笑顔浴

優しい時間

もろみ茄子

2009年01月15日 | Weblog
「もろみ」という甘いお味噌があります。

ちょうど5歳か6歳くらいでしょうか
父方の祖母が子宮癌で入院したり、
妹が生まれて、母がてんてこまいの頃です。

発病して人手のかかる私は、
しばらくの間、母方のおばあちゃんの家で
暮らすことになりました。
電車通りに面したその家に
娘盛りの叔母達も一緒に住んでいました。

丸い飯台の上の灯りの明るかったこと!
家族が集まって、あたたかいご飯と
薄切りにしたキュウリにもろみを乗せて
食べていたのを思い出します。

食器がやたらに大きくて
大人を見上げていたのでしょうか、
なんの話で笑っているのか、わからないのですが
みんなの笑顔を浴びて、私はここに居ていいんだと
感じていたような気がします。

おじいちゃんが晩酌をしながら
何かを拾って食べている姿を思い出すのですが
今になって考えてみると、
おばあちゃんがキュウリの上にのせたもろみを
ぽろぽろと落としていたのは、私だったに違いありません。

叱られもせず、子供でいることを
そのまま許されていた日々で
思い出すと、ほんわかします。

もろみ茄子は
「鎌倉のお土産」とお友達からいただきました。
食べたあと、ぴりりと大人の味がして
祖父のお酒のつまみにぴったりだなあ~
と思いました。



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