後期日程が始まった関西リーグ。第8節の2日目、Div1は今季から昇格した4位・アミティエSCが昨季のリーグ王者で6位と低迷する三洋電機洲本と対戦。太陽が丘運動公園陸上競技場で行われた試合は、終始アミティエが圧倒する展開で4-0と勝利した。三洋洲本はこれでリーグワースト2位の13失点。2勝2分5敗で、勝点はわずかに8ポイント。対して勝利したアミティエは勝点を11ポイントとし、同勝点で並ぶアイン食品を得失点差で抜いて3位に浮上した。
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天候は前日に比べると、雲が多く、日差しはきつくない。風が十分に吹いていて暑いがまだマシなものだった。メインスタンドにはアミティエの応援に駆けつけた関係者が予想以上に多くいて、チームの勢いを感じさせる。それよりも本当に今季の三洋洲本の不調ぶりは我が目を疑うばかり。2年前のKSLを10勝1分3敗で、そして昨季を10勝2分2敗で連覇を果たしてきたチームが、今季は未だ2勝という状況。前節のアイン戦(2-1)でようやくその2勝目を挙げたばかりで、この試合を観ると改めてそのチームの変貌ぶりに驚いた。昨季はこのブログにもバンバン登場してJFL入替戦まで挑戦した関西王者が見る影もない。
アミティエは3トップの陣形で前線で黒木、守屋、下中がトリオを組む。昨季のDiv2の得点王でもあり、アシスト王でもある守屋が広いエリアを動いてリズムを作り、中盤の1列背後から篠原がパスを中心に試合を組み立てる。チームの絶対的エースは下中で、今季チーム総得点10点のうち6得点を下中が取っている。もちろん彼らの攻撃力は昨季のKSLカップ(0-3)、そして今季の対戦(3-2)と奈良クラブも痛いほど思い知らされているわけで、おそらく後期、奈良と加古川の2強をしつこく追走することすればこのチームなのは間違いなさそうだ。
対する三洋洲本は、先発に2季連続MVPの成瀬、そして2季連続得点王の梅川、2季連続地域決勝に進出したチームを最後尾で引っ張った頼れる守護神・浅野が総じてベンチ。代わってゴールを守るのは松浦、中盤は村上、沈に中尾、稲垣で構成されており、前線でコンビを組むのは廣瀬と徳井だった。
試合は、前半からアミティエが攻勢に出る。16分にゴール前で黒木が振り向きざまに惜しいシュートで三洋洲本ゴールを脅かすと、18分に篠原がペナルティエリア右手30度ほどの角度からシュートを決めて先制点をゲット。27分には、篠原のドリブル突破からパスを受けた下中がシュートで決定機を作る。劣勢を強いられ、中盤でボールロストの多い三洋洲本はマイボールで相手エリアまでなかなかボールを持っていけず、何度かセットプレーでチャンスを掴むがモノにはできない。決定機を作り続けたアミティエは、31分には守屋がわずかにゴール左に逸れるシュート放つと、前半終了間際にはカウンターからフリーでGKと1対1の場面を作った下中が追加点となるシュートを決めて2-0で前半を折り返した。
スコアこそ2-0だが、決定機の数でいえばもっと大差がついてもおかしくない試合展開。相手にボールをいいように奪われる三洋洲本には覇気が感じられなかった。
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16分、アミティエ・黒木のシュートはサイドネット。
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先制点の場面。篠原がしっかりゴールを射抜いた。
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31分にはアミティエ・守屋がこのシュート。
三洋洲本は肝を冷やす。
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前半終了間際に下中が今季7得点目となるチーム2点目。
ハーフタイム、三洋洲本ベンチのテントでは入念なミーティングが行われていたが、後半が始まると、アミティエが前半以上に立ち上がりから猛攻。46分に相手のDFラインの裏に抜け出た下中がGKと1対1に。ここは三洋洲本・GK松浦がシュートをブロックして難を逃れるが、48分にはアミティエ・長島がゴールマウスめがけてシュート。これもGK松浦がかろうじてセーブするなど、追加点は時間の問題に思えた。
