水の門

体内をながれるもの。ことば。音楽。飲みもの。スピリット。

春・九首

2012年04月18日 16時17分28秒 | 投稿歌
先ほど、来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。
今回のテーマは、単純明快に「春」でまとめてみました。結構前に詠んだ歌ばかりです(汗)。
私は自然の風物の名称に疎いこともあって、どちらかと言えば人事詠が多いです。でも、結社の方々には殆ど花鳥風月しか詠まない方もいらっしゃいます。歳を重ねてくると、身の回りには苦しいことが増えるからなのかもしれませんが…、言わば自然詠のベテランです。そういう中に私の稚拙な季節詠が紛れ込むと、甚だ見劣りがするのも事実です…。まぁ、私には息抜きです。次への助走として見守ってください(苦笑)。


教会より土産に持ち来るイースターエッグに意味を尋ねる弟

毛羽立ちの目立つマスクを洗い干し花粉除けにと幾度も使う

穏やかな陽気に繰り出す王仁塚(わにづか)に竹の葉ずれが涼しき道あり

山間の緑に混じる桜花霞みてこんもりほろ酔い加減

桜見て花粉に腫れた目が開かず目覚ましCDただ聴き流す

逆様に吊るした傘に摘み入れる桃の花弁が微風に零れる

桃の花摘むと見上げる枝先に飛行機雲が長く筋曳く

豆腐屋の前に出されたおからの缶に赤紫の花びら一ひら

ほころびし菜花を和えたおひたしは苦味のつんと初夏を誘う


(2012年5月10日締め切り分、『樹海』2012年7月号掲載予定)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 前の記事へ | トップ | 聞茶(47)…院内カフェで買った... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