私のプロフィールや主張、著書、連絡先は、ここをクリック
持続可能な緑と福祉の国をつくる会(仮称)のブログは、ここをクリック
この図は新年金制度の概念図を示したものです。1999年から始まった
新公的年金制度の最大の特徴は、「現役世代が生涯を通じて納めた保険料の総額が同じであれば、年金受給世代になって受ける給付額も同じである」という公平性にあります。旧年金制度に対しては、払っただけの額を受け取れない、という若い世代の不満がありましたが、新しい制度では、「拠出」と「給付」の関係が1対1となり、若者の納得が得やすいように工夫されています。
この制度の実現までの議論をリードしてきたボー・クェーンベリさん(前社会保険大臣)は、2002年1月の日本での講演で、つぎのような具体例で旧制度との相違を説明しています。
●拠出と給付について、「旧年金制度」と「新年金制度」の間には違いがあります。生涯を通じて155万クローナを納めた2人の人がいるとします。1人は勤続年数が短かったが、ダイナミックなキャリアを持っていた人です。この人の受け取る年金給付のほうが、こつこつと40年間、同じ企業で工場労働者として働いた人よりも多くなる。それが旧制度でした。
新しい年金制度では、払い込んだ保険料が同じであれば、給付額も同じになるということで、より公平になります。
新年金制度では、自ら支払う保険料によって、自らの年金給付を確保していくことになりますので、日本で深刻な問題になっている「保険料未納問題」は、制度上起こりにくくなっています。
この制度は、旧制度の1階部分を構成していた「国民基礎年金」を廃止し、年金を「所得比例年金」に一本化したため、「現役世代の生涯所得」と「現役世代が年金受給世代になってから受け取る年金受給額」が直接結びついています。
年金の財源は、低所得者以外はすべて、
現役世代が支払う「労使折半の保険料」です。子どもの保育期間や徴兵期間中など所得のない期間は、国が代わって年金保険料を払うことになっています。低所得者に対しては、税金を財源とする「最低保障年金」制度を設けました。最低保障年金の支給額は生活保護の基準となる所得の75%程度です。
国庫負担(税金)は、補足年金給付の全額、出産・育児休暇時の保険料相当額および兵役期間中の保険料相当額の3種類のみです。
年金受給開始年齢は原則として65歳ですが、61歳から70歳までの間で、自由に選択することができます。
新年金制度はすでにお話したように、自分が払った保険料が、将来年金として返ってくることを実感できるように工夫された制度で、専門的には
「概念上の拠出建て賦課方式」と呼ばれます。
それぞれのマークをクリックすると、リアルタイムのランキングが表示されます。お楽しみください。