脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

ACLアウェイ道中膝栗毛 -山東魯能VSG大阪<2>-

2009年05月08日 | ACLアウェイ道中膝栗毛
 
 驚いたことにスタジアムの1F部分は車のディーラーに。
 広場で展示車を試乗するお客さんもいた。

 
 試合開始3時間前から徐々に出店が増えてくる。

 
 早速味見を。手際よく煎餅(チェンビン)を作ってくれる。
 値段は3元(日本円で約48円)。

 
 “俺のも食ってくれよ”と隣のおっちゃんは油餅(ヨウビン)を。
 どちらもなかなかの美味。

 
 そうこうしている間に山東サポーターが集まり始めた。
 試合前ともあって友好的なムードだが・・・

 
 G大阪の選手バスがスタジアムに到着する。

 
 車内の佐々木。ヤル気に満ちた表情。

 
 バスから降りてくる選手たちを相手サポーターが囲み出す。
 こんな光景はなかなか見られない。
 選手たちは特にトラブルもなくスタジアムの中へ。

 
 日本人の入場が始まる頃には山東サポーターもかなりの数に。

 
 スタジアムは日本の国立競技場によく似た陸上競技場。

 
 韓国人選手通訳の高橋さんが激励に来てくれた。
 かつて横浜FM時代に負けたリベンジをしたいと意気込む。

 
 キックオフ1時間前、選手たちがアップに登場。
 しかし、相手サポーターのブーイングが凄まじい。

 
 目標の1位通過のために播戸もチームを盛り上げたい。

 
 山東サポーターは3つの集団に分かれて応援。
 Jリーグでもよく聞くチャントを唱っていた。

 
 熾烈なアウェイ。山東戦キックオフ!

 
 前半のうちに遠藤が2枚目の警告で退場に。
 見たことのない光景だった。

 
 ここぞとばかりにこちらへ向かって強烈なブーイングを飛ばす観客。

 
 1人少ない状況ながら、レアンドロの8試合連続ゴールで勝利。
 グループリーグ1位通過と山東での日本チーム初勝利をもぎ取った。

 
 試合終了後、大量の公安に守られながら選手のバスと共に退場。
 大きなトラブルもなくスタジアムを後にした。

 サッカーにおける中国の雰囲気を肌で味わったこの2日間。翌日の新聞では1人少ないG大阪を相手に勝てなかった山東の戦いぶりが酷評されていた。もし、山東と再戦することになれば、これ以上の盛り上がりを見せるかもしれない。中国勢の巻き返しが今後どれだけ脅威となるか。このスポーツに対する感情移入の風景に改めて震撼させられた中国アウェイだった。

