脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

フリエの不振 -C大阪VS横浜FC-

2009年04月30日 | 脚で語るJリーグ
 J2は早くも11節を迎え、今季まだ1勝しか挙げられていない横浜FCはC大阪と対戦。敵地・長居で今季2勝目を狙いたかった横浜FCだったが、好調C大阪の前にあえなく0-2で完敗を喫することとなった。

 
 試合前から気合いの入る横浜FCサポーター。土産は勝利のみ。

 
 規格外の20歳、香川を封じ込めるべく守備陣が包囲網を敷く。

 
 キングカズがチームの精神的支柱。この日はフル出場。

 
 ゴールを守る岩丸は終始当たっていたが・・・

 
 2年目のMF八角は相手のプレスに思うように仕事できず。

 
 前半終了間際、乾が角度の無いところから先制ゴール

 
 前半を無失点で乗り切りたかった横浜FCの主将・戸川
 前半終了の際に芝を蹴って悔しさを体現していたのが印象的

 
 かつての古巣を相手に体を張ってボールキープする御給

 
 FW池元がゴールへ突き進む。

 
 フル出場でシュートは4本。一人気を吐いたカズ。

 
 後半再三サイドを疾走してチャンスを作った片山。
 奈良県出身の選手だ。

 
 0-2とされ、反撃したい横浜FC。カズのCKからチャンスを作る。

 
 貪欲にゴールへの姿勢が見えた難波。しかし相手の守備を崩せず。

 
 チョンヨンデは攻守の切り替えに奮闘。

 
 終了間際、交代出場の須藤がエリア内に攻め込む。

 
 試合後、サポーターからはブーイングが。
 今季の初勝利は9節。これで1勝3分7敗で現在最下位。
 J1経験チームとしては寂しい序盤の戦いぶりだ。
 まだまだJ2のシーズンは長い。フリエの建て直しはなるだろうか!?

先手必勝 -8節VS FC東京-

2009年04月29日 | 脚で語るガンバ大阪
 ACL疲れが出た日曜の神戸戦を落としたG大阪。これ以上リーグを落とせない状況だけは避けたいところ。GW中の初戦となったミッドウィークのFC東京戦は4-2と制した。

 

 本音を言えば4-0のまま勝っておきたかった試合。なぜか後半に気の緩みか連続で失点する場面が多いように感じる。この日も79分に相手の左サイドから石川のドリブル突破を許してゴールを奪われた場面などは、2人で挟んでいながらも全くシュートコースが切れていなかった。81分の失点場面では、遠藤があっさりボールを奪われ、梶山から左サイドの赤嶺がフリーで走り込んだところにパスを出された。カボレの動きにG大阪守備陣が釣られ、赤嶺にそのままシュートを許してしまった。その意味では少し万博の雰囲気が強ばったが、4点のリードが大きかったことが勝利に繋がった。

 
 佐々木が長友の突破を阻む。オウンゴールを呼び込む活躍。

 
 古巣に一撃を叩き込む活躍のルーカス。久々のゴール。

 
 怖いぐらい絶好調のレアンドロ。ハイペースで目指すは得点王か。

 佐々木のシュートが相手のオウンゴールを導き、ルーカス、レアンドロ、チョジェジンが加点する理想的な試合展開を辿れたが、レアンドロ、橋本と1本ずつ惜しくも決まらなかったシュートもあり、攻撃陣の活力は見出せた。特に佐々木とルーカスは良いリズムをもたらしたように思う。

 
 調子を取り戻した明神の存在も大きい。

 
 前半からFC東京は石川が果敢にチャンスメイク。

 後半の2失点が少し後味を悪くした感はあるが、前半と後半に2点ずつを奪う久々の先手を取る試合運びはとりあえず及第点。次節は不調に喘ぐ大分との対戦だけに、しっかり連勝を果たしてリーグの今後の戦いに繋げたい。
 
