笑顔浴

優しい時間

2009年08月21日 | Weblog
10年前から「医療はコミュニケーション」の風が吹き始めましたが
20年前には「医療はサービス」の風が吹いていました。
「患者様」と呼び始めたり、急に待合室が豪華になったり、
 患者の丸椅子が高価なモノに変わりました。

「接客・サービス業なら、学ぶ場所はやっぱりホテルでしょう!」
と、ホテルのオープンスタッフに応募し、なんと採用されて、
オーナーにわがままをきいていただき、8月31日に薬局を退職、
9月1日にホテルに入社し、その秋は予約係で働きました。

フロントのリーダーだったNちゃんと
今日は本当に久しぶりのデートでした。

あの頃、
オープン直後でどの部署も不手際続き。
他人のミスも私のミスも全部まとめて
来る日も来る日も
お客様から叱られたり怒られてばかり!

それさえ慣れてしまったある日
人手が足りずフロントでNちゃんとスタンバイしてると
「このホテルは、親切な人が多くて気持ちがいいなあ」
とご高齢の男性が声をかけてくださいました。
そんな言葉をきいたのは、多分、オープンしてからはじめて!

「ありがとうございます」とお礼をいったとたん
ぽろぽろと涙が溢れて、
顔が上げられなかった共通の思い出を持つ私達。
嬉しい時に止まらない涙は
苦労した後でないと味わえない特別の涙ですね。

Nちゃんは数年前から原因不明の体調不良を悩んでいたので
やっと病名がついたのよと喜んでいましたが、
全身が痛みでこわばる「線維筋痛症」・・・
時々、声が詰まるような辛いお話でした。

「腕が痛いくせに!いいよ」
「かまんのよ、持つけん、かして!」
私の荷物を奪い合ったあと
ジリジリと夏の日差しの強い中を
二人で駅までとぼとぼ歩きました。

いつか、
彼女の嬉しい涙がこぼれる時を
首を長くして待っている私です。





この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あ !! | トップ | 涼しい »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事