ACLアウェイ道中膝栗毛 -山東魯能VSG大阪<1>-

2009年05月08日 | ACLアウェイ道中膝栗毛
 天津で一夜を明かし翌日、山東VSG大阪が行われる済南へ列車で向かうことに。

 
 旧租界地の風情を残す天津市内を歩き天津駅へ向かう。

 
 市内を流れる海河に架かる解放橋を渡ると駅はもうすぐ。

 
 各方面へ列車を送る天津駅はかなり大きな建物。

 
 最大の不安要素であった済南までの切符の確保。
 人で溢れる売り場に並び、なんとか確保することができた。

 
 駅の入り口も人、人、人・・・凄い数だ。

 
 待合室で列車のチェックインを待つ人々。ほとんど座れない。

 
 前日の北京南-天津間と同じ和諧号のチケットを取ることができた。
 快適な一等席は133元(日本円で約2,200円程度)。

 
 2時間半で山東省の省都である済南に到着。

 
 街を歩いていると一人のおっちゃんに出くわした。
 距離感が分からないので乗せてもらうことに。

 
 歌を口ずさみながら機嫌良く三輪タクシーを飛ばすおっちゃん。
 悪路をものともせず攻める攻める・・・

 
 とりあえず趵突泉公園を散策。
 茶をたてるのに最適といわれる名水が湧き出す場所だ。

 
 市民の憩いの場となっている趵突泉公園。ほのぼのしている。

 
 ぼちぼちスタジアムに向かおうか・・・
 と思っていると眼前に再び三輪タクシーが。

 
 前回のおっちゃんにも増して裏路地を攻めまくるおっちゃん。
 警察の目を盗み、歩道を使ったUターンもお手のもの。

 
 山東魯能泰山の本拠地、山東省体育中心体育場に到着。
 まだあまり人はいてないようだ。

ACLアウェイ道中膝栗毛 -天津泰達VS川崎-

2009年05月07日 | ACLアウェイ道中膝栗毛
 久々の一人旅inACL中国アウェイ。今回は北京から入り、列車で移動。天津で川崎の試合を観戦。それからG大阪が山東と戦う済南へ向かった。

 
 北京首都空港からタクシーで約50分で北京南駅に到着。

 
 空港と同じく目当ての列車のチェックインゲートで搭乗を待つ。

 
 北京南から天津まではちょうど30分。料金は一等席で69元。

 
 330kmで天津へ向かう新幹線・和諧号。非常に綺麗な車内。
 一等席が69元(日本円で約1,100円程度)なのは値打ちがある。

 
 天津に来ればここはマスト。南市食品街で食べ歩き。

 
 水上交通の要衝である天津の海の幸が多く味わえる。

 
 活気に溢れるこの南市で少し遅い昼食をとることに。

 
 名物・天津包子でお腹を満たす。薄味だが結構イケる。
 ここで日本人のご夫婦と意気投合、共に天津のスタジアムへ向かう。

 
 天津泰達足球場へタクシーを飛ばす。
 予想以上に遠く、おまけにドライバーも場所を知らないという事態。
 一般の通行人に声を掛けながら何とか辿り着く。

 
 川崎も目標はグループリーグ1位通過。
 日本からたくさんのサポーターが集結していた。

 
 サッカー専用の天津泰達足球場。
 非常に綺麗なスタジアムと思いきや・・・
 椅子は黄砂によるホコリだらけ。
 ライターすら厳禁という非常に厳しい持ち物検査も実施された。

 
 試合が始まればアウェイもなんのその。
 川崎サポの熱い応援に感動!

 
 アウェイの川崎、前半に2点を先取される苦しい戦い。

 
 徐々に試合は荒れ模様に。
 結局1-3で敗戦となってしまった・・・

 
 壮絶な天津サポーターのヤジに出るに出られない日本人エリア。
 約30分缶詰状態に。
 公安の指揮によってトラブルもなく外に出られたのは良かった。

 中国ならではの雰囲気を味わった初日。特に大きなトラブルは起こらなかったものの、翌日の山東での試合に少しばかりの不安を抱きながら市内へ戻ることにした。
 <民国98年さん、市内への帰路では大変お世話になりました!>

山東に勝利

2009年05月06日 | ACLアウェイ道中膝栗毛
またまたレアンドロのゴールで勝利のG大阪、グループリーグ1位通過を決定。
山東サポーターの盛り上がりとブーイングは凄かった。
観衆が引くのが早い中国。スタジアムはすぐに空っぽに。
天津以上の公安の厳戒警備に度肝を抜かれる。何のトラブルもなく外に出られた。

山東戦キックオフ1時間前

2009年05月06日 | ACLアウェイ道中膝栗毛
山東魯能体育場は国立に似たスタジアム。
日本からは30人ほど参戦。
ペットボトルを投げつけられたサポーターもおり、昨夜の天津以上に大量の機動隊が物々しい雰囲気を醸し出すなど、公安の厳戒体制が敷かれている。

