脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

天皇杯出場決定 -奈良県選手権 VS奈良産大-

2009年08月30日 | 脚で語る奈良クラブ
 天皇杯初出場を目指し、奈良県予選の決勝を戦った奈良クラブ。昨年度の奈良県代表である強豪・奈良産業大を1-0で破り、見事天皇杯本大会出場を決定させた。

 
 本大会1回戦を戦うのもこの橿原公苑陸上競技場。
 ここは奈良県代表の座をモノにしたい。

 
 入場アンセムにフェアプレイフラッグ、エスコートキッズまで。
 日頃と違った雰囲気に緊張感が漂う。

 
 太陽が照りつけ、気温がグンと上がった厳しいコンディション。
 天理大戦に続き、いかに走り負けないかが勝負のカギだ。

 
 ここ数試合不動の2トップは石田と檜山。
 少し下がった位置から石田がチャンスメイクに努める。

 
 0-0で迎えた47分、試合を動かすミドルシュートを決めた中村。
 70分にもミドルシュートが1本クロスバーに嫌われる。
 落ち着きのあるプレーは一瞬の隙を逃さない。

 
 相手陣内に攻め込む畑中。
 彼の突破とクロスは奈良産大守備陣を疲弊させた。

 
 1-0でリードのまま奈良産大の粘り強い守備をその後は崩せず。
 守備ではGK松石が3度に渡るビッグセーブでチームを盛り上げた。

 
 厳しい試合を制し見事に奈良県代表の座を掴んだ奈良クラブ。
 スタンドには多くの観客が詰めかけた。

 
 来季の関西リーグDiv1昇格に続く大きな結果。
 チームを切り盛りする矢部にも安堵の表情が。

 
 奈良県選手権優勝カップを受け取る副主将の橋垣戸。
 既に本大会に向けて気合いは十分。

 
 山口監督が宙に舞う。
 前身の都南クラブ創設時からチームを支える大黒柱。

 奈良クラブがわずかに試合のペースを握りながら、相手の高いラインに崩せる場面が少なく厳しい試合となった。試合を決めたのは中村のミドルシュートと松石のファインセーブ。決して終始圧倒できた訳ではないが、チームの総合力で手中にした勝利。初出場となる天皇杯の舞台が楽しみだ。
 その天皇杯の1回戦は、橿原で福井県代表のサウルコス福井(北信越1部)とマッチアップが決定。来季から関西1部を戦う奈良クラブにとってこれ以上ない対戦相手。関西リーグと北信越リーグのレベルの差を指し示す戦いにもなりそうだ。勝利チームは10月11日に福井でJ1の新潟と相まみえることになる。

 奈良クラブにとっては、昨年の全社以来の全国の舞台。非常に楽しみな天皇杯になりそうだ。

チョジェジンの笑顔

2009年08月29日 | 脚で語るガンバ大阪
 24節を迎えたJ1も残り試合が全日程の3分の1を切った。6位に踏みとどまるG大阪は優勝は絶望的というものの、来季ACLの出場権は十分に狙える位置にいる。前節は金沢で名古屋を相手に非常に残念な終わり方を見せてしまったが、この日は敵地・エコパで磐田を相手に3-1と快勝し、先週の悪夢を払拭した。

 相手より一歩早いアプローチ、連動した守備が効いたことで、効果的に得点を重ねることができたG大阪。前半こそスローペースだったものの、37分に山口の今季初得点で先制する。昨季は何度も見た遠藤→山口の頭というホットライン。今季はレアンドロのゴール量産の陰にも隠れ、このパターンはリーグでは初めてとなる。前半のうちに先制できたのは結果的に良かった。

 山崎の3点目も抜け目ないゴールだったが、非常に印象に残っているのはやはりチョジェジンの得点シーン。48分、中澤のクリアボールが相手の目測ミスによりルーカスへ。ゴールへ向かってドリブルするルーカスは自らシュートを狙えたが、コントロールを誤ったたためファーサイドにボールを送る。ここにフリーで走り込んだチョジェジンが合わせて難なくゴールを奪った。ゴール自体はFWとしてもそれほど難易度の高いものではない。しかし、その後にアシスト役のルーカスと抱擁を交わすチョジェジンの笑顔がこのゴールよりも強烈に脳裏に焼き付いた。

