酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

新型インフルエンザって、何者だ

2009-05-01 05:15:20 | Weblog
 国内で初めての新型インフルエンザ感染者が出たらしい。


 《舛添厚生労働相は1日未明、記者会見し、国内で初めて、新型の豚インフルエンザの疑いがある患者が見つかったと発表した。カナダから帰国した横浜市に住む日本人男子高校生(17)という。今後、さらに詳しく調べて、新型インフルエンザ患者と確認されれば、国内初の症例となる。同行者がおり、複数の感染者が出ている可能性があるという。ただし、現段階ではAソ連型の可能性も残っている》=asahi・com

 28日にWHOが新型の警戒レベルをF4に引き上げた時点で、こうした状況は折り込み済みだろう。潜伏期間が10日前後あるため、空港などの水際で防ぐには限界があるからだ。問題はこれからだろう。

 精密検査の結果がどう出るか。「新型ではない」の判定が下ることが望ましいが、さて。

 それにしても、今回の「騒動」は疑問が多い。第一はWHOの動きだ。フェーズの引き上げが急激過ぎるのではないか。それとも、政治的思惑に引きずられて、当初判断を誤ったのか。

 メキシコでの豚インフルエンザ感染者多発を受けて、WHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」との声明を出したのは25日だ。このときは警戒レベルはF3のまま据え置いた。2日後にF4を出し、さらにその2日後F5に引き上げた。F5といえば「世界的大流行懸念」段階だ。こう矢継ぎ早に引き上げれば、「爆発的な流行=パンデミック」が始まったと受け止められるのは必至だろう。

 F5引き上げの際、WHOの事務局長は「全製薬会社に対応ワクチンの製造を促し、各国政府に新型に対処する予算措置を要請するため」と述べている。25日時点で、フェーズを上げなかったのは「経済への影響に配慮したため」と伝えられている。WHOはいつから景気の心配をするような政治的機関になったのか。

 新型とはいうものの、普通のインフルエンザではないのか。というのが次の疑問だ。アメリカでメキシコ人の幼児が死亡した以外、犠牲者はメキシコ国内に限られる。インフルエンザウイルス以外の要素が絡んでいる可能性は否定できない。

 いずれにしても、今回の新型インフルエンザ騒ぎは分からないことだらけだ。分からないから、用心に越したことはない、ということになる。
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