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NFL2007開幕―開幕戦New Orleans Sains @ Indianapolis Colts

2007年09月09日 23時59分00秒 | アメリカンフットボール
ついに2007シーズンが開幕した。
どうしてもオフシーズンの動きに鈍くて、シーズン開始してから各チームの戦力などを確認するため、今はまだ助走期間って感じだけど。各チームの試合を自分の目で見て今シーズンの戦力について判断したいところだ。

開幕戦は昨シーズンの覇者インディアナポリス・コルツ対昨シーズンのシンデレラチームニューオーリンズ・セインツの一戦。
コルツは前評判は余り高くなく、特にLTタリク・グレンの引退の影響が懸念された。優勝チームにはよくあることだが、サラリーキャップにより戦力の補強は行えず、主力の流出が目立ってしまう。これに怪我や引退が重なり、かなりの戦力ダウンが予想されていた。更に、より重要な問題としてモチベーションの持続ができるかどうかという点も連覇の難しさを語る上で常につきまとってくる。長年優勝候補に挙げられながらあと一歩届かず、ようやく達成したスーパーボウル制覇にプレイヤーが満足してしまうと、更なる高みを目指そうという意欲が失われかねない。チーム全体が精神的な貪欲さを保てなければ一シーズンを戦うことは困難だ。
地区内に強敵が見当たらないためプレイオフ出場は可能性が高いものの、更なる上を狙うには戦力的にも精神的にも厳しいシーズンになるであろうことは間違いない。ただこの開幕戦を見た限りでは、その困難に打ち勝とうというプレイヤーの意欲は高い。この試合だけでは判断できない部分もあるが、周りの声以上の結果が出てきそうな気配が濃厚だ。主力選手の怪我などのアクシデントがあれば別だが、昨年よりもいいチームに仕上がっているようにも見える。

一方のセインツ。こちらはいい補強をして前評判も上々だが、開幕戦を見る限りプレイオフ進出も厳しく感じた。一昨年のシーズンにハリケーン・カトリーナの影響もあってわずか3勝に終わった。QBドリュー・ブリーズの獲得やルーキーRBレジー・ブッシュのインパクトで波に乗り、あれよあれよと勝ち進んでNFCのチャンピオンシップまでたどり着いた。攻撃力はそれなりの高さを認めるものの守備には不安が残った。
今シーズンは昨シーズンと違い対戦相手から厳しくマークされている。トリッキーな攻撃もかなり予測されているだろう。開幕戦はコルツの攻撃への脅威からボールコントロールを狙う戦術を取った。前半はそれなりに機能したが、後半になるとアジャストされ全く機能しなくなった。それに対応ができなかったのが心配だ。
コルツの不安視されていたランディフェンスに対して二枚看板のRBで衝く作戦は当然だろう。しかし、それはコルツの守備に阻まれた。ブリーズの短いパスは有効だったが、それだけでは崩せなかった。ミドルのパスが少なく、ロングは試みる機会さえなかった。一つにはパスプロテクトがもたなかったことが理由だ。ブリッツが来たわけでもないのにブリーズに時間を与えられなかった。また、ゾーンディフェンスに対してレシーバーが対応できていたかも微妙なところだろう。放送を見る限りレシーバーがフリーになるケースがほとんどなかった。戦術的な部分もだが個々の能力という観点からもパスアタックに不安を残す試合だった。
守備は前半こそ健闘したが、後半は好き放題された。RBジョセフ・アダイのランを止められないとコルツのオフェンスを止めることは難しい。強力なDE二人もQBペイトン・マニングに届かなかった。CBジェイソン・デイヴィッドを責めるより、コルツオフェンスを止めるディフェンス力がないと言うべきだろう。
昨シーズンは出来すぎだった。NFCチャンピオンシップで敗れたが、そこまで行けて満足している面があったのではないか。NFLの世界では常に進化が求められ、現状維持はマイナスと同じだ。いくら戦力補強しても戦術面や精神面で前進していかなければ勝利はつかめない。この試合の戦い方にHCショーン・ペイトンの課題を感じた。昨シーズンのように戦っていては勝てない。それをどれほど理解しているのか。不安が募る開幕戦だった。