酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

キム・ジョンウンの変貌

2010-10-01 05:35:54 | Weblog
 44年ぶりに開かれた北朝鮮の代表者会などで、「大将」「党中央軍事委副委員長」などに推挙されたキム・ジョンウンがようやく素顔を見せた。

 《北朝鮮の朝鮮中央通信は30日、金正日(キムジョンイル)総書記(68)の後継者に確定した三男の金ジョンウン氏(27)とみられる人物が写っている集合写真を配信した。

 朝鮮中央テレビも、この人物が9月28日の朝鮮労働党代表者会で拍手している映像を放映。韓国統一省は「ジョンウン氏と推定される」としている。北朝鮮メディアが写真や映像を公開するのは初めて。

 写真は平壌(ピョンヤン)の錦繍山記念宮殿広場で撮影。最前列中央の金総書記を挟んで右側に金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長(82)と崔永林(チェヨンリム)首相(79)、左側に李英鎬(リヨンホ)党中央軍事委副委員長(67)とジョンウン氏が座っている。金総書記の右後方に義弟の張成沢(チャンソンテク)国防委副委員長(64)がいる。席順などから、ジョンウン氏は党内序列5位に抜てきされた可能性が高い》=読売ONLINE=。

 顔が膨らんで、目がつりあがっているのが印象的である。ひざの上でぎゅっと拳を握っているのは緊張感の表れか。前途で待ち受けている困難に身構えているようにも見える。

 スイスに留学していた中学生時代は、どちらかといえば細身だったとされる。おやじに似て太ってきたというより、これはストレス太りと見るべきだ。権力の継承者として生活の自由はなく、「宮殿」での保護生活が続く。NBAプレーヤーを夢見た少年の悲しい末路だ。

 ジョンウン登場で思い出すのが、9年前成田に現れ、追い返された長男の正男だ。当時、既に後継レースは終わっていたのだろう。そうでなければ女房や子どもを連れて偽名で「ディズニーランドへ」なんて計画できるわけがない。正男は今でも中国などを時折ふらりと訪れているらしい。

 崩壊必至の王朝を継ぐジョンウンにはこの気楽さはもちろん、ない。貧困と飢え、自由の圧殺という現実に目覚めた人民に襲われる悪夢が頭をよぎるときもあるだろう。27歳の青年がそれに耐えられるかどうか。

 北の新しい指導部は「身内で周りを固めて、ジョンウンを補佐する体制」といわれるが、「小うるさい親戚で取り囲み、勝手は許さない」仕掛けと見た方がいいのではないか。

 このまま崩壊に突き進むのか、それとも…。

 
コメント
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