脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

サッカー専門誌も時を刻む

2008年02月28日 | 脚で語るサッカーギア


 いやはや、まさかワールドサッカーマガジンが休刊になるとは。現在発売中の3/6号にて「完全保存版 ワールドサッカークロニクル」なる大々的な特集を組んでいるので、何を今さらなんて思い買って開いてみると休刊宣言が書かれていた。2008EUROを迎える今年の春からは新たな形で情報発信していくとのことだが、一体どうなるのか。ここ最近では、「ワールドサッカーキング」なる同じ類の新雑誌も登場していることもあって、やはり売上の伸び悩みが大きな要因なのかもしれない。

 幼少の頃から、専門誌は常に部屋に溢れていた。小学生の頃に夢中だったのは「Jサッカーグランプリ」。覚えてらっしゃる方もいるだろう。当時開幕したばかりのJリーグをメインに写真中心の構成で、おまけに子供心をくすぐるポスター2枚付きという魅力の専門誌であった。筆者は読者コーナーによく投稿していたものである。かつてG大阪でプレーした久高友雄(故人)を追いかけ、まだJFLを戦うC大阪時代の久高氏と撮った写真が投稿コーナーに載ったのが良い思い出である。
 さすがに知識と教養が付き始めた中学生時代は、学研の「ストライカー」、BBM社の「サッカーマガジン」、日本スポーツ企画出版社の「サッカーダイジェスト」へと傾倒していく。サッカー好きなら当然のプロセスながらも、最初はまんべんなく気に入ったものを買って、あとはひたすら立ち読みというスタンスだった。

 やはり、サッカーダイジェストと比べると写真の比率が多かったサッカーマガジンが中学時代の愛読書に落ち着いたのは無理もない。とにかくJリーグの比率を重視していた。まだ欧州サッカーに関してはお世辞にも「ファン」とも言い難かった。かつては現在と違って、1枚の写真がそのまま表紙になることが大半で、今でも印象に残っている表紙は数知れない。
 そう考えると、昔持っていたサッカー誌を全て今でもそのまま残していれば「お荷物」にはなるが、最高の情報ソースとしても大いに役立ったであろう。大半が廃品回収の餌食になってしまい、わずかながら手元に残っている昔のものを読み出したら止まらなくなる。たまにブックオフなどで昔懐かしい表紙に出会えば、感嘆の思いと共に即買いの対象として手が出てしまうものだ。

 現在、完全に購買対象になっているのはサッカーダイジェストとワールドサッカーダイジェスト、及びサッカー批評やJ'sサッカーあたりである。個性的な有識者を揃え、読み応えのある記事で誌面を展開する日本スポーツ企画出版社の専門誌に比べ、近年のBBM社の専門誌は、冒頭に書いた「サッカークロニクル」のような懐古的特集ばかりで誌面における企画内容の頭打ちさを感じさせていた。そんなことを思いながらも興味本位で、そして情報ソースとして持っておきたいと思わせる企画もあり、中にはくだらないながらも最近はBBM社の両誌にも手を出す機会が多かっただけに今回のワールドサッカーマガジンの休刊宣言は非常に残念である。

 筆者も定期購読しているが、サッカー専門新聞「エルゴラッソ」の登場は確実に国内のサッカー専門誌のスタンスに少なからず影響を及ぼしたのは確か。新聞ならではの即効性のあるレビューでシーズン中は「エルゴラッソ」のストロングポイントをつくづく感じさせるし、それ以外でどれだけ読者を引きつける特集を組めるかという企画力が現在の週刊専門誌には求められているところだ。また、そうなってくると、サッカーマガジンとサッカーダイジェストの競合は一段とヒートアップしてくる。ニューズ出版のJ'sサッカーのようにこれまで無かったサポーターをメインに取り上げる新たな視点を持った専門誌すら台頭してくる時代となった。

 そして、国内はさておき、欧州をはじめとする海外サッカーに関しては、日本人における“質の高い”有識者の絶対数が少ないことは今回の原因であることは否めないだろう。“ワールド系”は大抵、現地人記者が寄稿したものを編集している内容が多い。木村浩嗣編集長が手掛ける「フットボリスタ」のような日本人主導による一味違う海外専門誌が本来増えるべきではあるのだが。
 スカパー!の普及で、誰もが容易にプレミアシップやセリエAなど海外サッカーをライブで観られる御時世となった。それだけでなくインターネットからも日夜溢れ出す多くの情報を取捨択一して、自身の持論を掲げることほど難しいものはない。日本人が海外サッカーについて書けないのは、完全にその多くの情報に対して「受動化」著しいからかもしれない。欧州や南米などはなかなか現地観戦が容易ではない。しかし、自ら出向いてその雰囲気や文化性を体に染み込ませなければ、本当の海外記事は書けないだろう。自ら掘り探っていく熱意と努力が求められるのである。

