酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

原油と穀物価格はなぜ上がる

2008-05-25 04:27:35 | Weblog
 原油価格の高騰が止まらない。駆け足なんてもんじゃなくて、全力疾走の様相だ。NYM市場で初めて1バレル100㌦を付けたのは1月2日である。いまや130ドル台だ。異様というしかない。

 米エネルギー省が3月に発表した「短期エネルギー見通し」では08年のWTI平均価格は1バレル=100・61ドルと見込んでいた。①世界的な需要増の傾向は衰えることがない②アメリカの景気の減速は避けられず、原油需要は後退する、①>②であり、価格は高止まりする。こうした見立てだった。

 実需を読めばそうなる。でもおきていることは違う。なぜか。

 正直、経済のことはよく分からない。しかし、原油に関しては経済法則とは別のロジックで動いているような気がする。政治の陰を感じるのだ。

 アメリカが意図的に吊りあげを図っているのではないかという疑問だ。ここで言うアメリカとは政府・軍産複合体・経済界の総体である。

 一時ほどではないが、世界的なドル安基調が続いている。アメリカは世界に合弁企業をばら撒いて刈り取る国であり、ドル安で輸出企業が大きく潤う体質ではない。円安大歓迎の日本とは違う。

 海外に進出しているアメリカ企業はドル下落で大きな痛手をこうむる。石油メジャーも手取りが少なくなる。原油価格を上げれば、ドル安の分は補える。

 ブッシュが先日中東に出かけ、サウジでは石油増産の談判を行った。これはポーズくさい。先月のOPECでは「原油高騰は投機によるもの」とし、供給不足を否定している。見込みのないことをわざわざ申し入れる理由は何か。「増産はない」とのメッセージを市場に強く印象付けることだろう。

 120ドル台の後半から一気に130ドルまで駆け上がったのはブッシュが中東を訪れた後だ。ブッシュ自身が石油関連企業のオーナーであり、閣僚や側近にはメジャー出身者やエネルギー企業関係者がうようよいる。政権末期、最後の一儲けを企てても不思議ではない。

 穀物は原油と連動して考えるべきだろう。ここでもアメリカのバイオ燃料政策が効いている。

 注目すべきは、アメリカは世界最大の農産国だということだ。トウモロコシ、大豆、小麦。価格を決めるのはアメリカだ。原油が上がれば穀物もあがる。お互いが価格を引っ張り合う出来レースのようなものだ。

 こんなことは各国のアナリストや政府は十分承知だろう。ファンド規制に踏み切らないのは、容認しているということだ。

 食料とエネルギーをファンドが食い荒らすのを放置する世界の指導者とは、一体何者か。そういえば福田さんも、丸善石油(現コスモ)に勤めていたんだっけ。
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