脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

不本意な夏を経て -関西大vs京園大-

2011年10月02日 | 脚で語る大学サッカー
 後期第2節を迎えた関西学生リーグ1部。太陽が丘球技場Bの第2試合では首位・関西大と11位・京園大が対戦。4-0と関西大が貫禄の勝利で後期2連勝。対する京園大は前期から未だ13試合連続で未勝利となった。

 

 今季、最大の目標である天皇杯出場はおろか、そこに繋がる関西選手権で結果を出せず、総理大臣杯への出場も叶わなかった関西大。今季は関西選手権の上位3校が全て大阪の大学(阪南大、大体大、桃山大)で占められ、総理大臣杯を制した大体大が大学枠として天皇杯の出場権を、そして阪南大、桃山大が大阪府選手権に出場して阪南大が大阪府代表チームとして天皇杯出場を果たした。ここに絡めなかったこの2ヶ月強はインカレ王者であり、またこの数年、天皇杯でもJクラブを脅かす存在となっていた関西大にとっては非常に悔しい夏だったことだろう。これで狙うはリーグ制覇と冬のインカレ連覇に絞ることとなった。リーグでは現在首位を走っており、総合力は群を抜いているのは確か。この京園大戦は前半こそ攻めあぐねながらも、最終的に力の差を見せつけた試合だった。
 関西大は、後期第1節から木村(2年)、片岡(2年)が先発に名を連ねており、寺岡(2年)、和田(1年)と並んで神戸U-18組が4名も同時先発。また、金谷(2年)、田中(3年)、岡崎(3年)のG大阪ユース組を筆頭に、高校サッカー出身者は櫻内(4年)1人だけと、相変わらずのJクラブユース出身者オールスターズ。前期は京園大に先行される展開だったが、この日こそは圧勝でその豪華絢爛な力を誇示したいところ。
 一方の京園大も、今季は初の1部だったが、開幕当初の健闘ぶりとは裏腹に1部の壁を痛感する戦績で、ここまで12試合未勝利と非常に苦しめられている。下級生もメンバーには多いだけに、何とか後期の戦いで残留を達成して来季に繋げたいところだと思うが、前節は2位・桃山大に1-2と僅差で敗れており、2試合連続で手強い相手を迎えることになった。

 試合は、ライン設定を高めに保ち、中盤をコンパクトに抑えた京園大のゲームプランによって関西大が攻めあぐねる展開。片岡、木村らが前線でボールを呼び込むが、オフサイドを連発。なかなかロングフィードからの展開を作れない。都並(2年)、櫻内の両サイドバックが攻め上がってチャンスメイクするが、中央でターゲットが作れず、決定機をなかなか作れなかった。しかしながら、京園大も守備一辺倒でほとんど攻撃に時間を割けられない。ボール支配率はそのほとんどが関西大であり、危なげない試合運びながらも得点が奪えないジレンマに悩まされる。
 40分にその呪縛が解けた。ゴール前で奥田(2年)がGKと相手DFに詰め寄られてボールを逸したところを上がってきた櫻内が冷静に流し込む。相変わらずポジショニングにその長所を見せる頼れる主将の1発で関西大の沈黙は解けた。43分には、岡崎の右CKをファーで寺岡がヘッドで折り返すと、中央で田中が押し込んで追加点。関西大がその強さを見せ始めた。

 
 前期の終盤から出場機会を掴んでいた関西大・FW木村。
 後期2試合連続の先発出場。

 
 司令塔・岡崎はやはり抜群の存在感。
 右に左にサイドチェンジからそのキックの正確さが際立つ。

 
 奥田も先制点に絡む活躍。片岡、木村との前線トリオは面白い。

 後半に入ると、京園大も技巧派の村上(3年)を投入してくるなど逆襲のプランを模索するが、前半と同様に関西大がボール支配からペースを崩さない。68分に奥田に代えて安藤(3年)を入れて更にギアを入れると、71分には片岡が持ち込んで潰れたところを木村が決めて3点目を奪った。

 
 片岡は得点こそなかったものの、潰れ役として貢献。

 
 櫻内は冷静なプレーに終始。さすがJ内定選手。

 
 京園大も豊永(2年)を中心にボールを繋ごうとするが…

 83分にはCKから二度折り返されたボールをフリーで中央にて待ち構えた小椋(2年)がダイビングヘッドで決めて4点目。勝負あり。最後まで危なげない展開で関西大が勝利した。

 
 最後の4点目は小椋のヘッド。

 
 京園大はDF池田(3年)を中心に守備を建て直したい。

 スコア以上の力の差を見せつけた関西大。前節こそ終了間際に決勝点を奪う薄氷の勝利だったようだが、前期以上に勝負強さも増していればこのまま独走できそうな予感。まだ今後下位チームとの戦いが続くだけに、後期バージョンのチームを仕上げてインカレを見据えておきたい。勝負どころは上位陣同士の直接対決が続く11月。寒くなるにつれて不本意な夏をいかに過ごせたかが結果として体現されるはずだ。
 12チームで唯一未勝利である京園大もまずは1部初勝利を目指したい。姫獨大と勝点で並んでいるために、姫獨大の結果いかんでは最下位転落もあり得る。まだ残り9試合、チャンスを掴みたい。

同大、インカレを狙え -同大vsびわこ大-

2011年10月01日 | 脚で語る大学サッカー
 後期日程に突入した関西学生リーグ。1部の後期第2節が今週も太陽が丘球技場Bで行われ、5位・同大が9位・びわこ大と対戦。ここまで6勝4分2敗と好調を維持している同大は何とかこのまま上位にしがみついていきたいところ。この日もびわこ大をシーソーゲームの末に3-2で下して、勝点を25ポイントに積み上げた。対するびわこ大はこれで8試合連続未勝利と苦しい戦いが続いている。

 

 先週に続き、秋晴れの好天に恵まれた太陽が丘。しかしながら、気温こそ涼しいが非常に強い風が吹き、体感温度は寒いくらい。選手たちも風上、風下でボールコントロールが難しい場面もあっただろう。1試合目から白熱の点の奪い合いとなった。
 同大は、前節こそ大産大に1-1と引き分けたが、前期の4連勝が効いており、現在も5位と好位置につける。しかも上位陣は勝点差が切迫しており、首位・関西大が頭一つ抜け出ているものの、まだまだ分からない。十分インカレ出場権を獲得する3位以内は現実目標だ。前節からGK含めて先発4人を替えて試合に臨む。
 対するびわこ大も関西大を手玉に取った前期第4節からリーグ戦では5ヶ月以上勝利に見放されている状況。負け試合もそのほとんどが1点差という内容で、引き分けも多く悔やまれる結果が多い。しかしながら、入替戦の対象となるボトム3は避けたいところ。その意味でもこの同大戦は後期の試金石となる試合だった。びわこ大は前節のメンバーから藤本(4年)に代わって山本(3年)が先発に名前を連ねる。