 これから、従来のものとは一線を画した、さらに面白い着眼点で誌面を展開する書籍メディアが出て来てほしいものだ。サッカーの歴史と文化の発展、日々時を刻んで進化を遂げる鼓動がサッカー誌からも伝わってくるようになった。ワールドサッカーマガジンの休刊はネガティブなことではない。新たなステージで我々を楽しませ、考えさせてくれる新たな媒体を必ず提供してくれる試金石だと個人的には感じている。

宿敵越えをすべき今季

2008年02月27日 | 脚で語るJリーグ


 G大阪がパンパシフィック選手権にて優勝したことについては触れておかねばならない。決勝戦のヒューストン・ダイナモ戦は、実に爽快な圧勝劇で、一体どこと試合をしているのか分からない有様だった。少し相手との実力差は差し引いて考えるべきだが、代表組を7人も取られた中でのこのタイトル奪取は大きいと考えるべきだろう。

 ここで問題となってくるのは、これから合流し、今季のリーグ開幕までにコンビネーションを組み立てるべき代表組との邂逅。今季はグアム、ハワイとキャンプには代表組が全く参加できなかった。これに関しては、新入団選手も多くいる中で少なからずも連携面でハンディキャップを背負っているというべきか。どちらにしろ今季序盤戦はグアム、ハワイキャンプで臨んだ布陣がベースになるだろう。

 今季最も結果を出さなければいけないのは播戸竜二になるだろう。ルーカス、山崎の加入でさらにFW陣の層は厚くなった。バレーもいるため、今季もFWのファーストチョイスに名前は挙がっていない。代表定着を狙いたいものの、東アジア選手権でも決定的な仕事ができず、アジア予選を今後戦うメンバー入りにも黄信号が灯っている。リーグ戦で下馬評を覆す活躍をしなければ、代表でも、また来季G大阪でも戦う播戸竜二は見られない可能性もある。結果はゴール。とにかく泥臭くそれを今季は与えられたチャンスの中で求めていくべきだ。

 G大阪を擁護するわけではないが、正直なところ6人もG大阪の選手たちが代表に選ばれて然りとも思えない。MF遠藤はオシム時代から不動のキーマンとなっているが、現在の岡田体制ではこれまで不動の右SBだった加地ですらレギュラーを奪われた。安田理は新戦力としてのバリューを存分に鹿島の内田と共に見せつけた印象だが、橋本、播戸、水本あたりに関しては出直し、つまり当落線上ギリギリのポジションだと言える。招集された割には代表チームにおいてのプライオリティは今ひとつ、プレー時間が満足に与えられていない。
 しかしながら、今後もこのペースで代表組が招集されるならば、今回のパンパシフィック選手権の経験を生かし、本当のターンオーバー制を敷かねば今季のハードスケジュールはきつい。シーズン中には怪我も付き物。平坦な道のりではないはずだ。

 かつては磐田や鹿島がそんなチームであって、G大阪からすれば完全に他人事だったようなことが現実に起きている今季、これはまさに乗り越えなければならぬ壁だ。西野監督の采配と戦いぶりに要注目である。
 しかし、本当に必要なのは選手たちのタイトルに対する気迫とサポーターの勝たせようとする力だ。先を一歩も二歩も行く宿敵を意識しているのは今季のイヤーブックでも各々から窺える。真の“浦和越え”ができるかどうか、それが大いに問われる2008年になりそうだ。

消えることのない加害者と被害者の構図

2008年02月25日 | 脚で語る欧州・海外


 フットボールは時としてその危険との表裏一体性を垣間見せることがある。試合中に選手が倒れ、そのまま帰らぬ人となることさえある。目の前の選手と真剣勝負を繰り広げるこのスポーツにおいて、プレーの交錯時のケガは付きものだ。しかし、そこに悪意や故意によるものがあってはならない。それはフットボールの格式を遙かに下げてしまう他ならないのだから。

 先日23日に行われたイングランド・プレミアシップの27節、バーミンガム対アーセナル戦で、前半わずか3分にアーセナルのFWエドゥアルド・ダ・シルバがバーミンガムDFのマーティン・テイラーのタックルを足元に受け、大きなケガを負ってしまった。テイラーは即刻退場の判定、うずくまったまま動けないエドゥアルドは足首を開放骨折し、約7分間も動けずに激痛に失神したことで酸素マスクを付けて担架で運ばれるという事態になった。茫然とする両チームの選手たちの表情が印象的であったが、この影響が試合にも及び、一人足りないバーミンガムに対してアーセナルは2-2のドローに終始し、試合をモノにすることができなくなってしまった。

 このテイラーの悪質なファウルに、試合後のベンゲル監督やクロアチアサッカー関係者は次々とその憤りのコメントを発表したが、確かにこれからユーロも本選を迎える今年、エースのエドゥアルドの離脱はアーセナルにとってもクロアチアサッカー界においても大打撃である。そして、被害者と加害者の構図はまれに見るエドゥアルドの重傷からテイラー批判へとその熱を帯びていくのであった。