日本人サポーターは全員固まってスタジアムを後にすることが決定。公安がバスを手配してくれた。

チームは1位でのグループリーグ突破が目標。
通訳の高橋さんが以前横浜FM時代に悔しい思いをしたので、今日は是非勝ちたいとスタンドまで来て話してくれた。

山東戦前夜

2009年05月05日 | ACLアウェイ道中膝栗毛
明日の山東戦の前に天津で天津泰達と川崎の試合を観戦。
1-3で川崎は負けたが、何より試合が荒れすぎて、終わったものの容易に外には出られない状況に。

ピッチには川崎の挨拶時に相手サポーターによって大量のペットボトルが投げ込まれ、日本人エリアが1Fフロアの天津サポーターに包囲されている。
まぁこれだけ警察隊がいれば大丈夫か。
しかし、中国アウェイは殺気に溢れた凄まじい雰囲気だ。
いつスタジアムから出られるのやら。

ACLアウェイ道中膝栗毛 -VSスリウィジャヤinパレンバン<2>-

2009年04月24日 | ACLアウェイ道中膝栗毛
 スタジアムに到着してから、帰路までを写真でプレイバック。

 
 スタジアムに到着した我々を子供たちが取り囲む。
 徐々に彼らの物乞いはエスカレート。
 中にはデジカメを盗まれた人も・・・
 (筆者もアウェイスタンドまで行く最中にチケットを盗まれる。)

 
 こちらが今回のチケット。
 Rp.20,000という価格。日本円で約200円ほど。

 
 アウェイスタンドに辿り着くと金森社長が激励に来てくれる。

 
 4万人収容のシャカ・バリンスタジアム
 2年前に日本代表もアジアカップの3位決定戦をここで戦った。

 
 バックスタンドを望む。徐々に観衆が集まってきた。

 
 現地のスリウィジャヤ人気は凄まじい。
 しかし、子供たちからはその貧富の差が如実に見え隠れしている。

 
 あまりに子供たちからの物乞いが激しいため、軍隊がエリアを仕切る。
 チームが迅速な対応に動いてくれた。

 
 現地時間の19時に試合はキックオフ。
 観衆は約15,000人VS日本人8人という戦い。

 
 湿度は80%を超えていたのではないだろうか。
 厳しい蒸し暑さの中、G大阪はリードを重ねていく。

 
 中には悪意のない優しい少年も一緒に応援してくれた。

 
 チャンスの山を築いたG大阪。
 レアンドロ、佐々木、チョジェジンの得点で3-0と快勝。

 
 統率されるホーム側のスリウィジャヤのサポーター。
 その他にもバック、アウェイ側と3派に分かれる。
 迫力のある応援だった。

 
 アウェイ側の応援妨害に遭いながら、皆で声を振り絞った。

 
 強烈だったのは撤収後の子供たちの執拗な物乞い。
 すぐに囲まれてしまう。
 (せっかく買ったスリウィジャヤのユニフォームを盗られるハメに)

 
 現地ドライバーの迅速な計らいでホテルに戻る。
 ホッと一息。

 
 翌朝、パレンバン空港からジャカルタに戻る便が3時間のディレイ。
 空港で足止めを食らう・・・

 
 空港のインターネットコーナー。
 よく見ると、基盤が剥き出しだ・・・(作動せず)

 
 
 スハルト政権退陣後、民主化に努めているインドネシア。
 しかし、経済面で貧富の格差や失業者問題が深刻になっている。
 今の子供たちが大人になる頃には、どうなっているのだろうか。