 試合は、同大が幸先よく先制に成功。杉山(4年)の思い切りの良いシュートが辻(4年)の足に当たる形でラッキーな先制点。同大は前半、風下に立つ状況でその後苦戦を強いられただけに、序盤早々にエースに得点が生まれたのは大きかった。
 その後、徐々にびわこ大がペースを盛り返す。左サイドバックの二戸(4年)と山本(3年)が果敢にサイドを突いて同大陣内まで攻め込む。また、中央ではボールを持つ度に松田(2年)がシュートを狙っていった。25分には松田がGKと1対1のチャンスを作るが決められない。33分には山本の左からのクロスに松田がヘッドで合わせるも惜しくもゴール右に外れる。時折同大のカウンターを食らいながらも風上のびわこ大が積極的にゴールを狙い続けた。すると、32分にエリア前左手でボールを受けた二戸がミドルシュートを鮮やかに決めてびわこ大が同点に追いつく。

 
 びわこ大・MF山本が積極的に攻め込む。

 
 序盤こそ劣勢に立ったが、次第にびわこ大のペースに。

 
 2年生ながらチームのエース・松田がゴールを狙う。

 後半、前半の劣勢を引きずる同大は、早めに勝ち越し弾を決めたいところ。51分にはFW石津(3年)が強烈なヘッドをお見舞い。これは辛くもびわこ大・GK柴田(3年)がセーブする。そして62分に、前半に先制点を決めた辻を下げてFW松田(4年)を投入。すると徐々に同大は更に活力を取り戻してリズムが生まれた。69分にはCKから石津が先ほどと同じようにヘッド1発。これが決まって同大が勝ち越しに成功する。

 
 同大の右サイドバック三浦(3年)。再三の攻撃参加で援護射撃。

 
 
 
 石津のヘッドが決まって同大が勝ち越し。

 びわこ大は再び1点のビハインドを追いかける展開に、選手交代でチャンスを模索する。同大が活性化していただけに我慢の時間は続いたが、びわこ大には前期関西大を落としたカウンターという武器がある。まだ前線で松田がゴールを強かに狙っており、彼らも切れてはいなかった。すると84分、これまで沈黙していた松田がようやくシュートを決めてびわこ大が再び同点に追いついたのだった。

 
 勝ち越してからも同大は杉山を中心に攻め立てる。

 
 切り込むびわこ大・MF竹内(3年)。

 
 G大阪ユース出身の二戸は先制点で魅せた。

 しかし、勝負強かったのは同大の方だった。残り5分でも諦めずにびわこ大陣内へアタック。88分に、東矢(4年)が左サイドを駆け上がると、絶妙の折り返し。これをニアで途中出場の松田が決めて二度目の勝ち越しをやってのけた。このまま試合は終了。同大は勝点を25ポイントに伸ばして上位陣に留まる勝利。片やびわこ大はまたも1点差敗戦となってしまった。

 
 最後に大仕事をやってのけた同大・MF東矢。
 決勝点のアシストはお見事。

 
 同大の中心として進路が注目されるMF早坂(4年)。
 実兄はJ2・鳥栖でプレーする。

 点の取り合いにはなったが、同大の勝負強さを見た試合だった。これで今季7勝目。この調子を維持して是非ともインカレ出場(リーグ最終順位3位以内)を掴んで欲しい。リーグ優勝こそ他の上位陣との直接対決次第だが、主力に4年生も比較的多いチーム構成だけに、最後の華を咲かせる躍進にOBとして期待したい。
 びわこ大も次節に絶不調の立命大を対戦相手に迎えるが、この試合はターニングポイントになりそう。大産大とのボトム3争いを抜け出すためにもこれ以上負けられない。1節でも早く勝利が欲しい状況だ。

覚醒のKG -関学大vs立命大-

2011年09月24日 | 脚で語る大学サッカー
 太陽が丘球技場Bにて行われた関西学生リーグ1部の後期第1節の第2試合は、5位・関学大が8位・立命大と対戦。この試合終わってみればなんと6得点の猛攻で関学大が6-0と大勝。来季G大阪に入団が決まっている阿部(4年)が4得点、コンビを組む三ノ宮(3年)も2得点と2トップが大活躍。2人ともこれで得点ランキングトップに躍り出た。これで関学大は、リーグ戦6試合無敗。対する立命大はリーグ戦6試合未勝利と対照的な2チームの試合だった。

 

 1点を争う大体大と阪南大の1試合目と打って変わって、関学大のゴールラッシュになった2試合目。関学大は比較的主力に4年生が多い中に、名古屋ユース出身の小幡、そして福森と1年生コンビが先発出場。対する立命大は左SBに篠原(4年)でなく武田(2年)を起用。直近5試合で2得点得点力不足が顕著なだけに昨季のリーグ得点王坂本(3年)の爆発に期待をかけたい後期初戦だった。
 しかし、試合が始まるとその出来の対照的なこと。関学大は常にフィニッシュをシュートの意識で阿部を中心に攻め立てる。立命大の攻撃を許すことなく、関学大は攻めまくった。19分に阿部がゴールラッシュの口火を切る1点目を奪取すると、36分には三ノ宮の突破から最後はゴール前にこぼれたところを再び阿部が決めて2点目。その直後には阿部が完全にフリーで抜け出してシュートという場面があったがシュートは無情にもバー直撃でハットトリックは後半にお預け。43分には左サイドから駆け上がった津田(4年)の折り返しを三ノ宮がヘッドで決めて前半だけで3-0とする。

 
 もちろん試合の主役は阿部浩之。
 無双状態の得点力で4得点と大活躍。

 
 関学大は1年生の小幡が印象に残った。
 小柄ながら間違いなく将来のチームを支える選手。

 
 関学大は前線ももちろんのこと、中盤で関(2年)が奮闘。
 攻守に強さを見せ、存在感の大きさを感じさせる。

 “手も足も出ない”と言わんばかりに好き放題攻められた立命大。後半から大型FWの前岡(1年)を投入して建て直しを図るが、後半も相変わらず関学大が攻守にペースを握る。63分には阿部がハットトリックとなる見事な抜け出しからの3点目で4-0とすると、71分には、今度はエリア右手からノーステップ気味にループめいたシュートでゴールの高い位置に決めて自身4点目。来季J屈指の攻撃陣を誇るG大阪入りを納得させる見事な存在感。その4分後には三ノ宮がこの日2点目を決めて関学大が6-0とそのリードを広げた。

 
 特別指定選手として既に東京Vでもプレーする梶川(4年)。
 その非凡なパスセンスと攻撃センスは関学大の要。

 
 この日は三ノ宮も爆発。
 遠慮なくハットトリックといきたかった。

 
 前半からキレのあるプレーを見せていた高松(4年)。
 関学大で最も気になる選手の一人。

 打つ手無く惨敗を喫した立命大は、これで6試合もリーグ戦での勝利に見放されることとなった。ほとんど決定的な場面を作れなかったのが残念。特に坂本がずるずると中盤までボールを引き寄せにいかなければならない展開が苦しかった。速い時間帯から1年生の前岡を入れるが、これがほとんど功を奏さなかったのは中盤の構成力の差というべきか。とにかく覇気の無さも含めてかなり気になる試合運びだった。次節は、前期接戦の末に敗戦を喫した大体大と対戦。なんとか浮上のきっかけを掴みたい。


