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アルゼンチン-コートジボワール(C組)

2006年06月11日 06時40分34秒 | サッカーワールドカップ
死のC組の開幕。前回大会でグループリーグ敗退の憂き目を見たアルゼンチンが今回も死のグループでどんな戦いを見せるか注目したが、内容ではなく結果を求めた試合だった。

アルゼンチンは司令塔のリケルメがゲームを作る。開始早々のフリーキックは誰も合わせられずにスルー。
一方、コートジボワールはエースのドログバが中心。左サイドからボカのクロスに合わせるもヘッドはヒットせず。コートジボワールはボカのミドルシュートも左に逸れる。更に右からのコーナーキックのチャンスもシュートには至らず。
対して、アルゼンチンも右からのクロスにクレスポが飛び込むもクリアされる。直後のコーナーキックではアジャラがタイミングよくヘディングシュートをするも、ゴールラインを割ったかに見えたが判定はノーゴール。
リケルメのロングシュートに対し、コートジボワールもゾコラがドリブルで切れ込んでクロスを上げるもクリアされる。アルゼンチンはカウンターから一気に押し上げるもシュートには至らない。
ほぼ互角の展開が続く。組織力ではアルゼンチンが優位だが、コートジボワールの高い身体能力を生かしたドリブルや個人技に手を焼く場面もしばしば見られた。
この状況を変えたのは、24分やはりリケルメ。精度のいいフリーキックを蹴り、こぼれ球をクレスポが押し込んで先制ゴール。続いてサビオラがミドルシュートを蹴り込み、一気に流れを掴むかに見えた。
しかし、ここからコートジボワールの反撃が始まる。ケイダのミドルシュート、ワンツーからカルーの惜しいシュート、ドログバがスルーパスを受けてシュートを放つもディフェンダーが体を張って阻む。左からのマイナス気味のクロスをフリーでカルーがシュートするも右に外れる。またも左からクロスをドログバが落としてケイタが飛び込んだが、ゴールキーパーのファインセーブに得点とならない。
押されっぱなしだったアルゼンチンは、ワンチャンスからリケルメがスルーパス。オフサイドラインの裏に飛び出したサビオラが上手く合わせてシュートを決めた。フラッグが上がってもおかしくない微妙なタイミングだったが、これで2点差となりアルゼンチンはかなり優位になった。
前半を終わって2-0とアルゼンチンリードとなったが、試合内容はほぼ互角。ただ3回の決定機のうち2回を確実に得点したアルゼンチンの勝負強さが光った。ただアルゼンチンらしいサッカーができていたかというと微妙なところ。

後半に入り、アルゼンチンは左サイドを起点にシュートまで持ち込む。コートジボワールはフリーキックのチャンスも壁に当たって流れを掴めない。アルゼンチンもリケルメのフリーキックがいいボールでゴール前を襲うが誰も合わせられない。
55分コートジボワールが先に動く。カルーに代えてダンダンが入る。このあとまたもドログバが左からのクロスにヘッドで合わせるがクリアされる。
コートジボワールはボカを下げてバカリ・コネを入れ、より攻撃的布陣に。対してアルゼンチンはクレスポを下げてパラシオを入れる。後半に入り、コートジボワールはよりサイドからの攻撃が目立つようになる。左から切れ込んだシュートや、ドログバがキープからケイタ、バカリ・コネと繋がってシュートまで持っていくなど攻撃のリズムが出てくる。そして、フリーキックでは流してからのロングシュートをドログバが足に当てて方向を変え、あわやゴールかという場面も演出する。
ここでアルゼンチンはサビオラを下げてルイス・ゴンザレスを投入。より守備の意識を高める。コートジボワールもケイタに代えてアルナ・コネを入れ、得点を狙いに来た。
後半、攻撃の形が作れないアルゼンチンに対し、再三攻め込むのはコートジボワールという構図となった。バカリ・コネのミドルシュートは外れるが、シュートの本数はかなりコートジボワールが上回るようになる。
そして82分。右からバカリ・コネのクロスを更に左で折り返し、中央のドログバがついにゴールを決める。これで2-1。後半押し続けたコートジボワールが1点をもぎ取った。
これで一気に流れを掴むかと思われたが、アルゼンチンはここからがしぶとい。リケルメのミドルシュートのこぼれ球にゴンザレスが詰めて押し込んだかに見えたゴールはオフサイドで得点にならなかったが、巧みな試合運びで、それまでのようにコートジボワールに自由にボールを運ばせない。唯一左からのクロスがチャンスになるかと思えたが、それも封じて、1点差になってからはシュートを許さずに試合を終えた。
時間のつぶし方の上手さはさすが南米と思わせるもの。ロスタイムに入って、リケルメに代えてアイマールを入れたのも時間稼ぎだった。

アルゼンチンは試合内容では、リケルメこそ目立ったものの、力強さを見せることなく戦い抜いた。見ていて面白いサッカーではなかったが、このグループを勝ち抜くためには仕方ない戦い方だろう。消耗せず、確実に勝ち点を取ることが今求められているのだから。ただ決勝トーナメントでいい結果を残すためには、起爆剤が欲しいところでもある。
コートジボワールは初出場ながら欧州リーグでプレイする選手が多いため実力を存分に発揮できたと言えるだろう。アフリカらしく、組織性は乏しいが、個人技の強烈なパワーは見る者を圧倒する。ただしこの死のグループを勝ち抜くには、足りないものが多すぎる。集中力の持続やずる賢さもサッカーには求められる。アフリカのサッカーの常だが、そういった部分の改善がなされないと、本当に強いチームにはならないだろう。

アルゼンチン 2-1 コートジボワール

アルゼンチン:クレスポ,サビオラ
コートジボワール:ドログバ


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