写真は、ワレリー・ポポフ演奏の1枚。これも楽器を始めたころにレコードでよく聴いていてCDになってからまた購入した。楽譜はフェラーリの小組曲。そういえば、ジョリベはほとんど聴かないでフェラーリばかり聴いていた記憶がある。
「ソビエト管楽器の名技Ⅲ ファゴットの名技」
ヴォルフ・フェラーリ/バスーンと室内アンサンブルのための小組曲 へ長調OP.16
ジョリベ/バスーンと室内アンサンブルのための協奏曲
バスーン ワレリー・ポポフ
指揮 ゲンナジー・ロジェストビンスキー
モスクワ室内アンサンブル
最近はずっと聴いてなかったので久しぶりに聴いた。ポポフのバスーンはとにかく骨太で力強い。割りと細かいビブラートが特徴的で、好みが分かれるところかもしれない。
ヴォルフ・フェラーリは歌劇「マドンナの宝石」で有名。このバスーンのための小組曲は決して超絶技巧を要するような曲ではなく、音符を追うだけなら楽器を始めて1~2年の初心者でも吹けるだろう。ただ、全体に単調といえば単調な曲なので、これを音楽として飽かずに聴かせるのは難しそうだ。特に長い音が続くアンダンテの1楽章は、一人で吹いていると途中で何を吹いていたのか自分でも忘れてしまうほどだ。しかし、ポポフは見事に聴かせている。最後まで聴くものの心を離さない。ロジェストビンスキーの指揮するモスクワ室内アンサンブルも好演だ。ジョリベについては省略。
ちなみに、このCDのジャケットに使われているのはヤマハのバスーン。しかし、ポポフがヤマハを吹いているわけではない。録音は1976年なのだから。