バスーンふぁんたじあ

アマチュアバスーン吹きのメモ書き。

ワイヤーのこと

2023年08月09日 | リード調整
 リード調整でもっとも簡単な方法は、第1ワイヤーと第2ワイヤーによる調整で、第1ワイヤーだけなら演奏中に素手でもできる。ラジオペンチなどがあればリード専用のペンチでなくても可能だ。リード調整について解説している書籍やインターネットでも、簡単な調整方法として紹介されているので、ご存じの方も多いと思う。



ここでは、組み立て時と調整時のワイヤーについて、自分用にまとめておこう。

1、プッペ組み立てのとき。
①第2、第3ワイヤーは0.7㎜、第1ワイヤーは0.65㎜または0.6㎜。使用するワイヤーは、チューブから浮かずに密着して巻ける柔らかめのものが私は好み。
②組み立て時は、第1ワイヤーは巻かない。第1ワイヤーはプッペ完成後、削る前に巻く。
③(乾燥時)第3ワイヤーはしっかりときつく、第2ワイヤーは強めに力をかければ動く程度に巻く。第1ワイヤーは水に浸した状態で巻いて動かない程度で、乾燥したときはゆるゆるになるくらい。
④チューブの形は、第3ワイヤー付近は真円、第2ワイヤー付近はやや楕円、第1ワイヤー付近は楕円になるように。
⑤第3ワイヤーはお尻から6~7㎜、第2ワイヤーはカラーから8~10㎜、第1ワイヤーはカラーから1㎜ぐらいのところに巻く。一番重要なのは、第2ワイヤーの位置。ブレードが長め(27.5㎜以上)のときはカラーから8~9㎜、短め(27㎜以下)の場合は9~11㎜)にする。この第2ワイヤーの位置や締め具合、形状がリード製作においてはけっこう重要なポイントでもある。

2、プッペから完成まで  
①ワイヤー円の形状や締め具合、位置は、リード削りを始めたら変更しない。
②基本的に調整は、ナイフとヤスリで行い、ワイヤーでの調整は最後の最後にする。
③先端や根本、ブレード各部の厚さが、これ以上は削らない、という自分の基準に達していた場合で調整が必要なときはワイヤーで調整する。
④ナイフ等での調整とワイヤーでの調整を同時に行うと、わけがわからなくなるのでやめたほうがよい。

3、完成リードのワイヤーでの調整
①マンドレル仕様のこと。
②ワイヤーでの調整は、形状にしろ締め具合にしろ一回変更すると、もとに戻してもまったくのもとには戻らないので要注意。特に第2ワイヤー。第1ワイヤーの開きの調整だけであればあまり問題はない。
③開きの調整は基本的には第1ワイヤーで。上下に押さえれば抵抗は減り、ピッチはあがる。広げれば抵抗は増え、ピッチは下がる。広ければ息の量は多く入る。
④第2ワイヤーを左右から押さえて立てれば(円に近くなる)抵抗は増し先端は閉じ、ピッチはあがり、音色は暗め(丸め)になる。逆の場合は、抵抗は減り先端は開き、ピッチは下がり、音色は明るめになる。
⑤第1ワイヤーと第2ワイヤーでのコンビネーションとなるため、第2ワイヤーを立てて第1ワイヤーも立てた場合と、第2ワイヤーをねかせて第1ワイヤーもねかせた場合では、先端の開きが同じであっても吹奏感はまったく異なる。

4、その他のワイヤーでの調整方法
①ワイヤーを締め直す。
・音がぶら下がったり(C♯2やE2)、C3付近が低いときは、第1ワイヤーや第2ワイヤーを少しきつく巻きなおすと改善することがある。ただし、響きが少なくなったような感じがし、音色も暗めになる。逆に響きがないときは、緩めると振動が楽になる。
②第1ワイヤーの位置を変更する。
・カラーに近づけると音のぶら下がりが解消することがある。
③第2ワイヤーの位置を変更する。
・ブレード長との兼ね合いにもなるが、カラーからの距離が短い方が第3オクターブの音程がとりやすい。短すぎるとつまったような感じになる。
④ワイヤーの太さを替える。
・第1ワイヤーが0.6㎜で作ってあるリードの場合で、音色が散ってまとまらない感じがするときは、0.65㎜に巻きなおすとまとまる場合がある。

 以上は、あくまで私のリードの場合。市販のリードを見てみると、ワイヤーの間隔や締め具合、立て方(チューブ形状)は色々で、材料の材質やシェイパーの型、リードのサイズなどと合わせてワイヤーもそれらとバランスがとれるようにしていると思う。なので、市販リードの場合は、第1ワイヤーと第2ワイヤーを上下左右から押さえる方法にとどめておく方が無難。
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