○ドイツ-アルゼンチン
ドイツはクローゼが途中後退し、またバラックも精彩を欠いたため勝ち切れなかったもののPK戦を制して準決勝進出。先制されたものの、その後はかなり一方的な試合内容だった。対するアルゼンチンは、リードするまでは持ち味を発揮したとまでは言えないものの、それなりにアルゼンチンらしいサッカーを見せていたが、リードしてからは押されっぱなしのゲーム展開となってしまった。勢いに乗る地元のドイツ相手に守りに入って勝ち切ることは難しい。アルゼンチンがそれを成し遂げるのは無理と予想していたが、ほぼその通りになってしまった。GKの負傷退場というアクシデントが大きく影響したとも言えるが、守りに入った途端に追いつかれる最悪の事態は自ら招いてしまったと言わざるを得ない。
○イタリア-ウクライナ
ウクライナの完封負けは予想通り。もっと中盤の多彩さがないとイタリア守備を崩すのは難しい。シェフチェンコ一人ではどうすることもできない。イタリアは予想外の3得点。1失点後、ウクライナが攻めに出たため得意の展開に持ち込めたのが大きい。決してイタリアが強いサッカーをしているわけではないが、ここまでは幸運が後押しした。真価を問われるのは次の試合だろう。
○イングランド-ポルトガル
ポルトガルはデコの不在が想像以上に攻撃にマイナスの影響を与えた。イングランドの守備が堅いとはいえ、ここまで崩せないと得点するのは困難だった。イングランドは戦術面で苦悩していた。負傷から治ったばかりのルーニーに負担を強いるワントップはほとんど機能しなかった。更にルーニーにフラストレーションを強く与えることとなり、結果的にレッドカードに至る要因を作ってしまった。しかし、オーウェンの負傷はともかく、クラウチも高さはあるがフォワードとしての強さや決定力に欠け、期待されたジェラードやランパードはクラブで見せたほどの活躍は発揮できず、ただ一人気を吐いたベッカムは体調不良で途中後退と攻撃陣の不振が目に付いた。10人になってからも、11人の時と遜色ないくらいに攻めを見せたものの、ゴールを決めることはできずにPK戦。ここでポルトガルのGKリカルドが神がかったセービングを連発してイングランドの希望を絶望へと変えた。両チームもう少しいいコンディションで戦えば、もっと面白い試合になっていたはずなだけに、惜しまれる試合だった。
○ブラジル-フランス
私の予想は以前書いたように2-0でブラジル勝利だった。地力としてはそれだけの差があると今も思う。しかし、それを覆すものがこの試合にあった。ひとつはジダンの存在だ。スペイン戦で驚異的なプレイでチームを勝利に導いた。だが、年齢的なものを考えると、それが2試合続くとは思えなかった。それをやってのけた。もちろん、ジダンだけではない。テュラムやマケレレといったベテラン陣が奮闘し、ヴィエラやリベリーがよく走り回った。後半のセットプレーで3回続けてアンリがフリーになり、3回目でようやくゴール(1回目は前に他の選手が入り、2回目はオフサイド)を決めた。幸運のゴールではなく、決めるべくして決めたゴールだった。
ブラジルは、ロナウジーニョをトップに置く布陣を敷いたが、結局今大会ロナウジーニョはバルサで見せるようなプレイをすることなくドイツを去った。ロナウドはゴール前でボールを持つと、ブラジルの他のどの選手よりも怖かったが、運動量が乏しく、彼の見せ場は数えるほどしかなかった。予選で良かったカカは動きが悪く、途中出場のアドリアーノも存在感のないまま試合を終えた。最後まで攻撃は機能せず、単調なボール運びはことごとくフランスの体を張った守備に阻まれた。本当に苦しい場面に追い込まれた時に、強さが問われる局面となる。精神的な強さという点で、今大会のブラジルは見劣りした。それを問われる場面がこれまでW杯の中になかったことがかえってこの結果に繋がったのかもしれない。
続いて、予想。
★ドイツ-イタリア
本来ならドイツ。勢いもあり、地元の利もある。ただ出場が見込まれるとはいえクローゼやバラックの体調は万全ではない。更にフリンクスが出場停止となり、大きな不安要素となりうる。チームの調子もここに来てやや下り坂とも見える。それでも、PK戦で強敵アルゼンチンを破り実力がついてきたとも言える。対するイタリアは、ここまでイタリアらしい守備的なサッカーを繰り返してきた。攻撃力が上がったと言われていたが、イタリアの守備的サッカーは変わっていない。
