奇想庵@goo

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NFL2009:開幕戦 Tennessee at Pittsburgh

2009年09月11日 14時10分03秒 | アメリカンフットボール
昨年度スーパーボウル制覇を成し遂げたピッツバーグと、昨年度シーズンゲーム最高勝率のテネシーという非常に楽しみなカード。
ピッツバーグはスーパーボウル制覇後にも関わらず、スタッフ・選手の離脱が少なく、昨年の戦力を維持している。スーパーボウルを制覇したからといって最強とは言えないが、今年度もスーパーボウル制覇に非常に近い位置にいるチームであることは間違いない。
対するテネシーは、昨シーズンの躍進がフロックでないと証明する必要がある。攻撃は爆発力はないが安定しており、守備はDTヘインズワースが離脱した上でも堅守を誇れるのかが注目だった。
勝敗の鍵を握るのはテネシーのランが出るかどうか。「スマッシュ&ダッシュ」と呼ばれるテネシーの二枚看板ジョンソンとホワイトが、強力なスティールカーテンをこじ開けてボールコントロールできるかどうかに興味を持っていた。

テネシーが押しながら、Kビローナスの二度のFG失敗でスコアレスの展開が続く。前半終了間際になって、ピッツバーグがハリーアップオフェンスを展開するとあっさりと先制TDを奪う。テネシーもわずか3プレイでTDを奪い返して前半は7-7で折り返した。
ピッツバーグはランを完封され、QBロスリスバーガー頼みとなっていた。一方、テネシーもランはそこそこは出るが、決して本来の出来とは言えず、QBコリンズの肩に勝敗の行方がかかるようになっていた。
後半FGで共に3点を取り、10-10で第4クォーター残り2分を切ってピッツバーグがウィンニングドライブを進める。これで勝負あったかというパスが決まったが、WRワードがSグリフィンにボールを叩き出されてターンオーバー、試合はオーバータイムに持ち込まれた。
しかし、ピッツバーグのパスアタックはテネシーディフェンスを圧倒し、すんなりと敵陣深くまで侵入。FGによって勝敗は決した。

QBロスリスバーガーはパスラッシュがかからない状況では確実にミドルのパスを成功させた。4メンラッシュではロスリスバーガーに時間を与えるにも関わらず、ピッツバーグがパス主導に切り替えてからもブリッツは多くはなかった。3メンラッシュのゾーンカバーでもワイドオープンでミドルゾーンのパスを許したほどで、ランディフェンスは完璧だったし、パスラッシュも決して悪くはなかったが、ゾーンカバーが際立って悪かったと言う他ない。ゾーンカバーが通用していなくてもそれを続けた戦術にも疑問が残った。

ロスリスバーガーは調子が不安定と言われがちだが、実際はピッツバーグのランが不安定でその割を食っているとも言える。RBパーカーは途中で下げられたが、交代要員を含め目立った活躍はなかった。4サックを喫し、パスプロテクトにも難があったが、ロスリスバーガーの出来は良く、チームを勝利に導いた。
テネシーは開幕戦ということもあってか基本的なミスが多かった。イリーガル・フォーメーション3回は敵地ということを考慮しても多すぎる。RBクリス・ジョンソンは持ち味を発揮できたのは1プレイのみといった感じで、ピッツバーグディフェンスに抑え込まれた。WRゲージも良く頑張ってはいたが、最も大切な場面で捕球できなかったあたりが一流と一流半の差という感じも受けた。チームとして地力の高さは見られたので大崩れすることはなさそうだ。

開幕戦から手に汗握る、何が起こるか分からない面白い試合を見ることが出来た。フットボールらしいフットボールで7ヶ月振りということを忘れて楽しめた。オフィシャルのジャッジにやや思うところはあったものの、この試合のような熱戦が一つでも多く見られることを期待したい。


感想:『夜は短し歩けよ乙女』

2009年09月11日 14時08分50秒 | 本と雑誌
夜は短し歩けよ乙女夜は短し歩けよ乙女
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2006-11-29


初、森見登美彦。
角川文庫夏の100冊の冊子を見て読みたく思い、当初は文庫版を予約していたのだけれどもハードカバーをたまたま見つけたのでそちらを借りた。著者は日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞でデビューと借りてから知った。タイトルは『ゴンドラの唄』の「いのち短し 恋せよ少女(おとめ)」のフレーズより。

