J1第19節、神戸と甲府の試合を観戦に久々にホームズスタジアム神戸へ。15位・神戸と16位・甲府の熾烈な順位争いを懸けた戦いは、前半から快調にリードを奪っていった神戸が甲府の反撃を2点に抑えて4-2で勝利。この結果、明日の残り日程を残して暫定ながら神戸は15位から12位まで順位を上げた。甲府は降格圏内の16位のまま浮上できなかった。
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両チームここまで18試合を終えて、順位は前述の通り芳しくない。しかし、今季ここまでリーグ戦は中位から下位にかけて混戦模様。7月27日現在で、10位・大宮から16位・甲府まで勝点差5ポイントの中で7チームがひしめく状況だ。勝てば両者にとって大きく浮上のきっかけとなる試合。前回対戦時(4/23)は、1-1の引き分けに終わっている。ホーム・神戸のサポーターは気合いの入った応援で試合前から盛り上げた。
神戸は、5月28日のアウェイ柏戦から7月13日のアウェイG大阪戦まで9戦未勝利という状況で、前回のホームゲーム・C大阪戦を4-1と勝利して復調の兆しを見せ始めていた。前節のアウェイ横浜FM戦、そして同カードの連戦となった水曜のナビスコ杯横浜FM戦に共に敗れたものの、今節もその2試合と不変のスタメン。特に相馬こそ負傷でベンチ入りはならなかったようだが、ベンチには今季ここまで5得点の大久保を置いており、どのタイミングで彼が起用されるのかも含めて注目だった。
対する甲府は、7月16日のG大阪戦に4-3と勝利して、前節はアウェイ浦和戦にて完封負け(0-2)。水曜にはナビスコ杯でバックアップ組中心で清水と対戦したが0-2で敗戦。しかしながら今季はここまで主砲のハーフナー・マイクが9得点でJ1得点ランキングトップとチームの順位とは裏腹に気を吐いており、この試合では大卒2年目のMF柏が6試合ぶりの先発起用。ベンチには加入したばかりのキム・ジンギュの姿があった。総得点では神戸より多いだけに撃ち合いになれば強さは発揮できるかと思えた。ちなみに甲府はGK萩、DF内山の元神戸組が先発に名を連ねた。
甲府を率いる三浦監督に神戸ゴール裏から辛辣なブーイングが浴びせられて幕を開けたこの試合。立ち上がりから試合のペースを引っ張ったのは神戸だった。9分にはボッティの落としを受けた吉田がエリア手前からミドルシュートを放つ。11分には田中のヒールパスを受けた石櫃がエリア内で滑り込みながらダイレクトシュート。これが決まって神戸が早い時間から先制に成功する。
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神戸は石櫃の豪快なシュートで先制。
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甲府の左サイドバック内山は古巣との対戦となった。
24分には、左サイドからパクのアーリークロスを吉田がエリア内中央でバックヘッド気味に頭で合わせて追加点となるシュートを決めた。これはお見事だった。
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吉田はナビスコ杯横浜FM戦に続き2戦連発。
意外にもこのヘッドがリーグ戦今季初ゴールだったようだ。
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奈良育英高から神戸に加入し12年目。
まさに神戸のバンディエラ・北本は健在。
この後も終始神戸が甲府相手に押し気味で試合を進める。甲府もハーフナーとパウリーニョの強力な2トップにボールを集めたいところだったが、どうもセントラルMFの伊東、石原あたりが精彩を欠いた。阿部が2列目から積極的に裏を狙うものの、神戸の守備陣の前にゴールは遠かった。
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甲府はかつてFC東京や湘南でプレーした阿部が前半から奮闘。
