酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

二つの「奇跡」

2011-05-29 06:09:28 | Weblog
 どちらの事故も死者が出なかったのが不思議だ。北海道のJR特急脱線事故と山形のワゴン車転落事故のことである。

 まず、列車事故。

 《27日午後9時55分ごろ、北海道占冠村のJR石勝線占冠―新夕張間の第1ニニウトンネル(全長685m)内で、釧路発札幌行き特急スーパーおおぞら14号(6両編成)が走行中、後方3両の車内から白い煙が出たため、緊急停車した。火災が発生し、乗客ら約240人が徒歩でトンネルの外に避難した。

 JR北海道関係者によると、後ろから2両目の車輪の一部が脱線していたことが判明。地元消防などによると、煙を吸ったり、やけどをしたりした乗客40人が病院に搬送され、うち女性1人が一時意識がはっきりしない状態となった。全員軽症とみられる》=28日中日新聞夕刊=。

 《北海道占冠(しむかっぷ)村のJR石勝(せきしょう)線・第1ニニウトンネルで特急「スーパーおおぞら14号」(6両編成)が27日に脱線炎上した事故で、JR北海道の一條昌幸鉄道事業本部長らが28日、札幌市の本社で記者会見し、火災を認識したのは特急が緊急停車した2時間後に北海道警からの連絡を受けてからだったことや、乗客に避難指示がなされなかったことを明らかにした》=読売ONLINE=。

 中日は最初から「列車火災」と報じている。列車から火が出たので緊急停車したとの説明だ。この記事がいつ書かれたかは分からないが、読売の記事と重ね合わせると、JRが現場を掌握できていなかったことは明らかだ。

 脱線して火が出たと、火が出て急停止したら脱線した、では大違いだ。

 それはともかく、トンネルがもう少し長ければ大惨事になっていたかもしれない。誘導も適切ではなかったというから、犠牲者が出なかったのは奇跡に近い。

 山形のワゴン車転落もすごい。

 《28日午後1時すぎ、山形県米沢市の天元台高原スキー場付近で、県立酒田工業高校の男子生徒10人と男性教諭2人が乗ったワゴン車が林道から転落し、脇の急斜面を約150メートル滑り落ちた。県警や消防などによると、生徒5人が足を骨折するなど重傷、残り7人は軽傷という。ワゴン車は8人乗りで、県警は定員をオーバーしていたとみて詳しく経緯を調べている》=朝日com=。

 「毎日」によれば、滑り落ちたなどというものではなく「10回転ぐらいした」という。骨折や打撲で済めば御の字かもしれない。

 この林道は鍵を借りてゲートを開ける道路だが、この先生方は勝手に入っていた。定員オーバー、鍵なし進入はほめられない。「いつものこと」なのだろうが、そこに事故を生む隙ができる。

 どちらの事故も教訓に富むが、死者がなかったのは何よりだ。 
コメント
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