 ウェブ上ではファウルを犯した直後に不敵な笑みを浮かべるテイラーの写真がクローズアップされているウェブサイトもある。一瞬の出来事だったが、写真で見るとあまりの凄惨さが伝わり、放送でもリプレイが流されなかったのが頷ける。このテイラーには3試合の出場停止が言い渡されるようだが、それにしても巷では永久追放すら望む声が多い。
 この事故にも近い出来事が偶然であることを願うばかりだが、もし、このファウルに個人的な恨みや、つまり悪意があったものであればそれは許されるものではないだろう。それこそ選手としての資格は剥奪して然るべきだ。もちろん、後になってそういった関連性が判明すれば刑事事件にもなりかねない。警鐘を鳴らすとすれば、こういった悪意に満ちた故意的なファウルが我々の知らないところで徐々に現われているのではないだろうかということ。それを考えるとゾッとするものだ。
 逆に全くの悪意がないアクシデントであったならば、テイラー自身の心のケアもこれから問題となってくる。おそらく彼はこれからロンドンの至るピッチに立つことも許されないほどのバッシングを受けることは目に見えている。その本心が語られても熱狂的なカナーズファンたちはすんなり許すこともないだろう。テイラー自身の選手生命も非常に危機に陥ることも考えられるわけだ。

 3年前に日本国内でも、当時柏に在籍した土屋征夫(現東京V)が浦和の田中達也に非常に危険なスライディングをしてしまい、田中が重傷を負うというアクシデントがあった。田中の足首はあり得ない角度で折れ曲がり、選手生命の危機とさえ言われた。しかし、その後日常的にプレーの場を奪われたのはその田中だけではなかった。
 連日の浦和ファンのバッシングが土屋を襲う。当の本人も悪意は無かった不意の出来事だっただけに、その後は心身共に憔悴し、復帰まで時間がかかった。復帰後も彼を取り巻く環境はその呪縛に包まれることとなった。翌年、柏から大宮に移籍するものの、主力として活躍する土屋は同じ埼玉県内の浦和ファンに未だ投げかけられるバッシングにわずか1年で埼玉を去ることとなるのである。彼が心に負った傷は、田中のように時間が経っても癒えることが無いのかもしれない。
 そう考えると、今回のテイラーも同じ道を歩むだろう。この一件の呪縛はしばらく彼からまともなサッカー選手としての生命を奪いかねない。不意のスライディングが招いた事故だとしても、それに耳を貸さない周囲の圧力が彼に迫ってくるだろう。悪意があれ、不意であったとしても加害者と被害者の構図はその一時のものではない。犯罪を犯したような後味の悪さがそこに残るだけである。

 本当にフットボールは時に無情だ。そして自他関わらず、限りなく人間を追い詰める。選手同士が和解できたとしてもそのわだかまりは早々消えるものではない。欧州は選手もファンもクラブもメディアも命懸けでフットボールを追いかけている。フェアプレー精神を問う真の必要性はこういった本場の欧州から問われて当然なのである。

Eu torco por 都南クラブ! ③ ~決勝進出!~

2008年02月24日 | 脚で語る奈良クラブ


 ○都南クラブ1-1(PK4-2)ポルベニルカシハラ●
得点:松野正義
@葛城市新町球技場 12:00キックオフ

 強風のせいで先週を遙かに凌ぐ極寒の体感温度の中で迎えたポルベニルカシハラ戦。奈良県社会人選手権もこの日勝てば決勝戦へ。全社関西大会への切符はあと2試合で掴める。ここで対峙するのは昨年の県リーグチャンピオン、一筋縄では勝てない相手だ。今日も集まってくれたサポーター仲間と声を出し選手たちを鼓舞する。相手に不足なし。選手たちも気合いのこもったパフォーマンスを見せてくれた。

<都南クラブメンバー>
GK17津山耕介
DF8吉岡裕樹、20橋垣戸光一、11松野智史
MF21西村真吾、23矢部次郎、3上西康聖、5染井武史(13樋口秀人)、9中川聡史
FW10松野正義(7澤田和幸)、15澤畑剛

SUB22森田浩平、4山瀬好春、19藤本恵一郎

 先週と違い、さすがに相手のプレスと技術は相当なもの。強風の影響もあって、なかなかロングボールが繋がらず、足元へ足元へというプレーになりながらもそこを相手に狙われる。しかし、橋垣戸と主将の吉岡を中心とした守備陣は非常に落ち着いており相手に決定機を与えない。サイドの上西を中心に矢部が起点となって攻撃を作る。前半は0-0で持ち込めればと思っていたが、幸先よくエース松野正が先制点を叩き込む。その後も相手の厳しいチェックに合うが1-0とリードして折り返す。

 後半は強風の煽りを狙って果敢にシュートを打って出る都南。しかし、ゴールは遠く、徐々にポルベニルの連携にゴール前まで攻め込まれることもしばしば。ボディコンタクトの応酬が続き、気温とは打って変わって、この試合の熱さを非常に感じさせた。後半も終了間近、ロスタイムは4分。このまま試合終了のホイッスルかと思ったラストワンプレーで上西が痛恨のファウル。なんとPKを与えてしまう。これをポルベニルに決められ、土壇場で同点となるゴールを許してしまった。