 終始苦しい戦いを強いられた立命大。
 前期の序盤こそスタートダッシュは良かったが…

 
 エース・坂本は来季の今頃どこに去就が決まっているか。
 立命大の復調には彼がゴールを決めないと。

 
 小柄ながらテクニックのある戸高(2年)。
 劣勢の中でも好プレーは見せた。
 
 対して、覚醒のKGこと関学大。加茂総監督もおそらくご満悦の6点圧勝劇で、これで後期も上位陣にしっかりしがみつくことができそう。勝点が切迫した上位陣はどこが振り落されるかという勝負なだけに、この勢いでリーグ優勝も狙いたいところ。関西大、桃山大と直接勝負となる11月が勝負どころとなりそう。何にせよこのカテゴリーでは阿部は少しレベルが違う存在。常にゴールへと向かうその姿勢は今からJでどんなプレーを見せてくれるのかという妄想を掻き立てられる。また、同じくゴールでアピールした3年の三ノ宮もJ入りを意識してこのまま活躍を期待したい。また、主力に4年生が多い関学大は、小幡を中心に1年生選手など下級生戦力のアピールも欲しいだろう。11人中5人も4年生で構成されているのは来季のことを考えると少し心配の種かもしれない。

 
 来年の今頃は、この姿がG大阪のユニフォームで見られるか。

痛いロスト2ポイント -大体大vs阪南大-

2011年09月23日 | 脚で語る大学サッカー
 関西学生リーグの後期日程がいよいよ開幕。京都府立山城運動公園太陽が丘球技場Bでは、1部の2試合が行われ、第1試合で6位・大体大と7位・阪南大が対戦。阪南大前半先制して優位に試合を進めるものの、追加点が遠く、後半のアディショナルタイム終了間際に同点弾を被弾。1-1の引き分けに終わった。大体大と阪南大の勝点差は変わらず4ポイントのまま。

 

 秋晴れの太陽が丘球技場B。陽射しこそ強いものの風が強く、心地よい清涼感に満たされる。まさに秋のサッカー日和といった天候だったが、試合は熱かった。
 阪南大、大体大共に天皇杯出場を果たした関西勢を代表する2チーム。大体大は3年ぶりの総理大臣杯制覇で、大学枠での出場となったが、厚別での1回戦では北教大岩見沢校に総理大臣杯まさかの敗退。総理大臣杯のリベンジをとられる形になった。一方の阪南大もこの大体大との決勝となった関西選手権を制し、総理大臣杯に出場。初戦で敗れたが、優勝を果たした大阪府選手権経由で天皇杯にチャレンジ。1回戦ではJFLの強豪・SAGAWA SHIGA FCに敗戦と、双方1回戦で姿を消すことになったが、前後期のインターバルでどちらも共に結果を残したといえる。その両校が後期最初の試合で顔を合わせることになった。
 大体大は山田、山口という1年生コンビが先発に顔を揃え、ベンチにも坂本、藤山、泉谷と1年生が3人もスタンバイ。明らかに今後のチームも見据えたメンバー構成を垣間見せた。対する阪南大は、先日C大阪入団が内定した井上(4年)を軸に、GKには原田(2年)が入り、CBには永井(2年)ではなく二見(2年)が岩本(4年)をコンビを組む。前線では可児(2年)と中村(4年)のコンビ。そして、ベンチには神門(3年)が入った。

 試合は、前半から阪南大が効果的に攻撃を展開。井上から泉澤(2年)、中村にボールを繋ぎ、大体大ゴールに迫る。対する大体大も前線の山本(2年)を中心に、左MFの田上(3年)とで積極的なドリブル突破を見せる。しかし、前半こそ何度かチャンスを作るがなかなかエリア内でシュートを打たせてもらえず。対して、この日は阪南大の左サイドで泉澤が切れのあるプレーを見せており、40分にはその泉澤のシュートで阪南大が先制して前半を折り返すこととなった。

 
 阪南大ゴールに迫る大体大・山本。
 二見に倒されたこの場面は惜しくもPK獲得ならず…

 
 阪南大の選手に囲まれながらも突破を試みる田上。
 何度も左サイドからチャンスを作る。

 後半に入っても阪南大のペースは変わらず。左から飯尾(3年)のオーバーラップ、中村の突破、井上のセットプレー、泉澤のドリブルなどでチャンスを作る。49分には、飯尾の折り返しから泉澤がシュートを合わせるが、相手GKのセーブに遭う。65分にも井上が抜け出してニアからシュートを放つが惜しくも右に外れ、追加点が遠い。
 対して1点を追いかける大体大も64分にFW脇(3年)、FW泉谷を合わせて投入。同点のチャンスを窺う。88分には、脇が相手DFの裏に抜け出してGKと1対1の決定機を迎えるがこれを決められず。アディショナルタイムに入り、敗戦濃厚かと思われたその3分だった。馬場(3年)のFKにファーで頭で合わせたのは松竹(4年)。起死回生のゴールで大体大が1-1に追いついて試合を終えた。

 
 効果的な攻め上がりに定評がある阪南大・飯尾。
 この試合でも随所に持ち味を披露。

 
 C大阪入団が決まった関西屈指のプレーメイカー井上。
 負傷で出遅れたが、後期の巻き返しには欠かせない選手。

 
 先制点を決めた泉澤。
 今季はイタリア遠征メンバーにも選出され、切れ味見せる。

 

 
 アディショナルタイム3分の同点ヘッド。
 松竹が逃さなかった。

 前半こそ仕掛ける場面が目立っていた大体大が、次第に淡泊になり、阪南大のペースにハマりすぎていた印象があったが、最後の最後でチャンスを見逃さなかった。松竹のヘッドは集中力の勝利ともいえる流れ。このリーグ戦のインターバルで様々な経験を積んだ大体大の成長の証か。新しい選手も起用しながら、後期の戦いぶりが注目できる。また、追加点が最後まで遠かった阪南大は痛い引き分け。ほぼ勝利を掴んでいただけにこの2ポイントロストは、後期の巻き返しを左右してきそうだ。次節は、大体大が不調の立命大と、そして阪南大は好調の関学大を相手にする。

溜息の45分 -阪南大vs立命大-

2011年06月19日 | 脚で語る大学サッカー
 高槻市立スポーツセンターにて行われた関西学生1部リーグ前期第10節の第2試合。9節終了時点で9位とボトム3に沈む昨季の王者・阪南大が7位・立命大と対戦。試合は両者決定機を作り出すものの試合を決定づける一発に欠き、1-1の引き分けに終わった。

 

 完全にリーグではスタートダッシュに失敗した阪南大。関西選手権を制して総理大臣杯へ臨む勢いそのままに、リーグでも上位進出のきっかけを窺いたいところ。前節・桃山大戦では3-5と撃ち合いの末に敗戦。ここ3試合勝利に見放されている。チームからは全日本大学選抜のイタリア遠征メンバーとしてFW泉澤(2年)が、そしてDF二見(2年)の2人がチームを離れている状況。この日はチームの中心である井上(4年)を中心に是が非でも勝利を狙いたいところ。


 
 対する立命大もこの3試合は全くパッとしない状況。なんと3連敗中でその試合では全て無得点。序盤戦で得点を量産していたエースの坂本(3年)もリーグ戦では4試合得点に恵まれていない。絶不調と言ってもいいこの状況を打破するためにもこの阪南大戦は負けられない試合だった。

