写真は、『管楽器入門シリーズ バスーン 監修:中川良平』というLPレコードの解説書である。当時は音源付のメソッドは少なかったと思う。現在では入手できない貴重な資料となっている。
このレコードは、中川先生が音の出し方や教則本の練習曲などを実際に吹きながら指導されている。また、後半には山本忠氏、堂坂清高氏、馬場自由郎氏らとのバスーンアンサンブルが収録されていて、こちらも貴重な録音である。
この解説書には、初心者向けに楽器の持ち方、構え方、音の出し方から練習方法、リードの調整方法、運指表まで掲載されていて大変に役に立った。当時、『バンドピープル』などでは毎月のレッスンコーナーがあったが、このように運指表までまとまった入門書は他にはあまりなかったように思う。
私は楽器を始めて半年ぐらい経ったころ、ある方の紹介で数回中川先生にレッスンしていただいたことがある。中川先生のご自宅まではかなり遠かったが、1回のレッスンでは2時間以上みていただけた。それこそ、楽器の構え方や音の出し方などの基礎からレッスンしていただいた。そのとき、これを参考にリードを作ってみるといいよ、とリードを1本いただいた。そのリードは今でも大切にとってあるが、それまで使っていたリードとまったく違うタイプのリードで、大変吹きやすかった。先端はかなり薄く処理してあり、「先端の0.5㎜は紙のように薄く」とおっしゃっていた。
レッスンにそのまま通い続ければよかったのだが、当時はお金がなくレッスン代を用意することがなかなかできなくて、途中で挫折してしまった。
かなり薄くする方が良いみたいですね
モコモコ重~いリードよく使ってるんですけど
抜本的に見直してみたいと思います。
これに慣れてくると、もう厚めのリードは吹けなくなってしまいます。体力も下り坂の私は、もう厚めのリードがガンガン吹くというのは無理そうです…。
私の場合、先端は0.15~0.2㎜になるように調整しています。材質が柔らかすぎる場合は薄くしすぎると調整不可能になってしまいます。
厚めで重いリードは先端だけ薄くすると全体のバランスが崩れてコントロールのできないリードになってしまうので、様子をみながら少しずつ削るとよいかもしれません。
先端を削りすぎたな、と思ったとき私は、削らなかった部分全体を少し削ってバランスを戻すようにしています。ただ、これもやりすぎてしまうと、ピッチが低くなりすぎてリードの寸法自体を調整しなくてはならないはめになります。そうすると小さめのリード(私の場合はブレード26㎜・先端幅14.5㎜)だと修復不可能でゴミ箱行きとなってしまいますので注意が必要です。
私は今、削れるところぎりぎりまで削って調整しようと試行錯誤しているところで、大抵は削りすぎで失敗してます…。