酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

タイガー・ウッズ 虚像が生んだ悲劇

2009-12-13 09:28:33 | Weblog
 不可解な交通事故から2週間、さまざまなスキャンダルが飛び出しているタイガー・ウッズがツアー出場を自粛する声明を出した。犯罪を犯したわけでもないタイガーが、なぜ競技から離れなければならないのか。「スーパースターは人間性も求められる?」。アメリカもちまちました社会になってしまっているようだ。

 《相次ぐ騒動で窮地に立っていた男子ゴルフのスーパースター、タイガー・ウッズ(33)=米国=は11日、自身の公式サイトで不倫を事実上認めたうえで、米ツアー出場の無期限の自粛を表明した。11月27日の自動車事故から狂騒の2週間。ウッズはドアを閉ざして、家族と傷を癒やしながら事態の沈静化を待つことを決断した》=毎日jp=。

 米国内のテレビなどには「タイガーと野獣のsexを楽しんだ」などという女が次々と現れ、視聴率を稼いでいるらしい。一晩130万円の高級コールガールがお気に入りだったなどという報道もある。それがどうした、と言いたい。

 ほめられた行為ではないにせよ、あくまで私生活上の問題だ。タイガーと彼の家族で解決すればいい話だ。嫁さんが「許せない」というのは当然だろう。それをどう処理するかは、タイガーのマネジメント能力に懸かっている。

 ツアープロの立場とは関係ないはずなのに、出場自粛を選択してしまった。騒動が収まらないまま出ても好奇の目にさらされるだけで、プレーに集中できない。いっそ引きこもろう、ということなのだろう。残念なことだ。

 いまや死語に等しいかもしれないが、「英雄色を好む」は真実だ。それぐらいの体力、気力、精力がないと世界の頂点には立てない。ましてスポーツの世界においておや、である。

 この程度のスキャンダルをあの米国が忌避する。アメリカという国自体が精力を失いつつあることの証明だろう。活発さや野獣性より品行方正がもてはやされる。困った現象だ。はにかみ王子やハンカチ王子の日本といい勝負になってきた。

 極論だが、プロスポーツ選手は強くてなんぼだ。違法行為や不正行為でない限り、自由奔放の方が魅力的に映る。しかし、近年、「王者は王者らしく」が求められ、タイガーも理想の青年を演じさせられていた。どこかに無理があったから、こんな格好のスキャンダルになって噴き出した。好青年を演じさせておいて、事実が明らかになると手のひらを返したように攻撃しまくる。タイガーはメディアの犠牲者とはいえないか。
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