 そして迎えたPK戦。スタンドからも祈りを込めた選手コールを送る。ここで神が舞い降りたのは守護神津山。相手のPKを読み勝ちで2本立て続けにセーブ。対する都南は全員が難なく決め、遂に決勝進出を果たした。

 この試合、何を隠そう攻撃面よりその熱い守備面での奮闘が目立った。ほぼポルベニルにノーチャンスに抑えて戦ったこの80分は、今季のリーグを迎える上でも収獲となるはずだ。相手も積極的に選手補強をしていたようで、昨年は見ることのなかった選手も見受けられた。相変わらずテクニックのある選手が多いだけにリーグ戦では最大のライバルとなるだろう。
 また、劇的な勝利だけに選手と我々の一体感も増したと言える。選手もサポーターもまだ試運転期間かもしれない。これから更に一体となって上を目指していかなければならない。そんな意味では大きな価値ある一勝であった。

 また、リーグに向けてディアブロッサ高田FCより島選手が新加入することとなった。鹿屋体育大出身で昨年の奈良県国体選抜メンバー。3月のトレーニングマッチからチームに合流する。試合後はサポーターと矢部選手、島選手も交えて食事に。これからの活動や選手コール、横断幕の話題など結果に繋げるべくここでも熱い話を交わす。とにかくまずは、選手もサポーターも一緒になって結果を出していくしかないのだ。

 決勝は3/2(日)の10:00より橿原運動公園多目的グラウンドにて。相手はJST。順当に昨年ポルベニルと共に府県リーグ決勝大会まで進んだ強豪が相手となった。全社へ進むためにも、来週も皆さんの声援お待ちしております!

最強アマチュアリーグの日程決定

2008年02月22日 | 脚で語るJFL


 JFLの今季日程が発表された。日本最強のアマチュアリーグは新たに3チームを加え、昨年から承認されている岡山、新たに北九州、富山が承認されたことにより、既存の鳥取、栃木と共に計5チームのJリーグ準加盟チームがひしめき合う群雄割拠の今季となった。

 ホーム&アウェイの前後期2回戦総当たりで行われるJFLは、3月16日に開幕。いきなり昨季優勝のSAGAWA SHIGA FCと今季JFL昇格を果たしたMIOびわこ草津が滋賀ダービーにて対峙することとなった。そして驚いたのは、横河武蔵野FCとアルテ高崎のゲームが国立で行われる。JFLでは初の試みであり、いかにJFLへの注目度が高まっているかを実感するトピックスである。個人的に注目カードはカターレ富山とニューウェーブ北九州のマッチアップ。今季よりアローズ北陸とYKK APが合併した新興クラブは早速のJ準加盟を果たし、今季への意気込みは強い。かつてJで輝きを放った実力ある選手を何人も抱える北九州がどう迎えるか。面白い戦いになりそうだ。特に昨年、熊谷で感動をもらった北九州には今季のJFLで旋風を巻き起こしてもらいたいところである。

 現時点でスケジュールを調整していると、どうやら3月23日のMIOびわこ草津VS北九州(湖南)のゲームが今季最初の観戦となりそう。熊谷の再現だけに今から待ち遠しい。準加盟を目指す多くのクラブが出てきたことで確実に年々JFLのレベルと注目度は上がっていると感じる。テレビで映らない最強アマチュアリーグを皆さんも是非可能な限り観戦してもらいたい。

 優勝候補はやはり昨季優勝チームのSAGAWA SHIGA FCと言いたいところだが、今季は柱谷体制2年目を迎える栃木SCと準加盟を果たしていながら、昨季は残念な結果に終わったガイナーレ鳥取が上位を狙えるはず。どちらもJリーグから選手を多く補強し、その本気度を窺わせる。前述のカターレ富山やニューウェーブ北九州も充分対抗馬となり得るだろう。トルシエ総監督の招聘で話題を呼んだFC琉球もJヴィレッジ合宿を経て、選手の意識は上がっている。順位は上がってきそうだ。それ以外にも昨季の天皇杯で台風の目となったHonda FCやジェフェルソンという大砲が退団したことが懸念されるファジアーノ岡山など侮れないチームはごった返している。

 JFLの面白みは、極めてプロリーグに近いレベルでさらに多彩な全国の各クラブの特色を見ることができること、そして、かつてJリーグで活躍した多くの選手がもう一度チームや自分をかつての輝きへ導こうと奮闘するその熱い光景だ。Jリーグとは一味違う多くの感動と刺激に溢れている。企業クラブやプロクラブ、流経大のような学生サッカー部と多種多様なスタンスで各クラブが挑む長丁場の戦い。個人的には昨年と同じく、Jリーグ参入には4位以内という甘いレギュレーションがまとわり付くが、今季はぶっちぎりでその強さを顕示したクラブがJリーグへの切符を掴んで欲しい。そういう意味では日本サッカーにおいてJFLは重要な位置づけと言っても過言ではない。

