環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

「アスベスト」への行政の対応の相違をもう一度

2007-07-08 09:54:21 | 化学物質/アスベスト


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このアスベスト(石綿)に関する投書は、今朝の朝日新聞の「声」欄に掲載されていたものです。

米国科学アカデミーがアスベストの害について1971年に報告書を公刊し、早急な規制が必要なことを求めたそうです。投稿した植木 厚さんは「日本の役所が米国科学アカデミーの報告に即座に対応していたら、どれだけ多くの人の健康と生命が救われたか言うまでもない」と書いておられます。本当にその通りだと思います。

6月20日のブログ「アスベスト問題へのすばやい対応①」で紹介した「スウェーデンのアスベストにかかわる規制の推移」を再掲します。


植木さんが日本の政府に期待したことが実現するのに13年かかったそうですが、スウェーデンでは直ちに行政が対応していたことがわかりいただけるでしょう。治療志向の国と予防志向の国の対応の相違です。

このようにすばやい対応をしても、6月21日のブログ「アスベスト問題へのすばやい対応②」で紹介しましたようにアスベストによる「中皮腫」は確実に増えている傾向が見られます。この傾向を見れば、植木さんのご指摘が適切であると思います。



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 誰でも参加したくなる「1999年施行の新公的年金制度」①

2007-07-08 06:58:49 | 少子高齢化/福祉/年金/医療


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この図は新年金制度の概念図を示したものです。1999年から始まった新公的年金制度の最大の特徴は、「現役世代が生涯を通じて納めた保険料の総額が同じであれば、年金受給世代になって受ける給付額も同じである」という公平性にあります。旧年金制度に対しては、払っただけの額を受け取れない、という若い世代の不満がありましたが、新しい制度では、「拠出」と「給付」の関係が1対1となり、若者の納得が得やすいように工夫されています。

この制度の実現までの議論をリードしてきたボー・クェーンベリさん(前社会保険大臣)は、2002年1月の日本での講演で、つぎのような具体例で旧制度との相違を説明しています。

●拠出と給付について、「旧年金制度」と「新年金制度」の間には違いがあります。生涯を通じて155万クローナを納めた2人の人がいるとします。1人は勤続年数が短かったが、ダイナミックなキャリアを持っていた人です。この人の受け取る年金給付のほうが、こつこつと40年間、同じ企業で工場労働者として働いた人よりも多くなる。それが旧制度でした。新しい年金制度では、払い込んだ保険料が同じであれば、給付額も同じになるということで、より公平になります。

新年金制度では、自ら支払う保険料によって、自らの年金給付を確保していくことになりますので、日本で深刻な問題になっている「保険料未納問題」は、制度上起こりにくくなっています。
 
この制度は、旧制度の1階部分を構成していた「国民基礎年金」を廃止し、年金を「所得比例年金」に一本化したため、「現役世代の生涯所得」と「現役世代が年金受給世代になってから受け取る年金受給額」が直接結びついています。

年金の財源は、低所得者以外はすべて、現役世代が支払う「労使折半の保険料」です。子どもの保育期間や徴兵期間中など所得のない期間は、国が代わって年金保険料を払うことになっています。低所得者に対しては、税金を財源とする「最低保障年金」制度を設けました。最低保障年金の支給額は生活保護の基準となる所得の75%程度です。国庫負担(税金)は、補足年金給付の全額、出産・育児休暇時の保険料相当額および兵役期間中の保険料相当額の3種類のみです。 

年金受給開始年齢は原則として65歳ですが、61歳から70歳までの間で、自由に選択することができます。新年金制度はすでにお話したように、自分が払った保険料が、将来年金として返ってくることを実感できるように工夫された制度で、専門的には「概念上の拠出建て賦課方式」と呼ばれます。



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