脚
初めてまともにアジア杯のことを書こうと思う。J1の中断期間でJ2を多く観に行く機会を作っていたが、アジア杯は一応全試合チェックしてきた。ガンバという贔屓のクラブのゲームと違って、代表の試合はある程度の冷静さを保って試合を観ることができる。そりゃチームの完成度や連携面などは毎日顔を合わせるクラブチームと違って、熟成まで時間がかかるのは当然だ。ただの「寄せ集め」にすぎないと言ってしまえば言いすぎかもしれないが、今回の日本代表は、やはりW杯を終えて1年でのアジア杯という日程ならではの苦しさが露骨に出たのかもしれない。
周知の通り、日本は3位決定戦で韓国に敗れ、アジア王座どころかベスト3にすら名を連ねることができなかった。PK戦で最後の明暗が出てしまったのは悔しいところだが、3位決定戦においては、PK戦までに試合をきめることができなかった日本の「自爆」と言っても過言ではないだろう。
大会前にオシム監督は走れない選手に対して再三苦言を呈していた。こっちまでかなり不安にさせてくれるネガティブな発言を連発してはメディアを煽ったが、予選リーグでは無敗でそれなりの結果は出すことができた。明らかに格下のアジア諸国には負けることはできないというプレッシャーもあっただろうが、オシム体制になって初めての「結果」を重視される大会でもあり、オシムなりの選手コントロール術だったのだろう。剛と柔を使い分けることで、彼は選手を鼓舞する術を誰よりも知っている。
しかし、そのオシムですらどうにもできなかったのはアジア列強諸国のレベルが日本の想像以上に高かったことである。今回から参加したオーストラリアにはかろうじてPK戦によってW杯のリベンジを果たすことができたが、90分で試合を決めることはできなかった。そして、サウジアラビアは日本を凌ぐ実力を持っていた。スコア的には僅差での敗退であったが、FW陣は全く仕事がさせてもらえなかった。オーストラリア人の主審に文句をつけている場合ではない。90分間で相手より得点を奪うことができなかった事実が全てである。
予選リーグでは圧倒的なボール回しで、いとも簡単にゴール前にはボールを運べた日本であったが、ベトナムの高温多湿のコンディションにその足までもが止まる傾向が試合をこなすごとに顕著になっていく。疲れは溜まり、控えの選手は効果的な仕事ができず、選手を部分的に入れ替えて試合に臨むこともままならなかった。予選はまだそれでも勝ち星を拾えたから良かった。
決勝トーナメント全試合で90分で試合を決定づけられなかったということは実に明確な課題を突き出してくれたと思う。「日本は怖くない、守りに徹すればカウンターでチャンスは見出せる。」サウジアラビアの戦い方が全てを物語った。
現在のメンバーであれば、それなりのサッカーはできる。しかし、高原にフィニッシャーとしての全権を委任しているようでは無理だ。サイドの選手は仕掛けの意識に欠け、中盤はセーフティに必要以上の手数をかけてアタッキングサードまでボールを運ぶ。そこを不用意に捕られれば、中盤の広大なスペースをケアできない。最終ラインには本職でないCBが陣取り、徹底的にそこを狙われては相手に思いのままにカモられる。そんなことの繰り返しである。
問題はそれだけではない。このコンディションも手伝って、加地と駒野の両SBは運動量の維持だけに精一杯で、決定的な仕事ができなかった。スタミナを削る無駄なアップダウンの繰り返しが、終盤に攻撃の停滞を生んだのも事実である。
DF陣は再考の余地が十分にあるだろう。はっきり言って中澤以外誰も仕事を完遂出来た者はいない。総入れ替えもアリだろう。また、FW陣もワンチャンスに固執するだけではなく、自ら貪欲に仕掛けていく選手が必要だ。佐藤寿には再三期待したのだが・・・
とにかく、準備不足どころかチームとしての完成度の低さを露呈した日本代表。まだ試合はW杯まで続く。まだ時間はある。オシム体制になってたかだか1年ではないか。この敗戦をバネにもう一度リセットしてもらいたい。得点を生み出さなければゲームは勝てない。個の力で、またはコンビネーションでどこからでも得点を生み出せるチームの再建を切に願う。
もう川口の目立つ試合は見飽きた。