 6日にはACLアウェイの山東戦も控える。グループリーグ突破も決まった今、しっかりターンオーバーを考慮し、控え組を起用するのか、西野監督の采配が万博ではもっぱら話題の中心。ACLを戦うG大阪の二兎追う難しさ。なんとか上手くチームが回るようになって欲しいところだ。

往年のライバルに勝利 -VS JST-

2009年04月26日 | 脚で語る奈良クラブ
 前節の神戸FC1970戦でリーグ初勝利を掴んだ奈良クラブ。久々に地元に帰還した第3節は同じ奈良のJSTと対戦。4-1で快勝し、連勝と波に乗りだした。

 
 同時期に昇格を果たした県内のライバル 火花が散る。

 
 小雨がパラつき、強烈な風に見舞われた試合。

 
 和阪の負傷退場で初ベンチ入りの檜山が今季初出場。

 
 
 先制された奈良クラブは30分に石原がゴールを決めて追いつく。

 
 ハーフタイムにはチアダンスチームのパフォーマンス。

 
 たくさんの子供たちも観戦に。
 みんな「奈良にJリーグクラブができて欲しい」と口を揃える。

 
 65分に畑中が逆転ゴールを決める。
 その直後には凄まじいFKを直接沈めた。

 
 攻撃参加の冴えた石原。不動の左サイドバック。

 
 79分には橋垣戸が頭で押し込みダメ押しの4点目。
 空中戦にはチーム屈指の強さを誇る。

 
 右サイドを制圧した畑中は2得点。
 完全にチームの攻撃のキーマン。

 
 最後尾でチームを冷静に指揮する梶村の存在は大きい。

 
 多くの観衆が駆けつけたホーム・奈良での試合に勝利。
 これで連勝街道に乗りたいところ。

 悪天候にも関わらず、奈良・橿原での試合ともあって、たくさんの観衆が駆けつけてくれた。選手たちにとってもこれ以上の奮起材料はなかっただろう。試合ももちろんのこと、そこに広がる光景に、確かに奈良クラブの認知度が徐々に上がっていることを感じた。

 大学時代は、Jからのオファーも受けたという畑中の大活躍で、後半に大爆発した奈良クラブ。前半からうまくエンジンがかからないのはご愛嬌だが、順位ではこれでDiv2の単独首位。まだまだ未知の相手との戦いは続く。
 次戦はGW中の3日。負傷者も出ているだけに、暑くなっていくこれからの時期、結果にこだわっていきたい。

ACLアウェイ道中膝栗毛 -VSスリウィジャヤinパレンバン<2>-

2009年04月24日 | ACLアウェイ道中膝栗毛
 スタジアムに到着してから、帰路までを写真でプレイバック。

 
 スタジアムに到着した我々を子供たちが取り囲む。
 徐々に彼らの物乞いはエスカレート。
 中にはデジカメを盗まれた人も・・・
 (筆者もアウェイスタンドまで行く最中にチケットを盗まれる。)

 
 こちらが今回のチケット。
 Rp.20,000という価格。日本円で約200円ほど。

 
 アウェイスタンドに辿り着くと金森社長が激励に来てくれる。

 
 4万人収容のシャカ・バリンスタジアム
 2年前に日本代表もアジアカップの3位決定戦をここで戦った。

 
 バックスタンドを望む。徐々に観衆が集まってきた。

 
 現地のスリウィジャヤ人気は凄まじい。
 しかし、子供たちからはその貧富の差が如実に見え隠れしている。

 
 あまりに子供たちからの物乞いが激しいため、軍隊がエリアを仕切る。
 チームが迅速な対応に動いてくれた。

 
 現地時間の19時に試合はキックオフ。
 観衆は約15,000人VS日本人8人という戦い。

 
 湿度は80%を超えていたのではないだろうか。
 厳しい蒸し暑さの中、G大阪はリードを重ねていく。

 
 中には悪意のない優しい少年も一緒に応援してくれた。

 
 チャンスの山を築いたG大阪。
 レアンドロ、佐々木、チョジェジンの得点で3-0と快勝。

 
 統率されるホーム側のスリウィジャヤのサポーター。
 その他にもバック、アウェイ側と3派に分かれる。
 迫力のある応援だった。

 
 アウェイ側の応援妨害に遭いながら、皆で声を振り絞った。

 
 強烈だったのは撤収後の子供たちの執拗な物乞い。
 すぐに囲まれてしまう。
 (せっかく買ったスリウィジャヤのユニフォームを盗られるハメに)

