奇想庵@goo

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「School Days」放送自粛余波

2007年09月26日 19時52分06秒 | 2007夏アニメ
先日起きた16歳の少女が父親を斧で殺すという事件を受けて、いくつかのアニメ番組が放送を自粛した。どのような状況であっても放映すべきとは思わないが、今回の件は明らかに過剰反応と言うべきだろう。

周囲の雰囲気に流されやすいのはこの国の悪い側面だが最近それが顕著に感じる。「KY」=空気が読めないと批判的に語られるが、それはとても日本的なものの見方だ。
某ブログで乗用車の写真が掲載され、そのナンバープレートが見えることから、コメント欄にそれを消した方がいいという意見が多数寄せられた。確かに、ナンバーを見えないように修正するというマナーは存在する。しかし、それを強制すべきものだとは思わない。
消した方がいいという意見の表明はいいが、消すかどうかは管理人の判断に委ねられるものだし、意見が取り入れられなくてもそれ以上どうこう言うべきものではない。現実は管理人を批判する意見の羅列となっている。
メディアで時々取り上げられることだが、個人情報保護法が施行されて以来、あちこちで過剰な反応が為されている。それはネット上でも例外ではないということだろう。

一方で、奈良の少年による放火殺人事件での調書流出のような明らかな違法に対して、マスコミが表現の自由の名の下に騒いでいる姿も情けなく思う。正義をかざして個人を攻撃するマスコミの姿が人々をこのような状況に追い込んでいるとも言えるだろう。マスメディアの自分勝手な様は多くの国民が身に染みているのではないか。

この放送自粛によって、今夏スタートした『School Days』というアニメの最終回が放映中止となった。地上波ではその最終回の放映の目処が立っていない。
そんな状況で、このアニメの原作である18禁アダルトゲームの発売元オーバーフローが最終話の試写会を行うと発表した。その際に、『School Days』或いは続編の『Summer Days』の未開封のソフトが必要としたことで、2ちゃんねるなどで騒ぎとなった。
すぐさまオーバーフローは開封済みでも可と修正したが、この混乱に乗じて金儲けをしようとしたのではと色眼鏡で見られることとなった。この作品を放送していたAT-Xが明日最終話を放映することが発表され、とりあえずこの騒ぎも落ち着きそうだ。

今回の件に限らず2ちゃんねるなどで騒ぐことで不正を糺そうという動きが見られる。マスメディアへの不信がそれを増長させている印象だ。海外でブログなどによってマスコミ以外にも社会を監視・批判する存在が生まれ、うまく機能している例もある。ただ日本の場合そのほとんどが匿名の存在であり、無責任な、ただ雰囲気に流されただけのものも少なくないように思われる。
ネット上では時に卓見に出会うこともできるが、大半は幼稚な意見ばかりで、そこを国家権力に衝かれる可能性も考えられる。今のままだと遠からず規制の声が上がるのではないか。時にそれも仕方ないと思う出来事も少なくないのが本当に残念だ。