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パウリーニョは個人で打開しようと奮闘するが前半は無得点。
後半、甲府は2枚の選手を入れ替えてくる。前半ピリッとしなかった伊東を下げてキム・ジンギュを投入。また、阿部に代えてダヴィを入れ、パウリーニョを1列下げて臨んだ。しかし、その甲府の思惑と違って神戸の3点目は早かった。パクのパスを受けた田中がシュートを打ち損じると、これを甲府DFダニエルがしっかりクリアできず、走り込んできた吉田がこの日2点目となるシュートを決める。試合は3-0。完全に勝負は決まったかに見えた。
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吉田の2点目で3-0とした神戸。
ホムスタの盛り上がりは頂点に。
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甲府は市川が何度かサイドからチャンスを作る。
しかし、甲府は焦らない。52分に中央でボールを受けたパウリーニョがペナルティアーク付近から左足でシュートを決めて1点を返す。また58分には山本のFKからキムが頭で合わせて2点目を奪った(角度的に最初はゴールラインを割ったのか見えなかったが…)。2枚交代が功を奏したか、押せ押せムードになってくる甲府であった。
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パウリーニョのこのシュートで1点を返す。
キムの追加点もあり、あっという間に1点差へ。
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新加入の甲府DFキム・ジンギュ。
かつて1年間磐田でプレー。最近まで大連実徳にいた。
しかしながら、甲府の押せ押せムードは長くは続かなかった。ここまでの展開で2-2の同点になっていたならまだ展開は分からなかったが、3点のリードを有していた神戸は落ち着いて、甲府の守備の綻びを突いてくる。82分にはボッティが悠々とドリブルで甲府陣内までボールを運ぶと、甲府DFダニエルの甘いアプローチをかわして相手DF2人を十分引きつけてスルーパス。これにエリア内でフリーだった田中がダイレクトでシュートをゴール右隅に決めた。
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このボッティの落ち着いた突破から…
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田中が冷静に流し込んでダメ押しの4点目を神戸がゲット。
1点目のアシストに続き、大活躍の田中。
この後も甲府の反撃をシャットアウトした神戸が4-2で逃げ切った。程良い撃ち合いでなかなかの盛り上がりを見せたが、少し甲府のムラっ気のようなものが気になった試合でもあった。神戸が強いのか、甲府が弱いのかという議論になれば一概に言えない難しい互いの現在位置だが、それでも甲府は守備面で緊張感に欠けており、失点場面でもミスが目立っていた。また、ダヴィが後半開始から投入されたが、やけに苛立ち気味で肝心のパウリーニョの連携も微妙。それでも後半に5分間で2点を奪ったのだからまずまずなのかもしれないが、まだハーフナーの高さとパウリーニョの個人技頼りな面が多く、3点ビハインドをひっくり返せるほど攻撃を持続できない印象だった。それでも前半はセンターバックで、そしてキムが入った後半は1列前でボランチを務めていた山本は中距離のFKも蹴ることができ、実際にチームの2点目をアシストしたことを考えると、器用な選手だなと印象に残った。
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印象に残った甲府の山本。FKも蹴ることができる主将。
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ダヴィはまだウエイトオーバー!?
