水の門

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歌集『カインの祈り』

澤本佳歩歌集『カインの祈り』
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差別・九首

2011年06月11日 09時33分20秒 | 投稿歌
少し早過ぎますが、来月十日締め切り分の歌稿を先ほど投函してきました。今回のテーマはずしりと重く、「差別」です。
障害を持っていると、日々の暮らしの中で「あぁ、差別されてるなぁ…」と感じることが色々あります。その時に抱く微妙な感情を詠むことで、鬱屈した気持ちを解消できている部分はかなりあって、今後もきっと折にふれ詠んでいくことでしょう。
立場的に、どうしても被害者意識の強い歌が多くなってしまっていますが、障害者自身も差別する側になりうるという視点も失わないよう気をつけました。


ふた月でクビ切り決めた抱え手に病気明かすと得心の面(おも)

障害にちらり触れると去ってゆくフォロワー絶えぬ吾がツイッター

身内にも「気が狂った」と言われたる主イエスは吾の痛み共にす

作業の手ゆっくり動かす朋を見てついほくそ笑む自らを恥ず

心病む人が取り沙汰されていて社適の事務所に身を硬くする

不器用にラベル貼る人を「障害」と吾(あ)に吐き捨てた意図を訝る

私には幻覚はないと同病の放つ口調に蔑みにじむ

賃金で全てを量る父が言う「作業所なんか辞めるべきだ」と

健常に見えると励ます優しさの底を流れる偏見を嗅ぐ


(2011年7月10日締め切り分、『樹海』2011年9月号掲載予定)
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「障害者」と聞いて人が思い浮かべるものは…

2011年06月11日 05時01分05秒 | 持病に寄せて
2010年3月19日改作
「健常に 見える」と人の 慰めに
障害隔てる 無意識を嗅ぐ
(とど)

2010年5月7日再改作
 ↓ ↓ ↓
健常に 見えると励ます 優しさの
底を流れる 偏見を嗅ぐ
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