笑顔浴

優しい時間

お姉さんありがとう

2018年04月02日 | Weblog

 

 私が「お姉さん」と呼ぶ人は

 養護学校小学部4年生の時に、

 寮の10人部屋で、6年生だった彼女だけである。

 中学部の部屋でも、1年間は隣に布団を敷いて寝た。

 学校以外の、食事もおやつも、掃除も洗濯も

 お風呂も勉強時間も一緒に過ごした。

 その時のままの関係が維持されて

 半世紀たった今も 私は「ナーコ」で居る。

 

 数十年間、年賀状一枚でつながってきた。 

 昨年のお正月の「年賀状をやめます」というお知らせへ、

 メールで返事をしたら、やり取りが急増した。

 怪我して動けない時に、県外から食品を郵送してくれた。

 本当に、ありがたいことだ。(ありえないことだ)

 中学を卒業した後、どこで、どんな人生を歩んだか

 互いにほとんど知らないのに、である。

 

 1年前のお姉さんの返信は 

 <障がい者65歳の壁>のせいで、要介護3に変更され

 日々の生活の質の低下への怒りを 持て余していた。

 期待と現実のギャップが大きいほど 怒りは激しい、

 それほど、困っていた。

 

 

 よだれは流れっ放し、お尻が痩せて骨が当たって痛い

 全力で床を這うのも やっとだとのこと。

 手術後の手の痺れが増し、最近は物忘れも!と衰えを教えて貰った。

 プールが好きなのに、介助するガイドヘルパーさんの派遣会社が、

 新年度が来ても、まだ決まらないらしい。

 昨日の近況報告でも 状況が好転しているとは思えない。

 

 ところが この春、お姉さんは変った。

 「春がきても嬉しくない」と言いつつ。
 「でも、暖かくなったから、やっぱり良い!」と言い直し
 「身体はしんどくなる一方だけど 
   エルと一緒だから頑張っている!」と 自らを励ます。
 
 食べることも嫌だ! もう硬いものは何も食べられない!
 こんなでも、飲食できるから、飲むものは好きなもの買う!
 買うことのできないことを考えたら、幸せだね?
 と、つづるようになった。
 
 いろんな身体機能がダメになっているけど
 それでも とにかく生きている!
 それはナーコもだね?
 食べて、お風呂に入って 寝ることだけが楽しい!
 

 嘆きの中に、現実を受入れようとする努力を感じるし

 憎しみや悲しみや嫉妬だけでメールを終わらせない

 先輩としての 思いやりも感じた。

 なにより一番嬉しいのは、

 お姉さんが「プールが好き」と お愉しみを忘れてないこと。

 どんな状況の下でも、楽しい話題を共有しようとしてくれること。

 お姉さん、ありがとう

 

 

 

 

 

 

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