すると、51分にゴール前のルーズボールを右からヘッドで折り返したところを下中がこの日2点目となるヘディングシュートを決めると、その1分後には篠原のアーリークロスに後半から出場の山本が頭で合わせて立て続けに4点目を奪った。三洋洲本の集中力が整う前に一気に加点したアミティエ。完全に勝負は決まってしまった。
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アミティエゴール前まで攻め込むが決め手に欠ける三洋洲本。
その後両チーム共に得点が生まれる機会はなかったが、三洋洲本は途中交代で梅川を出場させるものの、75分に友定の右クロスにぴったりのタイミングで沈がヘッドで合わせるがわずかにゴールならずという場面以外ほとんど良い形が作れなかった。「成す術なし」といった感じで勝敗は分かれてしまった。
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三洋洲本は梅川(左)を投入する。
しかし、ややペースこそ握るものの得点にまでは至らない。
誰もが優勝候補と考えていたであろう三洋洲本。これで2勝2分4敗と2季連続のリーグ王者がまさに失墜のシーズンともいえる現状だ。得点はリーグワースト2位の7得点で、失点も最下位・阪南大クラブに次ぐワースト2位の13失点。2009年度、2010年度の戦績を見ればかなり異常事態ともいえる。チームの新陳代謝を意識してなのか、それともケガなのか、昨季までの主力選手がベンチだったり、欠場していたりと揃っていないことが原因。先週末にはTOJITSU滋賀FCとの全社関西予選に臨むための順位決定戦にも敗れた。チームの刷新にしろ、今季は非常に厳しい戦いを強いられそうだ。
奈良クラブが次節対戦するアミティエは、確実に勢いがある。全体的に学生チームと呼んでも遜色ないほどに若く、良く走る。チーム練習は奈良クラブと同じく午前中が基本で、この夏場にも強そう。前期には加古川にも勝っており、後期は奈良、加古川の2強を追走してくるだろう。特に前期の対戦時に得点を決められているFW下中は体幹が強くフィジカルにも長けた要注意選手で、今後も得点王レースをリードしていきそうな気配。思えば、このアミティエ戦は前期も苦戦しており、日野のPKストップなどの活躍が無ければ相当危なかった。前線の3枚はおろか、中盤の篠原までしっかり捕まえないと危うい。勝機は後半の運動量がキーになりそう。試合巧者としての差も見せておきたいところだ。
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非常にエネルギッシュなこのチームをどう攻略する?
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天候は前日に比べると、雲が多く、日差しはきつくない。風が十分に吹いていて暑いがまだマシなものだった。メインスタンドにはアミティエの応援に駆けつけた関係者が予想以上に多くいて、チームの勢いを感じさせる。それよりも本当に今季の三洋洲本の不調ぶりは我が目を疑うばかり。2年前のKSLを10勝1分3敗で、そして昨季を10勝2分2敗で連覇を果たしてきたチームが、今季は未だ2勝という状況。前節のアイン戦(2-1)でようやくその2勝目を挙げたばかりで、この試合を観ると改めてそのチームの変貌ぶりに驚いた。昨季はこのブログにもバンバン登場してJFL入替戦まで挑戦した関西王者が見る影もない。
アミティエは3トップの陣形で前線で黒木、守屋、下中がトリオを組む。昨季のDiv2の得点王でもあり、アシスト王でもある守屋が広いエリアを動いてリズムを作り、中盤の1列背後から篠原がパスを中心に試合を組み立てる。チームの絶対的エースは下中で、今季チーム総得点10点のうち6得点を下中が取っている。もちろん彼らの攻撃力は昨季のKSLカップ(0-3)、そして今季の対戦(3-2)と奈良クラブも痛いほど思い知らされているわけで、おそらく後期、奈良と加古川の2強をしつこく追走することすればこのチームなのは間違いなさそうだ。
対する三洋洲本は、先発に2季連続MVPの成瀬、そして2季連続得点王の梅川、2季連続地域決勝に進出したチームを最後尾で引っ張った頼れる守護神・浅野が総じてベンチ。代わってゴールを守るのは松浦、中盤は村上、沈に中尾、稲垣で構成されており、前線でコンビを組むのは廣瀬と徳井だった。