 
 現地ドライバーの迅速な計らいでホテルに戻る。
 ホッと一息。

 
 翌朝、パレンバン空港からジャカルタに戻る便が3時間のディレイ。
 空港で足止めを食らう・・・

 
 空港のインターネットコーナー。
 よく見ると、基盤が剥き出しだ・・・(作動せず)

 
 
 スハルト政権退陣後、民主化に努めているインドネシア。
 しかし、経済面で貧富の格差や失業者問題が深刻になっている。
 今の子供たちが大人になる頃には、どうなっているのだろうか。

 
 エンジントラブルで3時間も待たせてくれたライオンエア。
 機材はMD-90。後部から乗り込む。
 今回の旅で最も不安なポイントだった・・・

 
 上空からパレンバン市内を望む。
 シャカ・バリンスタジアムがよく見えた。

 
 ジャカルタを経由し、バリに戻ってくると、違う世界に見えた。

 個人的には二度目のインドネシア来訪となったが、やはり都市ごとにその風景は違う。特に世界屈指の人口密度から抱える社会問題は深刻で、それがスタジアムの風景にも表象されている印象だった。観光スポットであるバリ島が違う国の様にすら思える。機内で観たアカデミー作品賞受賞作品「スラムドッグ$ミリオネア」(日本ではこれから公開)の風景とパレンバンの出会った風景が脳裏でシンクロした。
 しかし、サッカーの面では、積極的に地元TV局がAFCカップを中継し、スリウィジャヤやメダンなど国内のチームの認知度は高い。G大阪の名前も地元の人たちはよく知っていた。

 とにもかくにも、G大阪はこれでグループリーグ突破が決定。相変わらずACLではアウェイで無類の強さを見せてくれている。

ACLアウェイ道中膝栗毛 -VSスリウィジャヤinパレンバン<1>-

2009年04月23日 | ACLアウェイ道中膝栗毛
 スリウィジャヤ戦、アウェイでの旅の様子を写真でプレイバック。

 
 まず、日本出国の際に手厳しい洗礼。
 積み込み時に紙吹雪がスプリンクラーの誤作動でまさかの水没。
 一気にその数を削がれる・・・

 
 約8時間のフライトの末、最初の宿泊地バリ島へ到着。

 
 1泊朝食付で日本円で約2,000円。クタの中心部で最初の夜を過ごす。

 
 広いホテルの敷地内ではカエルがお出迎え。

 
 早朝にデンパサール空港へ出発。
 今回の旅では国内線を現地で手配することに。

 
 ホテルの前では早朝からゴミの山を支配する老人が作業を・・・

 
 デンパサールからジャカルタを経由してパレンバンへ向かう。
 今回の国内線はライオンエアを利用。
 ガルーダ・インドネシア航空の傘下にある航空会社だ。
 (写真はボーイング737-900ER)

 
 首都のジャカルタに到着。
 空港は国内線のハブ空港として人がごった返す。

 
 ジャカルタではスリウィジャヤVSガンバの認知度は高い。
 乗り継ぎカウンターのスタッフも日本人サポーターの来訪にはしゃぐ。
 インドネシア人、皆が非常に気さくな性格だ。

