11月4日から6日まで「BSアニメ夜話」が放送される。
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今回取り上げられる作品は、『電脳コイル』『ガンバの冒険』『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』の3本。新旧取り揃えた感のあるラインナップだ。なお、『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』は公開収録となっている。
『電脳コイル』は昨年放送され、見たアニメの中ではベストと言い切れる作品だ。「日常の中のSF」は昔からよく取り上げられてきたが、最後まできちんとSFとしてそれを完結させたのは見事だった。日本SFの現時点での最高到達点とさえ思っている。
番組でどのように語られるかちょっと怖いところもあるが、これを一つのきっかけにしたいという思いがある。実は『電脳コイル』の感想をまだここに書いていない。それがずっと心残りだった。何度か機会はあったのに、タイミングを逸し続けた。褒めることはいくらでもできるが、批評としての切り口が定まらなかったせいかもしれない。今もその切り口がはっきり見えているわけではないが、自分なりの作品への想いは残しておきたい。
『ガンバの冒険』は1975年の作品。子供の頃から再放送などで何度も見たアニメであり、今も強烈な印象を抱いているアニメだ。
まず、素晴らしいのは音楽。軽快で陽気な主題歌「ガンバのうた」は未だに何かの拍子に口ずさむことがあるほど。満天の青空、どこまでも広い大海原、そこに乗り出そうとするネズミたちの心意気や冒険心が伝わってくる名曲だ。一方、エンディングは「冒険者たちのバラード」。一転して暗く重い曲だ。ネズミたちの敵にして最凶の存在である白イタチのノロイの姿は、この曲とともに多くの子供たちの心に根深く刻まれたことだろう。ノロイの圧倒的な存在感がこの作品を印象的なアニメにしたと言っても過言ではない。
『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』は「なんで劇場版?」と思うが……。見ていないので、Wikiでの確認だが、四天王を撃破するまでの総編集版のようでいてオリジナル要素ありの作品らしい。評判は悪くないようだが、それでも劇場版をあえて取り上げる理由がよく分からない。
「BSアニメ夜話」では確かに各回のラインナップに劇場版を織り込む傾向があるのは知っている。でも、無理やりって感じだしね。グレンラガンの劇場版はこれで終わりではなく、当然まだ続くわけだし。「大人の事情」が絡むのかもしれないが、腑に落ちないのはどうしようもない。
ちなみに『天元突破グレンラガン』はいい作品だし、楽しんだけれどもわざわざ語るようなアニメとも思わなかった。知名度低いだろうけど、これ選ぶなら『シムーン』とかを取り上げて欲しいなあ。