試合は、前半からアミティエが攻勢に出る。16分にゴール前で黒木が振り向きざまに惜しいシュートで三洋洲本ゴールを脅かすと、18分に篠原がペナルティエリア右手30度ほどの角度からシュートを決めて先制点をゲット。27分には、篠原のドリブル突破からパスを受けた下中がシュートで決定機を作る。劣勢を強いられ、中盤でボールロストの多い三洋洲本はマイボールで相手エリアまでなかなかボールを持っていけず、何度かセットプレーでチャンスを掴むがモノにはできない。決定機を作り続けたアミティエは、31分には守屋がわずかにゴール左に逸れるシュート放つと、前半終了間際にはカウンターからフリーでGKと1対1の場面を作った下中が追加点となるシュートを決めて2-0で前半を折り返した。
スコアこそ2-0だが、決定機の数でいえばもっと大差がついてもおかしくない試合展開。相手にボールをいいように奪われる三洋洲本には覇気が感じられなかった。
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16分、アミティエ・黒木のシュートはサイドネット。
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先制点の場面。篠原がしっかりゴールを射抜いた。
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31分にはアミティエ・守屋がこのシュート。
三洋洲本は肝を冷やす。
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前半終了間際に下中が今季7得点目となるチーム2点目。
ハーフタイム、三洋洲本ベンチのテントでは入念なミーティングが行われていたが、後半が始まると、アミティエが前半以上に立ち上がりから猛攻。46分に相手のDFラインの裏に抜け出た下中がGKと1対1に。ここは三洋洲本・GK松浦がシュートをブロックして難を逃れるが、48分にはアミティエ・長島がゴールマウスめがけてシュート。これもGK松浦がかろうじてセーブするなど、追加点は時間の問題に思えた。
すると、51分にゴール前のルーズボールを右からヘッドで折り返したところを下中がこの日2点目となるヘディングシュートを決めると、その1分後には篠原のアーリークロスに後半から出場の山本が頭で合わせて立て続けに4点目を奪った。三洋洲本の集中力が整う前に一気に加点したアミティエ。完全に勝負は決まってしまった。
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アミティエゴール前まで攻め込むが決め手に欠ける三洋洲本。
その後両チーム共に得点が生まれる機会はなかったが、三洋洲本は途中交代で梅川を出場させるものの、75分に友定の右クロスにぴったりのタイミングで沈がヘッドで合わせるがわずかにゴールならずという場面以外ほとんど良い形が作れなかった。「成す術なし」といった感じで勝敗は分かれてしまった。
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三洋洲本は梅川(左)を投入する。
しかし、ややペースこそ握るものの得点にまでは至らない。
誰もが優勝候補と考えていたであろう三洋洲本。これで2勝2分4敗と2季連続のリーグ王者がまさに失墜のシーズンともいえる現状だ。得点はリーグワースト2位の7得点で、失点も最下位・阪南大クラブに次ぐワースト2位の13失点。2009年度、2010年度の戦績を見ればかなり異常事態ともいえる。チームの新陳代謝を意識してなのか、それともケガなのか、昨季までの主力選手がベンチだったり、欠場していたりと揃っていないことが原因。先週末にはTOJITSU滋賀FCとの全社関西予選に臨むための順位決定戦にも敗れた。チームの刷新にしろ、今季は非常に厳しい戦いを強いられそうだ。
奈良クラブが次節対戦するアミティエは、確実に勢いがある。全体的に学生チームと呼んでも遜色ないほどに若く、良く走る。チーム練習は奈良クラブと同じく午前中が基本で、この夏場にも強そう。前期には加古川にも勝っており、後期は奈良、加古川の2強を追走してくるだろう。特に前期の対戦時に得点を決められているFW下中は体幹が強くフィジカルにも長けた要注意選手で、今後も得点王レースをリードしていきそうな気配。思えば、このアミティエ戦は前期も苦戦しており、日野のPKストップなどの活躍が無ければ相当危なかった。前線の3枚はおろか、中盤の篠原までしっかり捕まえないと危うい。勝機は後半の運動量がキーになりそう。試合巧者としての差も見せておきたいところだ。
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非常にエネルギッシュなこのチームをどう攻略する?