まだまだ本領発揮はこれからか。
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ダニエルは時折攻め上がりを見せるが、守備面ではミスも。
それ以上に前半から飛ばした神戸がやはりインパクト大。2得点の吉田は昨季の残留を決めた浦和戦の記憶が強すぎるのか、まさか今季初得点だとは思わなかった。77年早生まれ(76年組)のいぶし銀は、小中学校時代は奈良県で過ごしたことも。何よりも彼とパク、そしてやや年は離れるが河本という地元・滝川二高OBがここまで神戸の屋台骨となっていることは何よりも大事だろう。また、田中の存在感も光っており、先制点の石櫃含め、生え抜きや古参の選手たちがしっかり勝利に貢献していた試合だった。点が入れば大爆発、取れなければ無得点沈黙という対照的な試合が見られる神戸。明らかに“旬の選手”という点では甲府に軍配が上がりそうな顔ぶれが揃う試合で、上昇のきっかけを掴む良い試合だったのではないだろうか。
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吉田、パクの滝二コンビの存在は神戸には大きい。
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少しながら、宮本のプレーも久々に見ることができた。
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今季から試合後、勝利を神戸讃歌で分かち合う選手たち。
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両チームここまで18試合を終えて、順位は前述の通り芳しくない。しかし、今季ここまでリーグ戦は中位から下位にかけて混戦模様。7月27日現在で、10位・大宮から16位・甲府まで勝点差5ポイントの中で7チームがひしめく状況だ。勝てば両者にとって大きく浮上のきっかけとなる試合。前回対戦時(4/23)は、1-1の引き分けに終わっている。ホーム・神戸のサポーターは気合いの入った応援で試合前から盛り上げた。
神戸は、5月28日のアウェイ柏戦から7月13日のアウェイG大阪戦まで9戦未勝利という状況で、前回のホームゲーム・C大阪戦を4-1と勝利して復調の兆しを見せ始めていた。前節のアウェイ横浜FM戦、そして同カードの連戦となった水曜のナビスコ杯横浜FM戦に共に敗れたものの、今節もその2試合と不変のスタメン。特に相馬こそ負傷でベンチ入りはならなかったようだが、ベンチには今季ここまで5得点の大久保を置いており、どのタイミングで彼が起用されるのかも含めて注目だった。
対する甲府は、7月16日のG大阪戦に4-3と勝利して、前節はアウェイ浦和戦にて完封負け(0-2)。水曜にはナビスコ杯でバックアップ組中心で清水と対戦したが0-2で敗戦。しかしながら今季はここまで主砲のハーフナー・マイクが9得点でJ1得点ランキングトップとチームの順位とは裏腹に気を吐いており、この試合では大卒2年目のMF柏が6試合ぶりの先発起用。ベンチには加入したばかりのキム・ジンギュの姿があった。総得点では神戸より多いだけに撃ち合いになれば強さは発揮できるかと思えた。ちなみに甲府はGK萩、DF内山の元神戸組が先発に名を連ねた。
甲府を率いる三浦監督に神戸ゴール裏から辛辣なブーイングが浴びせられて幕を開けたこの試合。立ち上がりから試合のペースを引っ張ったのは神戸だった。9分にはボッティの落としを受けた吉田がエリア手前からミドルシュートを放つ。11分には田中のヒールパスを受けた石櫃がエリア内で滑り込みながらダイレクトシュート。これが決まって神戸が早い時間から先制に成功する。
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神戸は石櫃の豪快なシュートで先制。
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甲府の左サイドバック内山は古巣との対戦となった。
24分には、左サイドからパクのアーリークロスを吉田がエリア内中央でバックヘッド気味に頭で合わせて追加点となるシュートを決めた。これはお見事だった。
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吉田はナビスコ杯横浜FM戦に続き2戦連発。
意外にもこのヘッドがリーグ戦今季初ゴールだったようだ。
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奈良育英高から神戸に加入し12年目。
まさに神戸のバンディエラ・北本は健在。
この後も終始神戸が甲府相手に押し気味で試合を進める。甲府もハーフナーとパウリーニョの強力な2トップにボールを集めたいところだったが、どうもセントラルMFの伊東、石原あたりが精彩を欠いた。阿部が2列目から積極的に裏を狙うものの、神戸の守備陣の前にゴールは遠かった。
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甲府はかつてFC東京や湘南でプレーした阿部が前半から奮闘。
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パウリーニョは個人で打開しようと奮闘するが前半は無得点。