 今季はここまで8得点と上々の結果を出しているチョジェジンだが、ここ数試合は先発起用は非常に少なかった。リーグ戦では6月28日の15節・横浜FM戦以来9試合ぶり。公式戦で計算してもナビスコ杯の準々決勝横浜FM戦1stleg(7/15)以来約1ヶ月強先発起用がなかった。今回レアンドロの突然の移籍で先発での出番が回ってきた訳だが、しっかり結果を残せたことと、チームの勝利を近づける貴重な2点目だったということもあるだろう。日頃のクールな彼の表情からはなかなかお目にかかれない満面の笑みだった。

 やはりFWはゴールを取ってこそその仕事の価値を見出せる存在。リーグ戦では7試合ぶりの得点、加えれば彼のゴールが勝利に結びついたのは11節の柏戦(5/10)以来ということもあって、ゴール後のチョジェジンの笑顔は彼の内心を代弁しているだろうと考えて間違いない。
 そういえば、前節の金沢ではルーカスのゴールをお膳立てしたにも関わらず、駆け寄るレアンドロの表情は何とも言い難いシリアスな表情だった。既に心中ではカタール行きを決めていたのだろう。そう思えばあの表情は想像に難くない。テレビを通した放送だからこそ伝わる微細な表情。そこから伝わるメッセージは時にドキッとするものだったりする。

 有望な選手が引き抜かれるのは世界的に見てもサッカー界の常だが、先日のレアンドロ移籍及びペドロ・ジュニオール獲得の一件で、こんなことが頭を過ぎった。単年契約が大半の外国籍選手が多い中で、実はチームに愛着を持ってくれる外国籍選手は本当のところ少ないのかもしれない。バイアスのかかった見方だが、今日のチョジェジンの笑顔はしばしそれを忘れさせてくれた気がする。ベンチやサテライトに甘んじる選手ではない。今季の残り試合でもっと多くの笑顔を見せて欲しいものだ。

2009秋冬サッカーギア酔夢譚 -その他メーカー-

2009年08月28日 | 脚で語るサッカーギア
 今週はいろいろなトピックスがあったサッカー界。何よりも衝撃が大きかったのはG大阪・レアンドロの移籍、そして新潟からペドロ・ジュニオールの獲得という一連の流れ。如実にビジネスとしての側面を物語るプロサッカー界の出来事だった。では数日前のエントリーの続きとして、中東へ行ったレアンドロも愛したPUMAの最新ラインアップからチェック。

 
 不朽の名作、パラメヒコのニューカラー。
 秋冬カラーは白地にムードインディゴのライン。
 ダイレクトインジェクションソールが伝統を感じさせる。

 
 同カラーでパラメヒコGCIも同時リリース。
 GCIソールがラインと同じカラーになっている。

 やはり定番のパラメヒコはいつ見ても飽きないデザイン。昨今では白地のアッパーが完全に定着してしまったが、やはり黒×白のスタンダードカラーが最も品格を感じさせる。発売は1985年。既に25年目に突入したこのモデルも来年あたりに記念モデルが出そうな予感がする。

 
 こちらも硬派なデルムンドGCIの秋冬カラー。
 ゴールドのラインとソールを纏い堂々の出で立ち。

 
 デルムンドのHGバージョンはグリーンが新色で登場。
 25本のスタッドが人工芝でのプレーをも可能にする。

 
 「キング」シリーズの系譜を受け継ぐ「リーガXLJ」。
 アッパーのステッチが非常に少ないのが最近の特徴。
 程良いクラシック感を味わいたいのならこれ。

 クラシックな基本コンセプトを大事にするPUMAは、見慣れたデザインを徐々にイノベーションしていくのが巧い。質実剛健とはPUMAのためにある言葉かもしれない。

 
 ミズノはネオグラードウェーブ4を投入。
 ウェーブシリーズが看板となったミズノ。質で勝負だ。

 おそらく日本人に適したワイドラストの採用だけならず、デザインだけでない造り込みの妙などを考えれば、ミズノのサッカーギアは非常に値打ちがある。また、多くの廉価版を揃えているあたりも強い。さすが日本屈指のスポーツメーカーだ。

 
 英国からの刺客・UMBROのニューモデル「スペシアーリHG」。
 先に出た「ENG HG」の量販モデル。
 原点回帰に努めたデザインでUMBROの名作がここに復活。

