環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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21世紀のキーワード 「持続可能な」 が、出てこない約1万3600字の 「鳩山首相の施政方針演説」

2010-01-30 16:41:29 | 政治/行政/地方分権
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 鳩山首相が1月29日、衆参両院で初めての「施政方針演説」を行いました。私はテレビでこの演説を聞き、今日、1月30日の毎日新聞朝刊に掲載された鳩山首相の施政方針演説の全文を熟読しました。


 ネット上には、この施政方針演説に対する賛否両論が様々なレベルで渦巻いていますが、私が一つだけ注目していたことを、今日は書いておきます。おそらくほとんどの方が意識していないでしょうから。

 私は最近、鳩山政権への期待を込めて、次のブログを書きました。

●民主党政権誕生から4ヶ月、「現状追認主義の国」から抜け出すには?(2010-01-20)

●期待される「日本の鳩山政権の21世紀ビジョン」はどのようなものか(2010-01-21)

●持続可能な国づくりの会の理念とビジョン「協力社会で8つの安心!」が完成(2010-01-22)


 この3つのブログに共通するのは21世紀のキーワード「持続可能性」(Sustainability)という言葉です。私は1月22日のブログで、私たちが考える「日本がめざすべき21世紀の社会の理念とビジョン」をアップしておりましたので、1月29日に行われた鳩山首相の施政方針演説に大いに期待していました。

 「いのちを、守りたい。いのちを守りたいと、願うのです。」という「はじめに」で始まり、「いのちを守りたい」で始まる「むすび」で終わる約1万3600字の施政方針演説に21世紀のキーワード「持続可能な」(Sustainable)という言葉 が一言も出てきませんでした。

 自民党政権時代の施政方針演説づくりは各省からあがってきた短冊形の原稿をつなぎ合わせてつくる「ホチキス」と呼ばれる手法でつくるのが恒例だったと朝日新聞は解説していますが、今回、各省庁の関与を排してつくられた演説草稿をベースとして、26日の閣議で各閣僚に担当分野に関する部分だけ書かれた紙が渡され、平野官房長官が「修正点があれば回答を」と指示したと朝日新聞に報じられていますが、そうであれば、首相も、官房長官も、各閣僚も「持続可能な」という21世紀のキーワードに気づかなかったか、もともと、この政権の閣僚を務めている政治家の誰もにその認識がなかったのかもしれません。私が見落としたのであればよいのですが。

 このことをあえて政党レベルにあてはめてみますと、民主党、連立内閣である社民党(福島瑞穂大臣)および国民新党(亀井静香大臣)、ついでに言うならば、自民党の場合には小泉政権の下で2005年11月22日に採択した「新綱領」の中にただ一言「持続可能な社会保障制度の確立を」というのがあるだけです。「持続可能な」という言葉は、2010年1月24日に採択された自民党の「平成22年(2010年)党綱領」にも登場しません。その他の政党のリーダーの認識はどうなのでしょうか?

 マスメディアにも、そのような基本的な視点や認識が欠けているように思います。

 ちなみに、2009年10月26日に行われた鳩山首相の「所信表明演説」にも「持続的成長」という言葉が1カ所出てくるだけですから、もともと認識がないのかもしれません。 


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