脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

命運を決するのは10月 -KSLラストラン-

2009年07月22日 | 脚で語る地域リーグ
 19日・20日に行われた関西リーグも後期第14節。新型インフルエンザの影響で順延の後期第8節を除いて、Div1、Div2共にそろそろ明暗が分かれてきた様子だ。

 Div1では、4連勝の三洋電機洲本が首位の座をキープし、地域リーグ決勝大会進出の可能性のある2位以内を確定させた。追走する2位・AS.ラランジャ京都はこの三洋電機洲本と優勝を争う形になる。確実に地域決勝進出が許されているのは1位のみ。果たしてどちらがDiv1の覇権を奪うのか非常に注目だ。現状では勝点で2ポイントリードしている三洋電機洲本、最終戦でDiv2降格が決まっているFC京都BAMBが相手だけに有利な状況か。ラランジャは後期負けなしの阪南大クラブが相手。非常に厳しい戦いになりそうだ。

 特筆すべきは、やはりバンディオンセ加古川の大失速だろう。後期11節からまさかの4連敗。順位を4位に落してしまい、早々に地域決勝進出の夢は潰えてしまった。特にこの連敗中は全ての試合で3失点以上を喫しており、これまでと全く違ったチーム状況でシーズンを迎えた厳しさが窺い知れる。神戸時代も含めて関西リーグの王座に4年間君臨し続けた関西の雄は、最終節で今季開幕戦に苦杯を喫したBIWAKO S.C HIRAと対戦。アイン食品と争う3位、4位の争い、少しでも上の順位でフィニッシュしたいところだ。ちなみに王座に君臨していた過去4年間でバンディオンセはわずか3敗しかしていない。56試合でわずか3敗である。これは凄い。

 さて、この3位、4位争いは滋賀勢の残留争いにも大きく影響してきそうだ。苦しい戦いの続く7位・滋賀FCは最終戦でアイン食品と対戦。自力残留の可能性は絶たれたが、勝点1ポイント差でリードするBIWAKO S.C HIRAを結果で何とかかわしたいところ。そのBIWAKO S.C HIRAは開幕戦で勝利したバンディオンセ加古川が相手。彼らも自力残留には勝利が欲しいところだが、試合は滋賀FCの戦いの後という大きなアドバンテージ。プレッシャーは滋賀FCに重くのしかかる。この2試合は共にびわこ大グラウンドで行われるとあって、今季のDiv1最大のハイライトになるかもしれない。

 さて、Div2では奈良クラブが2位以内を確定させ、来季のDiv1昇格を決定させた。しかし、その裏ではルネス学園甲賀が相変わらずの攻撃力で三菱重工神戸に圧勝。勝点差は2ポイント、優勝争いは最終戦にもつれ込んだ。奈良クラブは最終戦でディアブロッサ高田を下せば自力で優勝を決められる。そのルネスを迎え撃つのは3位につけるFC堺。数字上は逆転昇格の可能性を残すFC堺だが、これまで7試合で4得点以上を成し遂げてきたルネスの攻撃力は本当に脅威となる。

 一方で残念なのが、奈良クラブと共に関西リーグに昇格してきたJST。13試合を終えて未だに勝ち星を拾えず、奈良県リーグへの自動降格が決まってしまった。昨季は無敗で県リーグを駆け抜け、その若さが生み出す機動力は最後まで奈良クラブの脅威だったのだが。ともかく、最後に悲願の1勝を果たして欲しいところ。彼らの戦いは確実に奈良県リーグ下の各クラブに“上を目指す”勇気とその道標を示したはず。奈良県の社会人サッカーはまだまだこれからもっと強くなるはずだ。

 ラスト1試合が10月4日と、かなりのインターバルだが、それに左右されることなくそれぞれのフィナーレは熱い試合になりそうだ。