昔の人は、名前をいくつも持っていたし、
本名で呼ぶことは、良しとされなかったと聞いた。
「利休」という名前は、
私利私欲を休むとかいて
私はむさぼらない生き方をすると宣言している。
「一休」という名前は、
この世は、あの世までの一休みにすきない、
せいぜい自分の生きたいように生きるさ と宣言している。
「如水」という名前は、
水のごとく、入るべき器を選ばず
石に穴をあけるほどの力を発揮し
穏やかに暮らしも支えたいと宣言している。
「雲霧」という名前は、
雲や霧が人知れず生じ、人知れず消えてしまうように
小さな水滴として常に在りながら、変幻自在、
やる時は、やりまっせと宣言している。
もし、私がこれから生きる方針を
名前に込められるとしたら
どんな、字名をつけようか?
「潮待」
潮を待つと書く。
潮の満ち引きを受け入れて
流れの変わり目を 待てる私になりたい。
焦るな。
急ぐな。
私の思い通りにしようとするな。