 試合は前半から両者激しくゴールを目指した。まずは11分に阪南大は村山(4年)のクロスに中村(4年)がヘッドでゴールを狙う。12分にも同じく村山のシュートがブロックされたこぼれ球を中村がヘッドで押し込もうとするがここは立命大・DF谷口(1年)がナイスクリアを見せて事なきを得る。立命大も負けてはいない。17分に雨森(4年)のクロスに坂本が頭で合わせて阪南大ゴールを狙った。

 
 
 阪南大の決定機を阻止したのは1年生のDF谷口。
 前節、途中出場でリーグ戦デビューのニューカマー。
 阪南大・中村はここを決めたかった。

 先制点は18分、立命大だった。エリア手前でボールを持った坂本がそのまま右足を振り抜くと、グラウンダー気味ながらボールはゴール右隅へ決まる。坂本の5試合ぶりの得点で立命大が試合を先行した。

 
 
 坂本の久々の得点でRitsが試合の先手を取る。

 28分には、中村と前線でコンビを組んだ井上がエリア内でシュートするも、これを立命大・DF藤原(3年)がブロック。しかし、徐々に阪南大に流れは傾いた。36分に村山が右サイドからのボールをゴールに近い位置で中央に折り返すと、マークをかわした中村がこれに合わせて阪南大が同点に追いつく。この調子で一気に逆転まで持ち込みたいところだった。41分には井上のクロスを村山がヘッドで合わせるも、ここは立命大・GK岸上(2年)がナイスキャッチを見せて応戦。井上中心に決定機を作り出していく阪南大だったが、あと一歩ゴールを割れず1-1のまま後半戦へ折り返す。

 
 
 
 何度もオフサイドにかかりながらチャンスを狙っていた阪南大・FW中村。
 村山との連携は上々。同点弾を演出。

 
 守備ラインでは屈強なDF永井(2年)がハイボールを弾き返す。
 阪南大の守備の要。頼れる選手。

 
 GK土師(3年)も果敢な飛び出しで立命大のチャンスを摘む。

 後半も激しさを増す試合。後半の序盤ますは立命大がペースを握った。48分にエリア左手前からのFKを加藤(4年)が強烈なキックで枠内へ。これは阪南大・GK土師のファインセーブに阻まれたが、藤田(4年)、加藤、そして村上(4年)、雨森といった中盤の選手の連携が噛み合い、得点の予感がどこかしてくる。しかしながら、阪南大の守備も集中しており、徐々に消耗戦の様相を呈してくる。56分にはDF飯尾(3年)のアーリークロスに中村はヘッドで合わせるなど、決して阪南大も押し込まれるとはいえノーチャンスではない。
 58分にヘディングの競り合いで立命大・DF藤原が鼻を負傷。出血と頭部への影響を考慮してか、ベンチの守備要員・武本(3年)と交代。守備のキーマンを欠いてしまう厳しい展開を立命大は余儀なくされた。

 
 阪南大・FW岩本(4年)と競り合う立命大・MF加藤。

 
 阪南大のキーマン・井上へのマークは厳しい。

 
 
 48分の立命大・加藤のFKの場面。阪南大・GK土師がナイスセーブ。

 
 なんとか1-1の局面を変えたい立命大・MF藤田(4年)。
 関西で得点王を2度獲った兄の祥史(現横浜C)がいる。

 その後も立命大が優勢に決定機を作りながら試合を進めたが、徐々に疲れの見えてきた彼らに阪南大が牙を剥く。69分には中村のクロスを奥野(3年)が逆サイドで合わせるも、この決定的な場面を決めきれず、77分には村山の突破からの折り返しを井上がまさかのシュートミス。この2つの決定機をフイにしてしまい、阪南大は十分あった勝利の切符を取り損ねてしまう。両者ともに溜息を連発させる決定機逸の応酬で結局試合は1-1で終わることになってしまった。

 
 個人的に気になる阪南大のMF奥野。
 競り合いに強く、前線でも活躍してくれそうな選手。

 
 
 これは決定的だった77分の井上のシュート。
 一瞬、阪南大が試合を決めるかに思えたが・・・

 
 立命大は期待の新人・前岡(1年)を投入するが・・・
 残り5分間ではあまりに結果を出すには短かった。

 
 阪南大は守備では健闘したが、決定機を逃しすぎた。

 見応えはあったが、同時に勝者の白黒がはっきり付かないという試合の幕切れに会場もやり切れない雰囲気が。何しろ昨季の王者が今季2度目の連敗でしかも3連敗だ。10位・大産大との勝ち点差が5ポイントあるので、今節での10位転落の可能性はないが、後期に入っての巻き返しができるのだろうかという印象だ。まずはこのような1点を争う試合での決定力不足と先手を取られるという展開に気を付けたい。元来、陣容も含めてリーグ屈指のメンバーだけに、関西選手権を制した勝負強さがなかなか発揮できていないのは何とも歯痒いところ。前期最終戦となる来週の相手は首位の関西大。なかなか厳しい戦いになりそうだ。
 対する立命大もこれで連敗こそ止まったが、4試合連続未勝利。こちらも得点力不足は深刻だ。光明は先発で抜擢された1年生DF谷口の健闘と坂本の久々の得点が挙げられる。次戦の相手はこの阪南大相手に大量5得点を奪った桃山大。DF藤原が欠場となると、かなり厳しい戦いを強いられるかもしれない。

カイザー、前期首位ターン確定 -関西大vs同大-

2011年06月18日 | 脚で語る大学サッカー
 関西選手権を終えて先週から再開された関西学生リーグ。1部は前期日程はまもなく折り返し地点となる第10節。高槻市立スポーツセンターでは、首位を堅持する関西大とそれを勝ち点1ポイント差で追走する同大が直接対決。勝てば首位となる同大だったが、試合は終始危なげない展開で関西選手権の不調を跳ね除けた関西大が3-0で快勝した。

 

 関西大は関西選手権でまさかの4位に終わり、総理大臣杯出場を果たせず。しかも、総理大臣杯に出場する関西選手権の上位3チームは、阪南大、大体大、桃山大と大阪府勢で全てが占められており、例えどこか1チームが総理大臣杯で優勝して、天皇杯へ大学枠で出場できたとしても、関西大には大学勢が2枠ある天皇杯大阪府予選に回ることすら許されない。チームとして全国の舞台を狙っていただけに、これでタイトルは、リーグ優勝とインカレ連覇に絞られたことになった。
 対する同大は、昨年度王者として臨んだ関西選手権は準々決勝で桃山大に敗れたものの、リーグではすこぶる好調。第6節の姫獨大戦を皮切りに大産大、阪南大、立命大を撃破して4連勝。なんと開幕戦のびわこ大戦を落として以来負けなし。ここで関西大に勝利すれば間違いなくその強さは本物だ。雨の高槻市立スポーツセンターは1試合目から激戦が予想された。

 関西大は、ユニバーシアード代表強化を見越した全日本大学選抜のイタリア遠征にGK金谷(2年)、MF和田(1年)がメンバーとして渡欧。この2人を欠けた状況で、GKには志村(2年)、中盤には1年生でG大阪ユース出身の水野を抜擢。岡崎(3年)、田中(3年)のG大阪ユースの先輩と共に攻撃の組み立てを担った。
 対する同大は前節、エースの辻(4年)が2得点と好調をアピール。関西屈指のクレバーさで守備を統一する早坂(4年)を中心に、立命大を3-0と一蹴したメンバーを布陣を変えることなく関西大に挑んだ。