 スカパー!やテレビでも映らないその熱い戦いを、サッカーが好きな人皆に是非一度足を運んでもらいたいものだ。

2008バージョンG大阪封切り

2008年02月21日 | 脚で語るJリーグ


 ハワイのオアフ島で行われているパンパシフィック選手権初戦、LAギャラクシーと対戦したG大阪は1-0で勝利し、このタイトルに王手をかけた。2008年シーズン最初の公式戦となったこの大会には、確固たる自信と連携面での好感触が窺える新バージョンのG大阪がそこにはあった。

 LAギャラクシーの注目選手として、ベッカムがいたことはほとんど話題に上らない。強いて言えば、そのワールドクラスの右足は健在ということか。きっちり合せてくるロングフィードとその精密なクロス以外にLAギャラクシーというチームはほとんど持ち味を出せず、往年の名選手であるルート・フリット監督の目指すサッカー像はほとんど見えなかった。
 
 そんな中、代表組を片っ端から招集され、グアムキャンプから連携を図ってきた今大会遠征メンバーは躍動していた。新加入のミネイロ、山崎、ルーカス、佐々木と続々とスタメンに名を連ねる選手たちに加え、武井、福元といったメンバーも交代出場でそのコンディションの良さをアピールした。既に長い期間キャンプを行っていることで、運動量は90分通してLAを凌駕していた。その中でも最も好感触を得たのはこの日左SBに入ったミネイロの好パフォーマンスだったろう。かなり攻撃にウエイトを置いたポジショニングで左サイドを駆け回った。その積極的な攻撃参加が時にLAのカウンターに対応しきれていない部分もあったが、ボディコンタクトにも優れ、足下のボールの処理も非常に非凡な能力を持っている。枠こそは捕えられなかったが、来日前から定評のあった強烈なFKも披露してくれた。何よりもバレーの先制点は彼の攻撃参加から生まれたものであり、充分及第点の出来と言えるだろう。
 そして、ルーカスと山崎はかなりバレーを生かせる。それを証明するように先制点も含めてこの日のバレーはシュートを再三放つチャンスに恵まれたが、衛星的に彼の周辺を動き回る山崎のフリーランニングとルーカスにボールが収まることからのチャンスは多かった。バレーが最も得意なシュートレンジであるDFラインの裏スペースを効果的に作り出せていただろう。

 DF陣も久々に90分のフル出場を遂げた中澤が気を吐いた。長身選手を揃えるLAの前線を封じ、チームにリズムも与えていた。そして右SBでプレーした佐々木も再三そのサイドを狙われたが、運動量で格の違いを見せつけたといった感じだ。後半その彼に代わり出場機会を得た福元も慣れないポジションながら無難にこなした。ともかくここに加地、水本と安田理が帰還するのだから、本当に開幕戦のメンバーは予想しがたい。コンビネーション不足を考慮して、このままのメンバーでいってもおかしくないぐらいだ。

 より一層のキーマンぶりを見せつけたのは明神と山口。この日は1ボランチということもあってボールが集まり、「捌き役」となる場面も多かったが、危険地帯に必ず顔を出すその察知能力は“流石”の一言。もはや遠藤不在時には彼なしでG大阪は回らないと言っても過言ではない。ミネイロの顕著な攻撃参加スタイルのために左サイドのカバーリングに奔走したゲームキャプテン山口も相変わらずの安定感と昨季以上の風格を見せつけた。

 代表組不在の苦しい状況下で迎えた公式戦初戦。しかしながら、毎年チームとしてのリノベーションを見せるG大阪は最高の楽しみを今季は与えてくれそうだ。LAギャラクシーの期待外れの低調ぶりを差し引いたとしても、これはますます代表組との融合、そしてシーズン開幕が楽しみになってきた。
 ACLも戦う今季は、フルスロットルで駆け抜けなければならない。しかし、今季のG大阪の選手層の厚さとその質ならば、それも決して不可能ではないはずだ。

 一方で、スタンドはガラガラ。ケガと隣り合わせとも言える質の悪い人工芝ピッチはボールのバウンドもかなり変化を与え、おまけに中継を見ていても、国際規格のピッチサイズとは明らかに縦横の長さが足りていないその様子は、良質な選手を台無しにしてしまうほどの劣悪ぶりで、LAの28番フランクリン選手などはターフ用のトレーニングシューズでプレーする始末。適当なレギュレーションとその環境の悪さに、改めてこの大会の価値には首を傾けざるのを得なかったのもまた事実であった。

 決勝の相手はヒューストン・ダイナモ。幸先よく目の前のタイトルを獲りに行こうではないか。

メディアが担うこれからのサッカー文化

2008年02月20日 | 脚で語る奈良のサッカー


 Jリーグが掲げる百年構想において、各種マスメディアとの共存はサッカーがその地その地で文化として根付くためには不可欠である。全国紙やスポーツ紙を始めとする新聞媒体、テレビという媒体、そして各種専門誌という書物の媒体、現在では欠かせない情報源となっているインターネットという媒体。これら各種媒体がサッカーというスポーツを文化として日本人の心に浸透させていくのは間違いない。

