集英社のkotoba(2014年秋号)で開高健が特集されています。私も三十数枚の原稿を寄稿しました。
テーマは『夏の闇』にみる開高健の荒地。開高健は『輝ける闇』のなかで、戦後の荒れ地が自身の生にいかに明確なかたちを与えていたかを述べています。彼にとっての荒れ地とは、われわれ冒険者や登山者における自然と同等のものと考えてさしつかえないと思います。死が身近にあるような荒地が開高健という作家にいかに大きな存在だったかを『日本三文オペラ』『輝ける闇』『夏の闇』という三つの作品を通して論じました。私は『日本三文オペラ』を日本から荒地が失われていく風景を描いた作品、『輝ける闇』は失われた荒地を、開高健がベトナム戦争で取り戻そうとする作品、そして『夏の闇』はベトナム戦争で取り戻した荒地に開高自身が身もだえる作品というふうにみています。
今回の原稿では、荒地をキーワードに三つの作品における開高健の内面の変化と苦悶を描きました。開高健の深いところを抉れた自信はありますので、興味のある方は読んでみてください。
ただ、かなり力を入れて書きましたが、力を入れすぎたのか、ほかの方の原稿と比べると、ちょっと浮いてしまっている感がありますが……。
テーマは『夏の闇』にみる開高健の荒地。開高健は『輝ける闇』のなかで、戦後の荒れ地が自身の生にいかに明確なかたちを与えていたかを述べています。彼にとっての荒れ地とは、われわれ冒険者や登山者における自然と同等のものと考えてさしつかえないと思います。死が身近にあるような荒地が開高健という作家にいかに大きな存在だったかを『日本三文オペラ』『輝ける闇』『夏の闇』という三つの作品を通して論じました。私は『日本三文オペラ』を日本から荒地が失われていく風景を描いた作品、『輝ける闇』は失われた荒地を、開高健がベトナム戦争で取り戻そうとする作品、そして『夏の闇』はベトナム戦争で取り戻した荒地に開高自身が身もだえる作品というふうにみています。
今回の原稿では、荒地をキーワードに三つの作品における開高健の内面の変化と苦悶を描きました。開高健の深いところを抉れた自信はありますので、興味のある方は読んでみてください。
ただ、かなり力を入れて書きましたが、力を入れすぎたのか、ほかの方の原稿と比べると、ちょっと浮いてしまっている感がありますが……。