 
 エンジントラブルで3時間も待たせてくれたライオンエア。
 機材はMD-90。後部から乗り込む。
 今回の旅で最も不安なポイントだった・・・

 
 上空からパレンバン市内を望む。
 シャカ・バリンスタジアムがよく見えた。

 
 ジャカルタを経由し、バリに戻ってくると、違う世界に見えた。

 個人的には二度目のインドネシア来訪となったが、やはり都市ごとにその風景は違う。特に世界屈指の人口密度から抱える社会問題は深刻で、それがスタジアムの風景にも表象されている印象だった。観光スポットであるバリ島が違う国の様にすら思える。機内で観たアカデミー作品賞受賞作品「スラムドッグ$ミリオネア」(日本ではこれから公開)の風景とパレンバンの出会った風景が脳裏でシンクロした。
 しかし、サッカーの面では、積極的に地元TV局がAFCカップを中継し、スリウィジャヤやメダンなど国内のチームの認知度は高い。G大阪の名前も地元の人たちはよく知っていた。

 とにもかくにも、G大阪はこれでグループリーグ突破が決定。相変わらずACLではアウェイで無類の強さを見せてくれている。

ACLアウェイ道中膝栗毛 -VSスリウィジャヤinパレンバン<1>-

2009年04月23日 | ACLアウェイ道中膝栗毛
 スリウィジャヤ戦、アウェイでの旅の様子を写真でプレイバック。

 
 まず、日本出国の際に手厳しい洗礼。
 積み込み時に紙吹雪がスプリンクラーの誤作動でまさかの水没。
 一気にその数を削がれる・・・

 
 約8時間のフライトの末、最初の宿泊地バリ島へ到着。

 
 1泊朝食付で日本円で約2,000円。クタの中心部で最初の夜を過ごす。

 
 広いホテルの敷地内ではカエルがお出迎え。

 
 早朝にデンパサール空港へ出発。
 今回の旅では国内線を現地で手配することに。

 
 ホテルの前では早朝からゴミの山を支配する老人が作業を・・・

 
 デンパサールからジャカルタを経由してパレンバンへ向かう。
 今回の国内線はライオンエアを利用。
 ガルーダ・インドネシア航空の傘下にある航空会社だ。
 (写真はボーイング737-900ER)

 
 首都のジャカルタに到着。
 空港は国内線のハブ空港として人がごった返す。

 
 ジャカルタではスリウィジャヤVSガンバの認知度は高い。
 乗り継ぎカウンターのスタッフも日本人サポーターの来訪にはしゃぐ。
 インドネシア人、皆が非常に気さくな性格だ。

 
 正式名称はスカルノハッタ国際空港。
 ジャワ王宮の建築様式が採用された雰囲気のある空港だ。

 
 インドネシア国内線の搭乗券。ペラペラの紙切れだ。

 
 インドネシア料理を一通り揃えたレストランで昼食を。

 
 ナシゴレンやミーゴレンなど一通り揃えるとこんな感じ。
 この量で日本円で約1,200円。空港内では物価は安くない。

 
 書店ではサッカー関係の書物は少ない。
 ここでは専ら欧州サッカーが新聞の一面を飾る。

 
 デンパサールからジャカルタまで約50分。
 ジャカルタから約1時間でパレンバンに到着。
 非常に綺麗な建物だった。

 
 空港で手配したホテルを経由し、スタジアムへ向かう。
 東南アジアでは良く見る光景。街の交通はカオスそのもの。

 
 ご覧の通り。バスから人がはみ出ている。
 容赦なく道を横切る人が多いのもご愛嬌。

 
 市内を流れるムシ川に架かるパレンバン橋。
 日本軍制圧時代の名残だ。

 
 かつてのスリウィジャヤ王国として栄えたパレンバン。
 オランダ統治、日本軍制圧を経て現在に至る南スマトラ州の州都。
 人口は約144万人だという。

 
 チームバスが警察の厳重警護を受け横を過ぎ去る。
 すると、テンションの上がったドライバーが道を逆走!
 渋滞を掻き分けていく。

 
 スタジアムが近づくにつれてユニフォーム姿の子供が多く見られる。

 
 渋滞をクリアし、市内から約30分。
 遂にシャカ・バリンスタジアムに到着

 順風満帆といかなかった今回の旅。
 強烈な印象を残してくれたスタジアム編はこの後に続く・・・