脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

魔法は完全に解けた -NCQF1stleg VS横浜FM-

2009年07月15日 | 脚で語るガンバ大阪
 ホーム万博で公式戦5連敗、直近の9試合では1勝1分8敗と極度の不振に喘ぐG大阪。チーム状態が上向かないままにヤマザキナビスコカップ準々決勝に突入。横浜FMをホームに第1戦を迎えたが、やはり1-3と完敗。第2戦に向けてだけでなく、今後に非常に暗い影を落とす敗戦となってしまった。

 まず、メンバーに大きな変更はなく、GKに藤ヶ谷がカムバック。左の下平をベンチに下げて安田理を先発で起用。負傷の加地の代役は橋本が務めた。清水戦で躍動感を見せた宇佐美はベンチにも登録されず。試合前のスタメン発表から“これで大丈夫か?”という不穏な空気は流れた。

 
 肋骨を骨折の加地に代わって右SBに入った橋本。

 
 土曜日のゴールで完全復活といきたかったチョジェジン。
 残念ながらこの日は活躍できず途中交代。

 
 G大阪・中澤のファウルで得たPKを40分に山瀬が・・・

 
 難なく決めて横浜FMが先制点を奪う。

 
 意地を見せたいG大阪は49分に中澤がヘッドで同点弾を決める。
 万博が熱狂したわずかな時間であった。

 
 二川を中心にいつも通りのポゼッションサッカーを見せるが・・・
 もはや相手のプラン通り。ほとんど崩せない・・・

 
 一昨年の大会でブレイクの安田理も軽率なプレーが目立った。
 クロスは合わず、挙げ句の果てには失点の要因にも。

 
 68分、“ガンバキラー”の坂田に勝ち越しゴールを許す。
 横浜FMは速攻で数少ないチャンスを確実に決めてきた。

 
 85分には松田に3点目を奪われる。
 盛り上がるアウェイ側ゴール裏。

 
 遠藤のFKも空を切る。
 時間が過ぎるにつれてスタジアムには空虚な雰囲気が漂った。

 
 力なく、為す術なく、まさかのホーム公式戦6連敗・・・
 ここ数シーズンで最も激しいブーイングがスタジアムにこだまする。

 
 厳しい表情の西野監督は終了と同時にロッカールームへ。
 追求してきた持ち前のパスサッカー美学が音を立てて崩れている。

 試合内容はまさに完敗で、非常に厳しい結果となった。ここ数試合はボールをキープしながらも相手にしっかり“回させられている”パターン。守りに入った相手を崩す手立てもなく、拙攻で時間は過ぎるばかり。
 以前、“ガンバの魔法が解ける日”というテーマで下薗昌記氏が書いていたコラムを思い出した。今のG大阪は以前の魅力的な魔法の効力はもうない。メンバーを固定し、チームの新陳代謝を後回しにして哲学を追求してきた代償が大きな形で現れている。