月10日締め切り分、『樹海』2012年1月号掲載予定)
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