青春小説。そのタイトルは以前より聞き及んでいた。絶大なる人気ほどには面白いとは感じなかった。
四章構成で、連作短編と呼んだ方が適切かもしれない。一章の表題作「夜は短し歩けよ乙女」と二章「深海魚たち」は展開こそ奇抜だがストーリー性は希薄。三章「御都合主義者かく語りき」は展開は比較的明快なもののストーリー性があって楽しめた。四章「魔風邪恋風邪」は大団円としては悪くないが、展開の妙味はそれほど感じなかった。

個性的な登場人物と銘打たれてはいるが、正直なところ個性的という印象は持たなかった。京都の町を舞台にした雰囲気は巧みで、登場人物がそこに溶け込んでいる点は評価する。リアルとファンタジーの混在はよくある手法であり、本書が特に効果的だったかと言えば疑問の余地もある。
同世代の頃に読めば違った評価になると思われるが、あらゆる世代に開かれた作品とは言い難い。それは作品の価値を貶めるものではないが、私という読み手にとっての評価は高くなりえない。
先に述べたように、三章「御都合主義者かく語りき」は面白く感じたので、ストーリー性が用意された作品であれば私でも楽しめそうだ。

『僕僕先生』の感想でも語ったが、小説においてはストーリー性を重視してしまう。TVアニメでは「空気系」と呼ぶストーリー性を排した、或いは薄めた作品の楽しみ方を学んだが、小説ではそのリテラシー能力を獲得していない。好みの問題と言ってしまえるのかもしれないが、どうしてもストーリーテリングを求めてしまう。その傾向を認識した上での評価であると明言しておこう。


アニメ感想:涼宮ハルヒの憂鬱「涼宮ハルヒの溜息V」

2009年09月11日 01時58分31秒 | 2009春アニメ
追記:『涼宮ハルヒの憂鬱』の放送枠の後番組が『キディ・ガーランド』となり、放送開始が10月15日予定となったので、28話放送がほぼ確定と言えそうだ。

オープニングもエンディングもすっ飛ばし、恐らく新作分としては最後となる放映を終えた。原作2巻にあたる『涼宮ハルヒの溜息』をきっちり五等分して原作に忠実にアニメ化していたが、オチの後に原作1巻『涼宮ハルヒの憂鬱』のラストを持ってきたところがオリジナルになっている。とはいえ順番をちょっと変えた程度の話に過ぎないとも言えるわけだが。

「エンドレスエイト」によってすっかり意気消沈してしまった手前、原作に忠実な展開に食傷してしまい、演出にまで気が回らなくなってしまった。最早内容よりも何を放送するのかしか興味がないといった有様だ。新作分は終わってしまったが、その点での興味は未だ衰えてはいない。
残り話数が2話か4話かで大きく予想が異なる。1期放送分の残りは、「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」「ライブアライブ」「射手座の日」「サムデイ イン ザ レイン」の4話。残り2話なら「ライブアライブ」「射手座の日」を選択する可能性が高いが、残り2話でも「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」「ライブアライブ」の可能性もあって、次回放送を見ても結論が出るとは限らない(次回「ライブアライブ」ならほぼ確定となるが)。

結局のところ盛り上がりを悉く外しまくったような仕掛けだった。再放送かと思っていたら新作「笹の葉ラプソディ」が放送されたが、情報に精通している人でないと見損なう可能性の高いやり方だった。「エンドレスエイト」は予想されたタイミングで始まったが、呆れさせるループの数に盛り上がりが盛り下がりへと急速に変化した。更にそれだけ引っ張った「エンドレスエイト」のオチは原作通りのあまりに凡庸なもので見事に期待を裏切られた。
「溜息」を残り5話に均等に割り振って、平々凡々と今更ながら展開して、盛り上がる機会もないままに終わりそうだ。期待の高かった「消失」はなく、劇場版なり3期なりを発表したところで、以前のような期待感は恐らく湧き上がらないだろう。

売上が1期と比べてどう変化したかといったことはなかなか表に出てこないと思われるが、原作に続く2度目の戦略上のミスは本来儲けることのできたはずの売上の相当な減少となって現れるだろう。1期の成功によって得られた遺産を悉く費やしてしまった。もはや『涼宮ハルヒの憂鬱』は特別な輝きを放つタイトルではなくなってしまった。
虎の子の「消失」のアニメ化はされるだろうが、それが最後である。頭の悪い馬鹿げたミスを2度もやっていては仕方がない。このタイトルがライトノベルでもアニメでも徒花として終わってしまうのか、本当に後が無くなってしまった。

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)
価格:¥ 540(税込)
発売日:2003-06