 Jリーグが開幕して15年の月日が経ち、現在ではJ1、J2併せて33クラブがひしめき合う。しかし、その中でレベルの差は如実に現われているのが実情であり、人気と実力を兼ね備える浦和レッズのようなビッグクラブと、経営面で大きな課題を例年の如く抱える地方クラブとの格差は広がるばかりだ。そしてJ2におけるクラブ数を一途して増やしていく方針にあるJリーグは今後もこの課題と戦っていくことになる。
 Jはまだしも、Jリーグの下位に位置するJFLと、その下のカテゴリーである各地域リーグ間においても各クラブの環境や実力、運営面に大きな格差が生まれているのは否めない。自治体とスポンサーの大きな援助を享受できているクラブは良いが、それもままならないギリギリの局面でクラブを運営しているところは多い。そんな地方クラブにとっては、SAGAWA SHIGAやHonda FCなど企業のサッカー部という位置付けで、Jを目指さず、自分たちのペースと安定した予算を組めるチームがJFLの強豪として在籍しているのも、足かせとなっているとも言えるのではなかろうか。

 Jリーグが将来的に3部制を導入するのであれば、そういった地方クラブにも光明は差すかもしれない。しかし、現状そうでないのであれば、地方クラブにとっては、自らの広報活動と地方紙や地方局などの地元マスメディアの取り組みが生命線となってくる。となると、現在のJリーグ報道においても一部の人気クラブばかりがその紙面や番組内の特集を飾る“偏向報道”が見られるのではないだろうか。これは百年構想を掲げるJリーグの理念と営利を追求するマスメディアとの半永久的なジレンマなのかもしれない。

 例えば、奈良などは典型的である。大阪と京都に隣接し、県内における就職率は一向に伸び悩んでいるように、その県民の大半が外の府県における文化に見事に染まっている。県外で就学し、県外で就職し、県内で寝食はする。隣接する前述の2府にJクラブが3クラブも存在するのはサッカーの発展だけに言えば“弊害”とも言えるだろう。その関西においても、3クラブが共に阪神タイガースに人気で勝っているかと言えばそうでもない。サッカー専門新聞である「エルゴラッソ」は関西版が発行されているが、G大阪や神戸が飾る表紙をめくればシーズン中は決まって浦和の動向や戦況が筆頭記事だ。強さを伴っているG大阪の記事が見開きで中盤に掲載されていたとしても、それは関東版とほぼ変わらないと言っても良い。そりゃ強いチームのことを書けば売れるのだ。そういう意味では浦和ほどの“鉄板ネタ”もない。要するに関西でも現状はほぼ、その他の地域で上を目指す動きなど“知る人ぞ知る”情報なのである。肝心な「関西版」と名乗る専門紙に関西の情報開示が少なすぎる。

 つまり、何が言いたいかというと、関西をキーに、もしくは広義的に言えば、西日本をメインに情報を発信する機会と媒体を新たに作らなければならない。それは専門雑誌であろうと、専門新聞であろうと構わない。要は「エルゴラッソ」にしても真の関西版を作るべきだ。または、Jに関係なく関西のサッカー情報を網羅する新聞や専門誌の登場である。情報の発信地である東京から各種媒体が発行され、構成され、発信される。在阪のテレビ局も昼間の情報番組などを除けば完全に関東にウエイトを置いた構成になっている。しかし、営利目的で動く限り、そこには予算的な面や全国各地を網羅する人材面など限界があるのものだ。
 もっとローカルに地域的なマスメディアの取り組みが促進されなければ、日本のサッカーはますます上と下のカテゴリーで実力差の乖離が進みかねない。そうなれば、Jリーグの百年構想も極めて薄っぺらい理想になってしまう。これからJリーグを目指す、目指さないにしろ、サッカーがその地の文化として根付くためには、その地域での特化した取り組みが必要ではないかと思うのだ。

やってきました眠れない日々

2008年02月19日 | 脚で語る欧州・海外


 さて、この時期に日本と欧州の時差に恨めしさを感じる人ほどサッカーバカだと言える。誰が朝の5時前からテレビに釘付けにならんといかんのだ。いや、なってしまうんだ。ならんといかん。そう、いよいよチャンピオンズリーグの決勝トーナメントが幕を開ける。