先制点の意味合いが大きい試合だ。どちらも先制点が取れれば逃げ切る可能性がある。特にイタリアが先制すればドイツは追い付くのはかなり困難だ。それだけにアルゼンチン戦同様にドイツも守備的になる可能性も強い。そうなればPK戦まで見越したチキンゲームの様相となるかもしれない。まともにやりあえば延長2-1でドイツと予想するが、守備的な展開で延長1-0でイタリアという予想をしておこう。
★ポルトガル-フランス
勢いに乗る両チーム。ほぼ万全の体勢で挑める準決勝。ただフランスがあんな神がかった3試合も続けられるのかどうかが焦点となる。ジダンを中心に一丸になって戦うフランス。モチベーションはいまだ高い。優勝の経験者が多い点もここまでくると有利だ。だが、あれほどの激戦が続くと選手の消耗は相当なものだ。ベテランの多いフランスにとって体力の回復は大問題だ。ほんの少しでも集中力の持続が途絶えれば、それは敗戦を意味する。非常に高い次元の集中力と運動量が支えてきた快進撃だがらこそ、ほんのわずかの妥協が全てを失わせてしまう。
ポルトガルの課題は攻撃力不足だ。ボールを支配していても、攻撃の組み立てや決定力に弱味を持つ。またリードを許した時にそれを跳ね返す精神力を発揮できるかどうかもやや不安の余地がある。これまで守備意識の高さと集中力でカバーしてきたし、攻撃の意識も低くはない。
フランスが先制すればそのまま逃げ切れる可能性が高い。むしろポルトガルが先制した方が接戦になるだろう。無得点のまま展開すれば、疲労がフランスを悩ませるだろう。そのためフランスは序盤から積極的に仕掛けてくると予想される。ポルトガルが守りに入るのか、攻め合いを仕掛けるかで展開も違うだろうが、おそらく後者になる。予想は2-1でフランス。ポルトガル勝利と思っていたが、決定力の差が試合の明暗を決めそうな気がする。ポルトガル先制、フランス同点・逆転の後、ポルトガルがまだ闘志を失わずに戦えればまた違った結果となるだろう。
ドイツはクローゼが途中後退し、またバラックも精彩を欠いたため勝ち切れなかったもののPK戦を制して準決勝進出。先制されたものの、その後はかなり一方的な試合内容だった。対するアルゼンチンは、リードするまでは持ち味を発揮したとまでは言えないものの、それなりにアルゼンチンらしいサッカーを見せていたが、リードしてからは押されっぱなしのゲーム展開となってしまった。勢いに乗る地元のドイツ相手に守りに入って勝ち切ることは難しい。アルゼンチンがそれを成し遂げるのは無理と予想していたが、ほぼその通りになってしまった。GKの負傷退場というアクシデントが大きく影響したとも言えるが、守りに入った途端に追いつかれる最悪の事態は自ら招いてしまったと言わざるを得ない。
○イタリア-ウクライナ
ウクライナの完封負けは予想通り。もっと中盤の多彩さがないとイタリア守備を崩すのは難しい。シェフチェンコ一人ではどうすることもできない。イタリアは予想外の3得点。1失点後、ウクライナが攻めに出たため得意の展開に持ち込めたのが大きい。決してイタリアが強いサッカーをしているわけではないが、ここまでは幸運が後押しした。真価を問われるのは次の試合だろう。
○イングランド-ポルトガル
ポルトガルはデコの不在が想像以上に攻撃にマイナスの影響を与えた。イングランドの守備が堅いとはいえ、ここまで崩せないと得点するのは困難だった。イングランドは戦術面で苦悩していた。負傷から治ったばかりのルーニーに負担を強いるワントップはほとんど機能しなかった。更にルーニーにフラストレーションを強く与えることとなり、結果的にレッドカードに至る要因を作ってしまった。しかし、オーウェンの負傷はともかく、クラウチも高さはあるがフォワードとしての強さや決定力に欠け、期待されたジェラードやランパードはクラブで見せたほどの活躍は発揮できず、ただ一人気を吐いたベッカムは体調不良で途中後退と攻撃陣の不振が目に付いた。10人になってからも、11人の時と遜色ないくらいに攻めを見せたものの、ゴールを決めることはできずにPK戦。ここでポルトガルのGKリカルドが神がかったセービングを連発してイングランドの希望を絶望へと変えた。両チームもう少しいいコンディションで戦えば、もっと面白い試合になっていたはずなだけに、惜しまれる試合だった。