 
 正式名称はスカルノハッタ国際空港。
 ジャワ王宮の建築様式が採用された雰囲気のある空港だ。

 
 インドネシア国内線の搭乗券。ペラペラの紙切れだ。

 
 インドネシア料理を一通り揃えたレストランで昼食を。

 
 ナシゴレンやミーゴレンなど一通り揃えるとこんな感じ。
 この量で日本円で約1,200円。空港内では物価は安くない。

 
 書店ではサッカー関係の書物は少ない。
 ここでは専ら欧州サッカーが新聞の一面を飾る。

 
 デンパサールからジャカルタまで約50分。
 ジャカルタから約1時間でパレンバンに到着。
 非常に綺麗な建物だった。

 
 空港で手配したホテルを経由し、スタジアムへ向かう。
 東南アジアでは良く見る光景。街の交通はカオスそのもの。

 
 ご覧の通り。バスから人がはみ出ている。
 容赦なく道を横切る人が多いのもご愛嬌。

 
 市内を流れるムシ川に架かるパレンバン橋。
 日本軍制圧時代の名残だ。

 
 かつてのスリウィジャヤ王国として栄えたパレンバン。
 オランダ統治、日本軍制圧を経て現在に至る南スマトラ州の州都。
 人口は約144万人だという。

 
 チームバスが警察の厳重警護を受け横を過ぎ去る。
 すると、テンションの上がったドライバーが道を逆走!
 渋滞を掻き分けていく。

 
 スタジアムが近づくにつれてユニフォーム姿の子供が多く見られる。

 
 渋滞をクリアし、市内から約30分。
 遂にシャカ・バリンスタジアムに到着

 順風満帆といかなかった今回の旅。
 強烈な印象を残してくれたスタジアム編はこの後に続く・・・

決戦当日

2009年04月21日 | ACLアウェイ道中膝栗毛
ジャカルタ経由で、パレンバンに到着。

市内の渋滞を乗り越え、スリウィジャヤスタジアムに到着。

夕方ともあって、思ったより暑くなく、厄介なのはまとわりつく湿度だけ。

KSL初勝利 -VS神戸FC1970-

2009年04月19日 | 脚で語る奈良クラブ
 関西リーグDiv2の第2節に挑んだ奈良クラブ。神戸FC1970を相手に終始試合の主導権を握り2-0で快勝。昇格後2試合目で待望のリーグ初勝利を果たした。

 

 おそらくピッチの照り返しで、選手たちの体感温度はかなり上昇していたはず。7月まで続くデイゲームのみのリーグ、改めてこのカテゴリーの辛さも実感した試合だったが、90分間良く動いていたし、県リーグ時代と比べてもやはり少しレベルが上がったのではと感じさせてくれた。

 
 石田が久々に公式戦に合流 攻撃面でこれは心強かった

 
 金城がサイドでボールをキープ

 
 先制点はサイドのクロスから蜂須賀が導く
 (公式記録ではオウンゴールになる模様)

 
 もはやなくてはならない存在MF畑中 鋭いクロスで先制点もお膳立て

 
 和阪がドリブルで攻め上がる 決定機も何度かあった
 そろそろ華麗なFKが火を噴くのでは?

 
 途中出場の吉田が2点目となるシュートを決める
 奈良クラブのスーパーサブ誕生 今季大活躍の予感

 全体的に試合を支配していたが、相手GKの接近戦の強さもあり、もう幾つか決定機を決められていただろう。サイドを何度もアップダウンする畑中と水野のクロスは大きな武器にもなった。加えて局面ごとにチョイスが可能になった感のあるFW陣のローテーション。テクニックとセンスのある石田、スピードのある嶋、長身の蜂須賀に加えて、この日2点目を決めた吉田の好アピールは大きな収穫。そして、左SBに長身の上林が入り、中央の橋垣戸と共に相手のクロスをほとんど弾き返していたのは守備面でも大きな手応えとなったはず。
 
 まずは内容よりも結果が大事。徐々に今後の戦いぶりが楽しみになってきた。次戦は盟友ともいえるJSTとの一戦。戦いの場を久々の奈良に移し、しっかり勝っておきたい試合だ。