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労働安全衛生分野も、スウェーデンが国際社会から高い評価を受けている分野です。スウェーデンのアスベスト(石綿)使用量は、50年代には5000トン、1965年頃には2000万トンに達しましたが、つぎつぎに規制が強化されましたので、84年には1000トンまで減少し、その後、商業用途は完全に禁止されました。

最初のアスベストの行政規制(労働安全衛生庁の指示書)がつくられたのは1964年でした。75年には、労働環境における制限値が決められ、76年には制限値の強化とともに、最も毒性が強いとされる「クロシドライト(青石綿)の使用」が法的に全面禁止されました。

1986年には、法的な拘束力を持った総合的な規制が始まり、92年にはさらに規制が強化されました。92年の規制は、それまでの知見を集大成した新しい規制で、アスベスト問題を幅広くとらえています。アスベストはさまざまな用途に使われてきたので、建造物を解体するときにどうしたらよいか、粉塵用の安全防具はどうしたらよいか、医学的にどう監視していくかなど、規制の実効性を高める具体的事項が盛り込まれています。このような広範な対応は、「アスベストという物質が人の健康および環境に有害である」という科学的事実を理解すれば、当然のことです。

スウェーデンでは、アスベスト問題は「環境の酸性化(日本では、酸性雨問題)」との関連でも議論されました。環境の酸性化とは、化石燃料の燃焼で生じた、硫黄や窒素の酸化物が環境に与える影響のことです。環境の酸性化の影響で、過去に使われたアスベスト・セメント中のアスベスト繊維が環境中に放出しやすい状況にあることが、科学者の間で指摘されたからです。
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