 
 大抜擢の水野。このまま一気にトップ定着を狙いたい。

 試合は序盤から同大が前線からのハードなプレッシャーで関西大にペースを握らせまいとする。しかし、関西大は岡崎、田中を起点にこのプレスをかわして徐々に試合を作っていった。

 
 最後尾には今季リーグでは初出場となる志村が鎮座。
 金谷の不在を補う。

 
 奥田(2年)が果敢にボールに食いつく。
 関西大は本当に彼を筆頭とした2年生の層が厚い。

 縦パスが良く入り、中島(2年)や奥田(2年)らサイドの選手が躍動する関西大は、20分にエリア手前でボールを持った片岡(2年)が多少強引ながらもドリブルからシュート。これがバーを直撃すると、跳ね返りを中島が胸トラップから落ち着いてゴールに沈め、関西大が先制する。

 
 この片岡のシュートから・・・

 
 
 
 
 跳ね返りを中島が上手くコントロールしてシュートを決める。

 同大も前半のうちに追いつきたかったが、サイドがしっかりとブロックされ、中央にボールを集めさせられる展開になかなか崩せない。辻がコンビを組む松田(4年)、そして二列目から矢野(2年)や東矢(4年)が仕掛けるが、ゴールは遠い。43分には松田とのコンビネーションで左サイドを突破した東矢がシュートするも、わずかにサイドネット。前半は関西大が1-0とリードして折り返すこととなった。

 
 同大で注目選手は奈良市立一条高出身の中城(2年)。
 早坂とコンビを組み最終ラインを統率する将来のリーダー候補。

 
 同大はGK安井(4年)も前半1対1の場面をストップするなど奮闘。

 後半に入ると、関西大が更に猛チャージ。49分に相手ラインの裏に抜け出した奥田がシュートを決めて後半早々に関西大が追加点。試合を完全に優位に運ぶ。

 
 
 
 奥田のシュートが決まって、ほぼ勝負は関西大に傾いた。

 57分には櫻内(4年)の折り返しを岡崎が決めて3点目。完全に同大のモチベーションを崩すに十分な追加点だった。この直後に関西大はその岡崎に代えて安藤(3年)、稲森(3年)、1年生の山田を投入するなど、メンバーの新陳代謝を図りながら、最後まで同大に隙を与えなかった。
 同大も75分に辻を諦めて杉山(3年)を投入するなど、最後までチャンスを作ろうとするもほとんど良い形で前線に入らない。75分に関西大・水野が退場処分となり、数的優位な状況に立ったものの最後まで沈黙することになってしまった。

 
 積極的に前を向いて攻撃のリズムを作った関西大・片岡。

 
 同大・三浦(4年)はサイドから時折鋭いシュートを見せた。

 
 同大の中心選手であるDF早坂。進路が注目。
 Hondaから鳥栖へと活躍の場を移した早坂良太の弟でもある。

 
 先日、特別指定選手として神戸入りが決まった関西大・寺岡(2年)。
 この試合でも安定した守備を披露。

 
 G大阪ユース出身の水野に続いて、山田も出場。
 1年生にも期待がかかる。

 この勝利で前期日程の首位ターンが決定した関西大。前期日程の最終戦は昨季の王者であり、今季の関西選手権王者・阪南大。しかし、現時点では9位とかなり不調に喘いでいる。第2試合で立命大と戦った阪南大の試合を関西大のメンバーはいかなる思いで見ていたのだろうか。どうにもこの“ねじれ構造”が良く表れている。
 

5試合ぶりの完封勝利 -関西大 VS 大産大-

2011年05月06日 | 脚で語る大学サッカー
 関西学生リーグは先月29日からこのGW3試合目、前期日程の第6節を迎え、高槻市萩谷総合運動公園サッカー場では、4勝1敗で首位を走る関西大が大産大と対戦。今季2度目の無失点試合で関西大が3-0と快勝した。

 
 

 4勝1敗で首位の関西大。されど、ここまでの無失点試合は開幕戦の大体大戦(1-0)のみ。それ以降は4節びわこ大戦以外で勝利を収めているものの、先制された後の逆転勝利という内容がなんと3試合もあるのだ。前節の姫獨大戦ではラスト5分まで0-1で敗戦濃厚というスリリングな展開を強いられた。ここまで5試合、決して満足のいく戦いができていないというのはチームの誰もが思っていることだろう。この5月は現在上位を争う立命大、桃山大との直接対決も迫っている。この大産大戦でしっかり勝利を収めて繋げたいところだ。
 そんな関西大は、先発メンバーに主将・櫻内(4年)が負傷から復帰。左サイドバックにはここまで5試合先発を務めてきた都並(2年)ではなく、G大阪ユース出身の吉川(2年)が入った。前節、サイドで良い動きを見せた中島(2年)もそのまま右サイドハーフで2試合連続の先発。1トップのポジションには3試合連続で原口(1年)が入った。

 
 主将・櫻内がカムバック。磐田に入団が内定している4年生。

 一方の大産大は、前節、関学大を4-1と破って今季初勝利。前線も含め、特に江口(2年)、太田(3年)といった2列目の選手たちが得点を叩き出し、その潜在能力の高さを窺わせた。この試合では、前節交代出場だった初芝橋本高出身の1年生西岡が先発でエース・鍔田(4年)と2トップを組み、連勝を狙った。

 
 大産大・主将の佐道(4年)。
 プログラムの紹介欄には「保安官ジュニア」との愛称が。

 
 注目選手は大産大・MF江口。小柄ながら技術は高い。

 試合は関西大がパスワークで序盤から大産大を圧倒する。開始3分に左サイドからの海田(2年)の折り返しを和田(1年)がシュート。早いうちに先制点が欲しい関西大は一気に大産大ゴールに迫った。8分にはエリア内で原口がポスト役となり、落としたところを海田がシュートを決めて関西大が先制した。

 
 関西大・DF小椋(2年・右)と競り合う大産大・FW西岡(左)。
 チャンスは作った。

 関学大戦でも劇的な逆転弾を決めた海田、この先制点で今季2得点目となったが、その10分後、相手選手との交錯で負傷(どうも顔面を押さえていた様子)。残念ながら安藤(3年)と交代することになる。選手層の厚い関西大、全くこのアクシデントが試合に響くことはなかった。安藤は右MFの中島とポジションチェンジし、サイドから再三大産大守備陣をドリブルで脅かした。
 41分には原口が突破してシュートを放ち、これを相手GKが弾いたところを和田が詰めて関西大が2点目を追加する。和田は今季初得点。1年生選手としては第2節・京園大戦で原口が決めた得点に次ぐ得点となった。

 
 
 
 
 
 
 関西大・和田による2点目の場面。
 1年生コンビで奪った得点。

 前半終了間際には、徐々に関西大からボールを奪えるようになった大産大が攻め込む場面が見られた。39分にはこの日先発出場を掴んだ西岡(1年)がドリブルで突破。寺岡をかわしながら、シュートを放つも関西大GK金谷(2年)がストップ。45分には前節1得点の江口(2年)が巧みなループシュート。これも金谷がかろうじてセーブし、関西大は前半を無失点で乗り切った。

