酔眼独語 

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何のための大学農場か

2008-10-03 05:45:24 | Weblog
 大学の農場や演習林は研究や実習のために存在するのかと思ったらそうでもなさそうだ。独立法人となった昨今では、生産物を売却して儲けも出さなくてはならない。

 安く大量に農作物を作るには、農薬を効果的に使いましょう。という訳?で、東大の農場では禁止薬物まで使って米を作っていた。冗談はほどほどにしてほしい。



 《東京大学は2日、大学院農学生命科学研究科付属農場(西東京市)で97年から99年にかけて、使用禁止の水銀系農薬を使ってつくった米を一般に販売していたと発表した。「人体への影響は少ないのではないか」と説明するが、すべての生産物の一般販売を中止し、相談窓口を設けた。

 一方、東大農場の説明では、禁止農薬が使われたとされる時期を含む95年から01年は東大生協にも卸され、大学食堂で食べられていたという。農場の記録には、一般市民への販売は00年からとの記述もあり、確認を進めている》=朝日電子版=



 大学院、それも農学生命科学研究科付属農場ですぜ。「人体への影響は少ないのではないか」とは何という言い草だろう。使用した農薬の量が特定されているのなら、「米に残留した可能性がどれほどで、人体への影響はこれこれ、蓄積すると××などを引き起こす恐れも否定できない 」ぐらいのコメントをするのが学者の最低限の務めだ。


 2日の会見で東大側は、厳密に言えば使用禁止農薬を使ったわけではないとする文書も配布している。


 《(注)水銀剤は、1973年(昭和48年)に農薬として登録失効となり、法令上輸入、製造、販売が禁止されました。この時点以前に流通している水銀剤については、なお使用が法的には許容されている状態でした。この後、2003年(平成15年)3月に使用自体が禁止となりました。

したがって、このたび問題となった水銀剤は、本学農場における実習田での使用当時(1997~1999年度)においては、登録失効となっていましたが、厳密に言えば使用禁止農薬とはなっていない状態でした。

しかし、水銀剤が登録失効とされた趣旨からすれば、失効以後は使用も望ましくないものと考えられますので、本日の記者発表で申し上げたとおり、当該農薬については適切ではない取扱いがあったものと判断しております》=東大HP=


 研究施設でなぜそのような水銀系農薬を用いたのか。研究目的ではなく漫然と稲作を行っていたのではないか。農場での生産物がどのように流通し、収益はどうなっていたのか。これらの点も明らかにすべきだ。


 東大は演習林だけでも全国7カ所、牧場や果樹園、水産施設なども持つ。これらはすべてベールに包まれたままだ。早急にその全容を公表してほしい。

 東京大学環境理念・環境基本方針に何と書いているのか。小宮山学長以下の幹部はとくと読むべきである。

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