○ブラジル-フランス
私の予想は以前書いたように2-0でブラジル勝利だった。地力としてはそれだけの差があると今も思う。しかし、それを覆すものがこの試合にあった。ひとつはジダンの存在だ。スペイン戦で驚異的なプレイでチームを勝利に導いた。だが、年齢的なものを考えると、それが2試合続くとは思えなかった。それをやってのけた。もちろん、ジダンだけではない。テュラムやマケレレといったベテラン陣が奮闘し、ヴィエラやリベリーがよく走り回った。後半のセットプレーで3回続けてアンリがフリーになり、3回目でようやくゴール(1回目は前に他の選手が入り、2回目はオフサイド)を決めた。幸運のゴールではなく、決めるべくして決めたゴールだった。
ブラジルは、ロナウジーニョをトップに置く布陣を敷いたが、結局今大会ロナウジーニョはバルサで見せるようなプレイをすることなくドイツを去った。ロナウドはゴール前でボールを持つと、ブラジルの他のどの選手よりも怖かったが、運動量が乏しく、彼の見せ場は数えるほどしかなかった。予選で良かったカカは動きが悪く、途中出場のアドリアーノも存在感のないまま試合を終えた。最後まで攻撃は機能せず、単調なボール運びはことごとくフランスの体を張った守備に阻まれた。本当に苦しい場面に追い込まれた時に、強さが問われる局面となる。精神的な強さという点で、今大会のブラジルは見劣りした。それを問われる場面がこれまでW杯の中になかったことがかえってこの結果に繋がったのかもしれない。
続いて、予想。
★ドイツ-イタリア
本来ならドイツ。勢いもあり、地元の利もある。ただ出場が見込まれるとはいえクローゼやバラックの体調は万全ではない。更にフリンクスが出場停止となり、大きな不安要素となりうる。チームの調子もここに来てやや下り坂とも見える。それでも、PK戦で強敵アルゼンチンを破り実力がついてきたとも言える。対するイタリアは、ここまでイタリアらしい守備的なサッカーを繰り返してきた。攻撃力が上がったと言われていたが、イタリアの守備的サッカーは変わっていない。
先制点の意味合いが大きい試合だ。どちらも先制点が取れれば逃げ切る可能性がある。特にイタリアが先制すればドイツは追い付くのはかなり困難だ。それだけにアルゼンチン戦同様にドイツも守備的になる可能性も強い。そうなればPK戦まで見越したチキンゲームの様相となるかもしれない。まともにやりあえば延長2-1でドイツと予想するが、守備的な展開で延長1-0でイタリアという予想をしておこう。
★ポルトガル-フランス
勢いに乗る両チーム。ほぼ万全の体勢で挑める準決勝。ただフランスがあんな神がかった3試合も続けられるのかどうかが焦点となる。ジダンを中心に一丸になって戦うフランス。モチベーションはいまだ高い。優勝の経験者が多い点もここまでくると有利だ。だが、あれほどの激戦が続くと選手の消耗は相当なものだ。ベテランの多いフランスにとって体力の回復は大問題だ。ほんの少しでも集中力の持続が途絶えれば、それは敗戦を意味する。非常に高い次元の集中力と運動量が支えてきた快進撃だがらこそ、ほんのわずかの妥協が全てを失わせてしまう。
ポルトガルの課題は攻撃力不足だ。ボールを支配していても、攻撃の組み立てや決定力に弱味を持つ。またリードを許した時にそれを跳ね返す精神力を発揮できるかどうかもやや不安の余地がある。これまで守備意識の高さと集中力でカバーしてきたし、攻撃の意識も低くはない。
フランスが先制すればそのまま逃げ切れる可能性が高い。むしろポルトガルが先制した方が接戦になるだろう。無得点のまま展開すれば、疲労がフランスを悩ませるだろう。そのためフランスは序盤から積極的に仕掛けてくると予想される。ポルトガルが守りに入るのか、攻め合いを仕掛けるかで展開も違うだろうが、おそらく後者になる。予想は2-1でフランス。ポルトガル勝利と思っていたが、決定力の差が試合の明暗を決めそうな気がする。ポルトガル先制、フランス同点・逆転の後、ポルトガルがまだ闘志を失わずに戦えればまた違った結果となるだろう。
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