 
 GK金谷の仕事がまだ多いというのが気になるところ…

 後半に入ると、この日のきつい日差しと気温の高さもあって、ややペースは落ちたが、それでも関西大のリズムに変わりはなかった。後半開始からセンターバックを小椋(2年)から藤原(2年)に変更。寺岡とのコンビで高い守備ラインによって大産大の前線への落としどころを積んでいった。初先発の吉川も積極的に攻撃参加。60分には司令塔・岡崎(3年)がミドルシュートを放って大産大を牽制する。

 
 非常に暑いコンディションの中で岡崎はよく動いていた。

 苦しい戦いを強いられる大産大は、西岡に代えて前節1得点の川西(3年)、そして中山(2年)とFWの選手を2人投入して1点を追いかける。70分には、早速その川西のシュートがポストに弾かれ、そのこぼれ球を鍔田がシュートするもバーの上。これ以上ない決定機を逃してしまった。前節はこのリズムを作った川西が先発出場だった。この試合でも先発から起用すれば少し展開は違ったかもしれない。

 
 前節ゴールを決めた大産大・FW鍔田もこの試合では苦しんだ。

 関西大は、原口が2節以来の得点を欲している様子で、貪欲にエリア内で勝負しようとする姿が目立った。81分に岡崎のスルーパスに角度のないところからシュートを狙うが、わずかに右に逸れる。
 84分には、エリア右手前からの岡崎のFKに田中(3年)が頭で合わせる。一度はGKに弾かれるものの、そのボールをクリアしようとした相手DFのクリアボールが寺岡に当たりネットを揺らした。形はどうあれ、この3点目で試合は決し、最後の最後まで攻め立てた関西大が3-0で勝利を収めた。

 
 
 寺岡がダメ押しの3点目を決める。

 
 原口は得点が欲しかったところ。何度も勝負する場面も。

 
 後半終盤には関西大・FW瀬里(4年)が今季初出場。

 関西大は、櫻内が復帰した右サイドが攻守両面で安定。まだ少しヒヤッとする場面は作られながらも開幕戦以来の完封勝利を飾った。次節はこの2年間勝利を挙げられていない立命大(5/8@皇子山)、そして次々節には桃山大(5/14@J-GREEN堺S1)との戦いと、現在上位を争う2校との戦いが続く。どちらもリーグ優勝のためには負けられない。

これが“持っている男”の仕事 -関西大 VS 姫獨大-

2011年05月03日 | 脚で語る大学サッカー
 1日に神戸ユニバー記念競技場で行われた関西学生リーグ。第2試合では、関西大と姫獨大(姫路獨協大)が対戦。先制して試合を優位に進めた姫獨大だったが、関西大はラスト5分間で寺岡(2年)が2得点の奇跡的な活躍を見せて2-1と土壇場で逆転勝利を果たした。

 
 
 試合前には選手たちによって書かれたメッセージが。

 関西大は、2日前に行われた前節・びわこ大戦で無得点の完敗(0-2)。ボールは支配したものの、守備の集中を欠いたところをびわこ大のカウンター攻撃の餌食となった。攻撃陣でも原口(1年)が先発を務めたが、ほとんど仕事をさせてもらえず。連敗は避けたいところ。この試合では前節に出場していなかった寺岡が先発に復帰。主将の櫻内(4年)こそ負傷でメンバー外となったが、代役を前節と同じく内田(1年)が務める。FWの先発は再び原口が務め、中島(2年)が先発で右MFに入った。

 

 対する姫獨大はここまで1勝3敗。第3節で昨季王者の阪南大を破る(2-1)金星を挙げたが、前節・関学大戦は1点差の惜敗(2-3)で惜しくも勝点を得られず。しかし、勝利を果たした阪南大戦を見る限りでもその構成力はなかなかのもの。アルビレックス新潟シンガポールでもプレーをしていたFW河野(4年)を中心にもう一度金星を狙う。

 

 試合は予想通り序盤から関西大がボールを回して支配する。立ち上がりこそなかなかシュートまで持ち込める場面がなかったが、17分にDF小椋(2年)がシュート。19分にはこの試合先発のチャンスを掴んだMF中島が良い攻め上がりを見せて中央へクロス。これをファーサイドでMF海田(2年)がダイレクトボレーでシュートを放つなど、徐々にフィニッシュへの導線が見えてきた。
 対する姫獨大は、29分に河野のシュートが関西大GK金谷(2年)のファンブルを誘う。詰めることはできなかったが、ゴール前には時折ボールを持ち込むことはできていた。しかし、陣容は圧倒的に関西大には及ばない。相手のミスをいかに突くかが姫獨大の必勝ポイントだった。

 
 この試合でも和田(1年)が巧みなボール捌きで試合を演出。

 
 19分、関西大・海田がダイレクトボレーで魅せる。

 
 関西大・岡崎に姫獨大・五百川が激しくアプローチ。

 36分、河野がエリア内までボールを持ち込むと、関西大はDF小椋がチェックにいくも、これをかわして更に河野は突進。カバーに入った内田ともつれてボールがこぼれたところを右から走り込んだ姫獨大・FW廣利(2年)がすかさず押し込んだ。関西大守備陣のミスを逃さず、見事な先制点だった。

 
 
 
 
 
 河野が見事に関西大の守備の連係ミスを引き出した。
 廣利が詰めてきて先制弾をゲット。

 リードを奪われた関西大、なんとか1-1に持ち込んでから前半を終わりたかっただろう。圧倒してボールを回していながら負けることほど無様なことはない。それは“回させられている”だけ。前半終了間際に岡崎(3年)を起点に怒涛の攻撃を見せる。43分には彼のCKから寺岡のヘッド、45分には岡崎、海田と繋いで最後は中島がシュートを放つ。終了間際の最後のプレー、岡崎のCKに田中(3年)が飛び込むがこれも決まらない。どうもスッキリしないまま関西大は前半を終えることになった。

 
 河野が前線でうまく関西大DFを引きつけて二列目のチャンスを増やす。

 
 関西大はGK金谷が前半から好守を連発。

 1点のリードを得て、後半勢いをつけたのは姫獨大だった。関西大の運動量低下を見逃さず、MF伊藤(3年)を中心に関西大のボールを奪って仕掛けた。50分には廣利のFK、52分には五百川の角度のないところからのシュートで関西大ゴールを脅かし続ける。
 関西大は、53分に岡崎が中島の折り返しにしっかり合わせてシュートを放つが、姫獨大・GK佐藤(2年)の好セーブに得点ならず。この流れの悪さを断ち切るために、55分、原口、内田の両1年生を下げて奥田(2年)、安藤(3年)と攻撃的な選手を投入。まずは目指すべき1点を取りに向かった。

 
 姫獨大は前半以上に関西大ボールへのチェックを激しく行う。

 
 関西大は奥田(右)を投入してアクセルを踏み込む。

 姫獨大はボールを繋ごうとする関西大のボールの出どころをしっかりとチェックして奪い続けた。69分には廣利のスルーパスに伊藤が走り込んで決定機を作り出す。74分には廣利の折り返しに武井(2年)、伊藤が立て続けにシュート。しかし、関西大はGK金谷がこれをことごとくセーブ。まさに神がかる金谷のセーブに応えたい関西大であった。

