脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

トマンナプシダ!パクドンヒョク

2009年07月09日 | 脚で語るガンバ大阪
 今季よりG大阪でプレーしていた元韓国代表DFのパクドンヒョクが柏へレンタル移籍することが昨日発表された。期間は6ヵ月間、つまり今季終了までである。

 シーズン前に話題を席巻した過剰な補強がこういった形でシーズン中に再び話題になることとなった。リーグ戦は9試合出場1得点(先発出場7試合)、ACLでは3試合出場(先発出場2試合)というG大阪での成績だった。リーグ開幕の千葉戦から7試合連続で先発出場を果たしていたが、第7節の神戸戦で4枚目の累積警告をもらってからその後の試合は先発落ち。昨季から定番である山口、中澤のコンビが再びレギュラーCBを務める形になっている。

 レンタル移籍とはいえ、G大阪でシーズンを通して活躍できなかったことは正直残念ではある。開幕前のゼロックススーパーカップで、後半からフィールドに登場したパクは、ファウルも辞さない果敢な守備で鹿島に向かっていった。非常に熱い選手だなという印象を持ち、全体的に“おとなしい”キャラクターの多いG大阪の選手の中であの“熱さ”には虜にさせられてしまったのだが。

 今季はFW陣とこのCB陣にハイレベルな競争が要求されている。清水から加わった高木も未だにほとんど試合に出れておらず(リーグ戦2試合出場、先発1試合)、ベンチを温める日々である。結局、昨季からの確固たる刷新はレアンドロとチョジェジンの2トップだけにすぎず、全体的に“新戦力”の貢献は効果薄。レアンドロが驚異的な得点力を見せつけてくれているので、チームに大幅なメスが入れられた感はあるが、基本的にはACLを制した昨季の布陣がベースであることには変わりはない。橋本が長らく加地の代役を務めていたようにサイドバックのバックアッパーがおらず、中盤の年齢層も上がっている等の問題点は昨季から解決されていない。

 特定のメンバーに大きな信頼を寄せる西野監督の流儀は今季も揺るがない様子だが、CBに関してはもう少しダイナミックに入れ替えを施してもらいたかった。ACLにおいても積極的なターンオーバー布陣はなし。グループリーグ6試合中4試合を結局山口&中澤コンビで戦っている。特に浦和、鹿島、新潟、川崎と続いた上位陣との直接対決においても交代策のメインはアタッカー陣。新潟戦で出場停止の山口の代役を高木が務めたぐらいである。

 この調子でいくと、再びパクの勇姿をG大阪で見ることはできないだろう。契約追加延長のオプションが付いているが、そのまま柏に・・・という状況が最も濃厚な気がする。個人的には好きな選手だっただけに、今は柏での活躍を祈るしかない。

 トマンナプシダ(また会いましょう)!パクドンヒョク。