 実は来年こそはスカパー!でうじきつよしが司会をしている「カルチョQ」に本気で出場しようとしている筆者は、現在、真のCLマニアになろうと必死だ。それもそのはず、1月に第2回を迎えた「カルチョQ」の放送を見ながら100点以上のスコアが叩き出せた。しかし、優勝者は400点近くを独走して叩き出したバケモノである。それからというもの部屋には過去のCLの歴史を紐解く書籍で溢れかえっている。必ず関西から初の優勝者になるべく、日々頭の中をそこらの辞書より分厚くしてやろうと躍起になっているのだ。実況イントロなるクセ者の問題も出題される「カルチョQ」において決勝トーナメント以降は映像と実況を頭にこびり付かせなければならない。おまけに今年オリンピアコスが出題されたように、チームロゴマークまで書かせやがる。挙句の果てにロナウジーニョを書けなんて問題も。まいったことに純粋なサッカーの面白さ+こんな野望がチャンピオンズリーグをさらに面白くさせるのだ。

 ノックアウトラウンド全ての試合を観るには19日、20日(現地時間)の両日だけで8試合にものぼる試合数を再放送などを使いながら録画しなければならない。個人的には19日に筆者の思いを寄せるインテルとチェルシーの試合が同時刻に行われるため、20日の試合はそれこそ目玉をひんむいて熱くなる試合が少ないのだが、世間一般的にはアーセナルVSミラン、セルティックVSバルセロナになるんじゃないだろうか。しかし日本時間で午前4時45分から試合が始まるなんて、サッカーバーは商売あがったり、日本人がわめきながらこのCLに熱狂できる時間は少ない。

 HDDの空きは確保した。録画メディアも買い揃えた。準備万端、いつでも始まるがいい。個人的にはミランが勝ち上がるのはもうウンザリだ。

 優勝候補?

 そりゃもちろん、今季はインテルがビッグイヤーとらなヤバいでしょう。

日本代表の弱体化する精神力

2008年02月18日 | 脚で語る日本代表


 なんて決定力に乏しいチームなんだと日本各地で怒りの声が噴出していそうな結果となった東アジア選手権の北朝鮮戦。1-1のドローで終わったことよりも内容を紐解けば、負けてもおかしくなかったという戦いぶりとなってしまった。

 かつての代表と比べても、今の日本代表には国際舞台において強烈なアウェイの洗礼を食らっている選手が少ないということと対照的に、先制点を奪った北朝鮮の鄭大世は本当に堂々と伸び伸びプレーしていたように思う。確かに開催地が反日感情剥き出しの中国で、彼らが北朝鮮に惜しみない声援を送ったのは大きなパワーとなったに違いないが、それにしても前半の立ち上がりから「勝利への姿勢」でその差は大きく出ていた。間違いなく北朝鮮の方が勝負に対して貪欲だったし、格上の日本に委縮する場面は見られなかった。前述の鄭大世がその象徴だ。
 日本はそんな北朝鮮にあわやという局面を数多く作られた。会場の異様な雰囲気と北朝鮮の闘志剥き出しのプレーが日本のリズムを狂わし、DF水本の憶測ミスから先制点を奪われた。後半何とか前田のヘッドで同点に追い付くものの、この日のFWはほとんど仕事をさせてもらえず。日本が誇る巧手の宝庫である中盤でさえも1ボランチのシステムが劣勢のきっかけとなることもしばしば。前がかりになりすぎて、前線からのミスで高速カウンターに肝を冷やすことの繰り返しであった。

 4年前に日本が優勝したのアジア杯の会場でもあった重慶。しかしこのチームに当時を知る者はごくわずか。前述にもあるように、あの極限の戦いを経験している者が少ないことがこのドローには無関係とは言えない。云わば「精神力」の面で、日本はその未熟さを露呈した。メンバーを大幅に入れ替えたことが「吉」とならなかったわけではない。チームとして勝つ姿勢と意欲に欠けていたということが最大の要因である。
 そして、サッカーライターの杉山茂樹氏も強烈に以前から訴えるように、岡田監督の目指すサッカー像も正直全く伝わってこない試合でもあった。事前の練習からその起用が確実視されていた左SBの加地。試合中は本来右利きで右SBの選手だけに左足でコントロールしてからのクロスや仕掛けはほとんど無かった。かといって逆サイドの内田が強烈に良い働きをするでもない。日本代表が近年抱える問題とも提起できるが、あまりにサイドアタッカーが貧相である。後半20分から出場した安田が輝きを放ったのはそのせいでもあるが、1アシストと結果を残したように積極的にゴール前に仕掛ける彼と比べれば、クロスの精度も含めて内田と加地の両スタメンはあまりに機能していなかったと感じる。確かにこれではいくらサイドアタックを攻撃の軸に標榜しても結果は出ないだろう。

 この大会におけるタイトルの意義は正直薄い。いくら岡田監督が優勝を狙いに行くと断言しても、ピッチでそれを具現化する戦術、選手の覇気はその温度から遙かにかけ離れている。鄭大世のような気迫とサッカーをする楽しさを前面に出す選手が皆無と言っていいほどであった。
 さすがに快勝で終えたW杯ジア3次予選のタイ戦で、ある程度の評価を受けた岡田監督のサッカーも早々このザマでは信頼を勝ち取るのは難しい。戦術うんぬんよりもまずは精神力の鍛練が必要だろう。そうでなければ、次の中国戦は敗北すらあり得るかもしれない。
 結果次第では、選手と岡田監督の目指すサッカーに歪みすら生じてしまう恐れもあるが、まずはそこを強い精神力で乗り切ることが必須だ。まだまだアジアの中でも突出した強さを持ち合わせていない日本の戦いぶり。今週、その塊のような中国とやる上では、戦術よりも先に泥臭く勝利を狙う精神力を持ち合さなければ簡単に足元をすくわれる可能性は非常に高い。