初めてまともにアジア杯のことを書こうと思う。J1の中断期間でJ2を多く観に行く機会を作っていたが、アジア杯は一応全試合チェックしてきた。ガンバという贔屓のクラブのゲームと違って、代表の試合はある程度の冷静さを保って試合を観ることができる。そりゃチームの完成度や連携面などは毎日顔を合わせるクラブチームと違って、熟成まで時間がかかるのは当然だ。ただの「寄せ集め」にすぎないと言ってしまえば言いすぎかもしれないが、今回の日本代表は、やはりW杯を終えて1年でのアジア杯という日程ならではの苦しさが露骨に出たのかもしれない。
周知の通り、日本は3位決定戦で韓国に敗れ、アジア王座どころかベスト3にすら名を連ねることができなかった。PK戦で最後の明暗が出てしまったのは悔しいところだが、3位決定戦においては、PK戦までに試合をきめることができなかった日本の「自爆」と言っても過言ではないだろう。
大会前にオシム監督は走れない選手に対して再三苦言を呈していた。こっちまでかなり不安にさせてくれるネガティブな発言を連発してはメディアを煽ったが、予選リーグでは無敗でそれなりの結果は出すことができた。明らかに格下のアジア諸国には負けることはできないというプレッシャーもあっただろうが、オシム体制になって初めての「結果」を重視される大会でもあり、オシムなりの選手コントロール術だったのだろう。剛と柔を使い分けることで、彼は選手を鼓舞する術を誰よりも知っている。
しかし、そのオシムですらどうにもできなかったのはアジア列強諸国のレベルが日本の想像以上に高かったことである。今回から参加したオーストラリアにはかろうじてPK戦によってW杯のリベンジを果たすことができたが、90分で試合を決めることはできなかった。そして、サウジアラビアは日本を凌ぐ実力を持っていた。スコア的には僅差での敗退であったが、FW陣は全く仕事がさせてもらえなかった。オーストラリア人の主審に文句をつけている場合ではない。90分間で相手より得点を奪うことができなかった事実が全てである。
予選リーグでは圧倒的なボール回しで、いとも簡単にゴール前にはボールを運べた日本であったが、ベトナムの高温多湿のコンディションにその足までもが止まる傾向が試合をこなすごとに顕著になっていく。疲れは溜まり、控えの選手は効果的な仕事ができず、選手を部分的に入れ替えて試合に臨むこともままならなかった。予選はまだそれでも勝ち星を拾えたから良かった。
決勝トーナメント全試合で90分で試合を決定づけられなかったということは実に明確な課題を突き出してくれたと思う。「日本は怖くない、守りに徹すればカウンターでチャンスは見出せる。」サウジアラビアの戦い方が全てを物語った。
現在のメンバーであれば、それなりのサッカーはできる。しかし、高原にフィニッシャーとしての全権を委任しているようでは無理だ。サイドの選手は仕掛けの意識に欠け、中盤はセーフティに必要以上の手数をかけてアタッキングサードまでボールを運ぶ。そこを不用意に捕られれば、中盤の広大なスペースをケアできない。最終ラインには本職でないCBが陣取り、徹底的にそこを狙われては相手に思いのままにカモられる。そんなことの繰り返しである。
問題はそれだけではない。このコンディションも手伝って、加地と駒野の両SBは運動量の維持だけに精一杯で、決定的な仕事ができなかった。スタミナを削る無駄なアップダウンの繰り返しが、終盤に攻撃の停滞を生んだのも事実である。
DF陣は再考の余地が十分にあるだろう。はっきり言って中澤以外誰も仕事を完遂出来た者はいない。総入れ替えもアリだろう。また、FW陣もワンチャンスに固執するだけではなく、自ら貪欲に仕掛けていく選手が必要だ。佐藤寿には再三期待したのだが・・・
とにかく、準備不足どころかチームとしての完成度の低さを露呈した日本代表。まだ試合はW杯まで続く。まだ時間はある。オシム体制になってたかだか1年ではないか。この敗戦をバネにもう一度リセットしてもらいたい。得点を生み出さなければゲームは勝てない。個の力で、またはコンビネーションでどこからでも得点を生み出せるチームの再建を切に願う。
もう川口の目立つ試合は見飽きた。