 この流れでいけば、追加点を姫獨大が奪い、前節のびわこ大に喫した敗戦パターンを繰り返すのではとも思えるほど、動きが悪くなる関西大。櫻内は負傷で欠場、この状況でピッチ上のイレブンを叱咤して引っ張っていける選手は誰なのかを再考すべき展開ともいえた。そして、まさにスーパーな選手がいなければ試合をひっくり返すのは不可能に近い雰囲気だった。

 ところが、この局面をひっくり返す「持っている」男は関西大にいた。DF寺岡真弘だ。彼は試合の残り時間が5分を切った86分にゴール前の混戦からハイボールをヘッドで叩き込み、チームを1-1の同点に導いた。チームメイトの祝福を振り払わんかというばかりの咆哮で自陣へ戻る彼の姿は、大学2年生とは思えない逞しさがあった。
 そして、姫獨大の決定機(これは非常に危なかった…)をGK金谷がファインセーブでしのいで次に繋げると、引き分け濃厚かと思われたアディショナルタイム1分、岡崎の左CKをまたしても寺岡が頭で合わせてゴールに沈める。歓喜の寺岡とチームメイトはベンチ前で大団円。3節の関学大戦以上の劇的な逆転勝利で関西大が姫獨大を振り切った。それに要した時間はわずか5分ほどであった。

 
 
 
 寺岡が試合を土壇場で振り出しに戻すこの得点。

 
 関西大・GK金谷は最後の1分までファインセーブを連発。

 
 
 
 
 
 アディショナルタイムにこの逆転弾。寺岡真弘恐るべし。

 試合の内容はさておき、何という勝負強さだろうか。試合の大半は最終ラインの深い位置に身を置き、ビルドアップで後方からゲームを組み立てていた彼が、ここまでゴール前で決定的な仕事を連発してしまうとは思わなかった。ヴィッセル神戸U-18出身の2年生。昨季は1年生ながら、U-19日本代表、全日本大学選抜として各方面で活躍。国際大会での活躍も称えられ、関西学生サッカー特別賞を受賞した日本サッカー界のホープDF。2年生とは思えない出来上がった体躯的な強さと空中戦の強さは折り紙つき。確実に将来は日本代表に名を連ねる選手だと確信している。おそらく近いうちにどこか近隣のJクラブで特別指定選手にということもありそうだ。
 そんな寺岡擁する関西大だが、この試合を振り返ると内容は決して褒められたものではない。どうも繋ぎすぎる嫌いがあり、ボックス内で展開に詰まる場面が多々見られる。シンプルにいきたいところだが、なかなかそうはいかない。まるでどこかの青黒いJクラブの試合のようだ。岡崎、田中と関西屈指のセントラルMFがいるのだから、決定力に長けた前線の軸が定まれば一層攻撃力が増すと思うのだが、昨季のエース・金園(磐田へ入団)の穴埋めはもう少しかかるようだ。まだ、2年が主体のチーム。連携が図れて真価を発揮できるのは夏以降になりそうだ。
 一方の姫獨大は善戦した。1点差で負けた前節や今節の試合が示すように、まだまだ試合巧者というには及ばないようだ。しかし、河野、廣利、そして中盤の伊藤など攻撃面でまた見たくなる選手は多い。次節の同大戦は今季2勝目を狙いたい。

ミラクルOSU、今季初白星 -関学大 VS 大産大-

2011年05月02日 | 脚で語る大学サッカー
 関西学生リーグは先月29日の前期第4節からわずか中1日で第5節が開催。神戸ユニバー記念競技場では2試合が行われ、第1試合では、ここまで2勝2敗の関学大と開幕から未勝利4連敗中の大産大が対戦。試合は1-4と予想外のスコアで大産大が勝利。派手に今季の初勝利を飾った。

 

 前節、姫獨大に3-2と僅差で勝利を収め、連勝を狙う関学大は、関関戦の際にはベンチスタートだった昨季の優秀選手・梶川(4年)が先発に前節から戻っていた。前線に三ノ宮(3年)を置き、司令塔・阿部(4年)がその後ろからドリブルを仕掛けて形を作る強力な攻撃陣。前節は梶川が1得点1アシスト、阿部も1得点で調子は上向きのようだ。

 

 一方の大産大は、前節、阪南大に0-3と敗戦。今季初勝利の先を越されてしまった。なかなか自分たちのペースに持ち込めず苦しい戦いが続く彼らにとって、今節の関学大、次節の関西大とまさに踏ん張りどころともいえる日程が続く。毎試合何度か好セーブを披露するGK神園(3年)の奮闘に前線も応えたいところ。

 

 試合は小雨がぱらつく中キックオフ。前半から相手陣内へ果敢に攻め込んだのは関学大だった。5分には早速、エース・阿部がシュート。ドリブルで相手守備陣を切り裂く彼を中心に関学大の攻撃のバリエーションが光る。8分には右サイドバック高松(4年)の豪快なサイドチェンジから関(2年)がダイレクトでパスを送ると、走り込んできた桑野(4年)が中央へクロスを送る。決定機にこそ繋がらなかったが、サイドチェンジを織り交ぜた関学大の縦に攻撃は早い時間帯での先制点が生まれることを予想させた。
 ところが意外なことに先制したのは劣勢の大産大。25分にMF江口(2年)がエリア手前でパスを送ると、これがFW鍔田(4年)に通り、鍔田はすかさずシュートを決める。押し込まれていた大産大は、ここまでまだシュートも2本ぐらいだったはず。この思いがけないリードをいかに守っていくか、試合を見守る者は誰もがそう思っただろう。それは実に杞憂だった。

 
 
 
 
 先制点は意外にも大産大。エース・鍔田が決めた。

 手元の記録だけでも10本は放たれた関学大のシュート攻勢を大産大は非常に集中して良く守った。19分には関学大が阿部、梶川、三ノ宮と素早く繋いだボールに最後は中村(4年)がシュートするが、これを大産大GK神園がナイスセーブ。直後にも関学大・高松のアーリークロスを中村は頭で落としたところに阿部が合わせたが、これを大産大はDF佐道(4年)がブロックしてゴールを許さなかった。32分にも関学大・中村にDF満生(2年)、神園が抜かれて大ピンチを招くが、これを満生が決死の戻りでシュートをブロック。34分にも神園がナイスセーブを見せるなど、決定力の欠如にも助けられ、前半だけで幾多もの関学大のチャンスを大産大は潰していったのである。

 
 関学大・中村が突破した場面。最後は満生がブロック。

 
 激しい守備でチームを引っ張る主将・佐道
 彼の存在は大産大には欠かせない。
 
 後半に入ると、関学大の運動量が落ち、大産大のボールポゼッションが高まる。スピードあるドリブルでリズムを作る塩川(2年)、捌き役の江口が次第に関学大からボールを奪い出す。後半の早い時間に追加点は生まれた。54分に江口のFKが関学大DFの裏にこぼれたところをすかさず川西(3年)が決めて2点目。加えて、大産大はその直後に江口がエリア左付近から強烈なシュートを決めて一気にリードを3点に広げてしまう。沸き上がるスタンドの応援者。しかし、前半あれだけ押し込まれただけに、果たしてまだこの3点のリードを守れるのかという不安は過った。