Eu torco por 都南クラブ! ② ~5人から未来の5万人へ~

2008年02月17日 | 脚で語る奈良クラブ


 冒頭にある満面の笑みの矢部次郎が示すように極寒の中、奈良県社会人選手権準々決勝KFC戦は2-0で勝利。苦しみながらも準決勝、つまりポルベニルカシハラとマッチアップするファイナルを懸けた戦いの切符を手に入れた。

<メンバー>
GK1津山(HT=松石ユウジ)
DF3上西、20橋垣戸、8吉岡、2松石ヨシキ
MF5染井(HT=15澤畑)、23矢部、21西村、9中川
FW7澤田、10松野マサ

 気温はわずか2度か1度であろう寒さに包まれたこの日の葛城市新町球技場。おそらく結果を気にして頂きながらも参戦できない方が多かったであろう中、共に都南クラブを鼓舞する同志5名に恵まれ、70分間声を張り上げることができた。遠方は姫路からはるばる来てもらった知り合いや、鳥栖時代から矢部を知るサガン鳥栖サポの方、県内在住の滋賀FCのサポの方から県内のサッカービジネスを勉強する若人まで集結。まずは県リーグレベルでは初のサポーター活動となった今日の応援に参戦して頂いたことに深く感謝。寒い中本当にありがとうございました。

 試合は、冬芝の張っていないほぼ土とも形容できる悪いピッチコンディションの中、時折足を滑らせながらも、都南がポゼッションを握る。しかし、KFCの素早いチェックに思うようにボールが繋がらず、リズムに乗れない。やはり、2週連続の雪による延期が選手たちを実戦から遠ざけたのも影響したか、どうも前半は動きの硬さが目立った。シュート数では相手を上回るものの、フィニッシュの精度に難があった前半は結局0-0で終了。
 後半、GK松石とMF澤畑を投入。序盤からリズムを作った都南は、ゴール前の混戦からFW松野マサがシュートを押し込み先制点を奪取。ようやくリードを奪う。その後も時折、相手の素早いカウンターを食らうもDF橋垣戸とGK松石を中心とした堅い守備が相手のチャンスを摘み取る。特にG大阪と愛媛でプレー経験のある橋垣戸のプレーは前半から安定。ハイボールの処理も難なくこなし、最終ラインから組み立ての起点となった。前半から守備面では安心して見届けることができたと言えよう。追加点を狙う攻撃陣はMF矢部を軸にゲームを組み立て、DF上西の縦への突破も生かし、再三相手ゴールを脅かす。左からの展開からようやく澤畑が追加点を奪い試合を決定づけた。

 結果が全てのトーナメント戦でありながらも、攻撃面を中心に課題は多くあったはずだ。しかしながら、ひとまずこの日の勝利をイレブンと共にサポーターも歓喜を分かち合う。選手とサポーターの距離はほとんど無いとも言えるそのフラットな関係に喜びもひとしおだ。
 おそらく、選手たちはやりにくかったと思う。初めての光景である我々の応援の前に委縮してしまった面もあるかもしれない。でも、絶対モチベーションは高まったはずだ。サポーターも戦力。必ずチームを勝たせるべく応援を続ける。これからその相乗関係がこの大会を通して成熟されていくことを願っているし、これが奈良のサッカーシーンを変えていく最初の一歩になると確信している。
 次戦は昨季リーグチャンピオンのポルベニルカシハラ。もちろん易々と勝てる相手ではない。このゲームを乗り切れば8年連続の決勝進出、そして4回目の全社への挑戦権を得ることができる。次戦は24日(日)に同じく葛城市新町球技場。キックオフはおそらく12:00か13:00の予定。今日来られなかった皆さんの熱い声援を待っています!

 試合後、この日のサポーターとチームの顔である矢部次郎共に昼食がてらしばし談笑。貴重な「知る人ぞ知る」鳥栖時代のサイドストーリーなどに花を咲かせる。やはり前所属のクラブからのサポーターがここまで来てもらえるのも選手冥利に尽きるし、偶然この場で共に声援を送る者同志として出会えたこともサポーター冥利に尽きるといっていいのかもしれない。サッカーは本当に様々な出会いと絆をもたらしてくれるものだと実感した。
 今日の5名から未来の5万人へ。これから辿ろうとするその険しい道のりは、この日すぐ背後にそびえ立っていた二上山の如き険しさであることも強く感じた。しかし、もう登り始めたこの道を下ることなく登り続けるハングリークライマーに我々はならなければいけないのだ。