後半、甲府は2枚の選手を入れ替えてくる。前半ピリッとしなかった伊東を下げてキム・ジンギュを投入。また、阿部に代えてダヴィを入れ、パウリーニョを1列下げて臨んだ。しかし、その甲府の思惑と違って神戸の3点目は早かった。パクのパスを受けた田中がシュートを打ち損じると、これを甲府DFダニエルがしっかりクリアできず、走り込んできた吉田がこの日2点目となるシュートを決める。試合は3-0。完全に勝負は決まったかに見えた。
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吉田の2点目で3-0とした神戸。
ホムスタの盛り上がりは頂点に。
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甲府は市川が何度かサイドからチャンスを作る。
しかし、甲府は焦らない。52分に中央でボールを受けたパウリーニョがペナルティアーク付近から左足でシュートを決めて1点を返す。また58分には山本のFKからキムが頭で合わせて2点目を奪った(角度的に最初はゴールラインを割ったのか見えなかったが…)。2枚交代が功を奏したか、押せ押せムードになってくる甲府であった。
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パウリーニョのこのシュートで1点を返す。
キムの追加点もあり、あっという間に1点差へ。
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新加入の甲府DFキム・ジンギュ。
かつて1年間磐田でプレー。最近まで大連実徳にいた。
しかしながら、甲府の押せ押せムードは長くは続かなかった。ここまでの展開で2-2の同点になっていたならまだ展開は分からなかったが、3点のリードを有していた神戸は落ち着いて、甲府の守備の綻びを突いてくる。82分にはボッティが悠々とドリブルで甲府陣内までボールを運ぶと、甲府DFダニエルの甘いアプローチをかわして相手DF2人を十分引きつけてスルーパス。これにエリア内でフリーだった田中がダイレクトでシュートをゴール右隅に決めた。
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このボッティの落ち着いた突破から…
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田中が冷静に流し込んでダメ押しの4点目を神戸がゲット。
1点目のアシストに続き、大活躍の田中。
この後も甲府の反撃をシャットアウトした神戸が4-2で逃げ切った。程良い撃ち合いでなかなかの盛り上がりを見せたが、少し甲府のムラっ気のようなものが気になった試合でもあった。神戸が強いのか、甲府が弱いのかという議論になれば一概に言えない難しい互いの現在位置だが、それでも甲府は守備面で緊張感に欠けており、失点場面でもミスが目立っていた。また、ダヴィが後半開始から投入されたが、やけに苛立ち気味で肝心のパウリーニョの連携も微妙。それでも後半に5分間で2点を奪ったのだからまずまずなのかもしれないが、まだハーフナーの高さとパウリーニョの個人技頼りな面が多く、3点ビハインドをひっくり返せるほど攻撃を持続できない印象だった。それでも前半はセンターバックで、そしてキムが入った後半は1列前でボランチを務めていた山本は中距離のFKも蹴ることができ、実際にチームの2点目をアシストしたことを考えると、器用な選手だなと印象に残った。
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印象に残った甲府の山本。FKも蹴ることができる主将。
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ダヴィはまだウエイトオーバー!?
まだまだ本領発揮はこれからか。
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ダニエルは時折攻め上がりを見せるが、守備面ではミスも。
それ以上に前半から飛ばした神戸がやはりインパクト大。2得点の吉田は昨季の残留を決めた浦和戦の記憶が強すぎるのか、まさか今季初得点だとは思わなかった。77年早生まれ(76年組)のいぶし銀は、小中学校時代は奈良県で過ごしたことも。何よりも彼とパク、そしてやや年は離れるが河本という地元・滝川二高OBがここまで神戸の屋台骨となっていることは何よりも大事だろう。また、田中の存在感も光っており、先制点の石櫃含め、生え抜きや古参の選手たちがしっかり勝利に貢献していた試合だった。点が入れば大爆発、取れなければ無得点沈黙という対照的な試合が見られる神戸。明らかに“旬の選手”という点では甲府に軍配が上がりそうな顔ぶれが揃う試合で、上昇のきっかけを掴む良い試合だったのではないだろうか。
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吉田、パクの滝二コンビの存在は神戸には大きい。
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少しながら、宮本のプレーも久々に見ることができた。
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今季から試合後、勝利を神戸讃歌で分かち合う選手たち。