 
 
 川西が大産大の2得点目を決める。

 
 その直後には江口のシュートが決まり一気に3-0に。

 関学大は、61分に阿部が強烈なFKをお見舞いするも、これもGK神園がセーブ。64分に平山(3年)、浦島(4年)を途中投入して前半の勢いを取り戻そうとする。しかし、流れは完全に大産大。66分に江口が強烈なシュートがバーに嫌われ、もう1点は時間の問題というように感じさせる。71分には関学大陣内ペナルティエリア内でクリアしたボールを太田(3年)が拾うと、そのままドリブルで突進。右足を振り抜いて4点目となるシュートを叩き込んだ。前節、無得点のチームとは思えない生き生きとした攻撃を見せた。

 
 太田がボールを運ぶ。大産大は後半覚醒した。

 
 
 大産大ダメ押しの4点目、太田がシュートをズドンと1発。

 終了間際に関学大の三ノ宮に1点を返されるが、シュートの雨あられを受けながら失点はその1失点のみ。大産大は今季初勝利を関学大から4得点奪うという内容でアップセットを演じた。

 大産大は、まず非常に守備が集中していた。主将の佐道をはじめ、非常に球際で粘り強くボールホルダーにプレッシャーをかけた。それでも突破を許した場面はあったが、ここでも神園が好セーブを重ねることで関学大のシュートを凌ぎ切る。得点が奪えず、焦って前がかりになる関学大の前線と守備陣の間のスペースで江口や太田、塩川らがボールを拾う機会が増え、鍔田に集中するマークの隙間を突けたことも大きかった。
 対する関学大は2勝3敗と負け越し。あれだけシュートを打っておきながら1得点という内容はお粗末すぎた。前半こそ序盤から左右に揺さぶりをかけて相手を圧倒するサッカーを見せたが、後半はシュートを放ち続けた阿部が孤軍奮闘するのみ。「上がれ!上がれ!」と加茂総監督もスタンドで声を荒げる光景も見られ、前半の連動性が思った以上に影を潜めた後半だった。

 5試合目にして今季初勝利を掴んだ大産大。次節の相手は関西大だ。もちろん関西屈指の陣容を備えるチーム。この試合もまずは守備で凌ぎ切らないことには自分たちのチャンスはなかなか掴めないだろう。しかし、この試合4得点の攻撃陣に明らかに光明は差している。

阪南大、今季初勝利 -阪南大 VS 大産大-

2011年04月30日 | 脚で語る大学サッカー
 高槻市立スポーツセンター陸上競技場で行われた関西学生リーグ前期第4節の第2試合では、今季未だ勝利に見放されている阪南大と大産大が対戦。ここまで1分2敗と苦戦を強いられていた阪南大がカウンターにセットプレーに攻守で圧倒。大産大を3-0で下して今季初勝利を挙げた。

 

 主将の井上を負傷で欠いたことも影響してか、ここまでのリーグ戦で全く調子の上がらない前年王者・阪南大。前節は1部昇格組の姫獨大に1-2と敗戦。昨年度はわずか3敗だったことも考えれば、もうこれ以上の敗戦はリーグ優勝に大いに影響してくるだろう。前節の後半から入って良い動きを見せた成田(1年)、河田(1年)、奥野(3年)を先発で起用し、チームに変化をもたらす布陣でこの試合に挑んできた。
 一方の大産大はここまで3連敗。前期日程の前半は格上チームばかりとの戦いが強いられる。何としてでも初勝利をここで達成したいところ。J2水戸でもプレー経験のあるDF満生(2年)やFW中山(2年)を先発に起用して打開を図る一戦となった。

 先手を取ったのは阪南大。10分に右サイドの飯尾(3年)のクロスを奥野がヘッドで決めて先制点を生み出す。先発起用に応える一発は、先週の姫獨大戦で交代出場後に見せた鋭いヘディングシュートを思い出させてくれた。その後も河田が惜しいシュートを連発するなど、阪南大が決定機を作っていく。

 
 
 
 
 飯尾の折り返しに奥野がダイビングヘッドを決めて、阪南大が先制。

 序盤こそ大産大もある程度ボールを動かせる状況だったが、次第に阪南大がポゼッションで大産大を凌駕。前半終了間際にはドリブル突破を試みた成田がエリア内で倒され得たPKを今村(4年)が蹴るが、これは大産大・GK神園(3年)が見事にセーブ。神園はその直前にも1対1で見事なセーブを見せており、この守護神の奮闘に応えたい大産大はMF塩川(2年)のドリブルが頼みの綱。時折見せる彼の俊足がかろうじて相手エリアまでボールを運ぶきっかけとなるが、エース鍔田(4年)に良い形でボールが収まらずフィニッシュまで漕ぎ着けられなかった。

 
 大産大は塩川のドリブルで好機を見出す。

 
 
 前半終了間際には神園がPKをストップ。

 阪南大が1点のリードを守って臨んだ後半。前半の接触プレーで負傷したGK土師(3年)に代えて原田(2年)を投入した阪南大の落ち着く間もなく、大産大がいきなりの猛攻。塩川が一気にドリブル突破して阪南大守備陣を切り裂きシュート。わずかにポストに当たってこれは外れるが、キックオフ直後のこのプレーで阪南大もヒヤッとしたことだろう。だが、逆にこれが彼らには緊張感を落とさず後半も戦うきっかけとなったのだろう。現にベンチからは2~3人の監督・コーチ陣から怒号に近い激しいコーチングの声が飛んでいた。

 
 力強いプレーが印象に残った大産大・DF佐道(4年)。

 前年王者にとってこの試合は絶対に落とせなかった。55分には今村が強烈なシュートで大産大ゴールを脅かすと、66分には右サイド、相手エリア手前サイドライン付近からの成田のFKを今村が頭で合わせて追加点を挙げる。PKの失敗を取り返す今村のこの1点で阪南大は更にリズムに乗った。

 
 
 成田のFKから今村のヘッドが決まる。

 
 得点に絡む働きで1得点の活躍、阪南大・今村。

 68分には奥野のパスを受けた技巧派・村山(4年)が惜しいシュート、その直後にも村山のパスから最後は飯尾が大産大ゴールを肉薄するなど完全にペースは阪南大。特に前半からほとんどのチャンスに絡んでいる成田の活躍が目立った。86分には、この日何度も見せたドリブルでのカウンターで途中出場・可児(2年)のゴールをアシスト。初先発フル出場で見事にチームの勝利に貢献した。

 
 ガンガン仕掛けていく成田。
 清水ユース出身の1年生、今後の活躍が楽しみ。

 
 阪南大は守りでも固くゴールを封じた。

 試合は3-0で終了。阪南大は4試合目にしてようやくの初勝利。成田、奥野などが顔を揃えた先発メンバーの刷新で勢いが出た印象だ。このまま前年の勢いを取り戻せるか注目したいところ。
 一方の大産大は、80分に途中出場の安(4年)が決定的なシュートを外すなど、無得点で終わるのが何とも惜しいというほど決定機を逃す場面が見られた。特に最後尾ではGK神園が好守を連発していただけに惜しまれるところ。後半途中から川西(3年)を入れて、少し試合を組み立てられるかという流れもあったが、阪南大の地力に負けてしまい、これで4連敗となった。