 ここ数年、デザインで迷走していた感があったUMBRO。ハイテク路線を貫いていたが、ここに来て旗艦モデルでもある往年の名作「スペシアーリ」をブラッシュアップさせた。ハイテク路線ではadidasとNIKEの天下だけに、今後も独自路線でこういった原点回帰の試みが様々なメーカーから見られるのではないだろうか。

2009秋冬サッカーギア酔夢譚 -adidas & NIKE-

2009年08月25日 | 脚で語るサッカーギア
 Jリーグも中盤戦が過熱し、欧州では各国リーグが幕を開ける中、やはりついつい気になってしまうのがその選手たちの足下。徐々に各メーカーが秋冬モデルを投入している今日このごろ。選手たちの足下を華麗に彩るサッカーギアの最新作をadidasとNIKEからかいつまんでチェック。

 

 まずはadidas。注目は中村俊輔やメッシなどの着用モデルである「F50 i TUNIT」。マイクロファイバーをアッパーに使用する最新テクノロジーを余すところなく投入したモデルで、ピッチコンディションによってHG、FG、SGと付属スタッドを取り替えることができる。

 
 シンプルイズベストとも言うべき最先端デザインの極致。
 コンサバな方には好みが分かれるところだろう。

 
 付属のスタッドを使いこなすのはかなりのレベルでないと至難。
 スタッドが付いていなければスニーカーのようだ。

 
 シアン、ブラックに続いて後発でホワイトカラーも登場。
 個人的にはこのカラーが最もしっくりくる。

 
 お馴染みの「アディピュア2」シリーズもレッドが登場。
 カカ、内田をはじめ、先日からは宇佐美も愛用している。
 このモデル、今季のチャンピオンズカラー。

 
 秋冬カラーは原点回帰のブラック×シルバー×レッド。
 「プレデターパワースワーブ TRX」はブラックベースが渋い。

 
 2009コンフェデレーションズカップモデルもある。
 なかなか個性的なデザインだ。

 
 「プレデターパワースワーブ TRX DB」。
 DBとはベッカムモデルということ。流石です。

 

 adidasと人気を世界でも二分するNIKE。「マーキュリアルヴェイパー」シリーズはあっという間に数々の一流プレイヤーの足下に。こちらは「マーキュリアルヴェイパースーパーフライ」の最新カラー。C・ロナウドが着用しているが、R・マドリーの白いセットアップには非常に映える。

 
 黒のアッパーに蛍光色のスウッシュが目立つ。
 「マーキュリアルヴェイパー5」も同系列のデザインが渋い。
 カラースパイクが増える中で、黒は逆に目立つのだ。

 
 「エアレジェンド」シリーズは3代目に突入。
 クラシック好きには堪らない伝統のティエンポシリーズ。
 やはり黒ベースのアッパーと蛍光色の配色が良い。

 
 アナザーカラーは白ベース。
 蛍光レッドのスウッシュラインが斬新だ。

 世界屈指のサッカーギアブランドとして激しい競争を続けるadidasとNIKE。共に最先端のテクノロジーを投入するとともに、広告塔の影響も絶大である。カカや中村俊輔など屈指の司令塔が“顔”を務めるadidasは実用面でテクノロジーのイノベーションに余念がない。また、アディピュアシリーズのようなクラッシックテイストのラインアップもきっちりとリリースしており、その幅広さは抜け目がない。

 C・ロナウドを筆頭にF・トーレスやルーニーがメインで“顔”を務めるNIKEのプロダクツは非常にソリッドで攻撃的なイメージが強い。いつの間にか保守的なティエンポシリーズを鋭利で最先端なデザインのマーキュリアルシリーズが凌駕している印象だ。最近のプロダクツでは蛍光色を多用している配色が目立つ。

 もはや、両ブランドともにニューモデルのリリースの応酬で、早々にその年のモデルが格安セールのワゴンに並んでしまうことも近年では珍しくない。最新モデルを定価で買うことはほとんどないはずだ。
 ラインアップが底なしに増え続けるサッカーギア隆盛のこの時代、「パラメヒコ」(PUMA)や「コパムンディアル」(adidas)のような長きに渡って愛される不朽の名作は今やなかなか生まれにくくなったのではないだろうか。

晩夏、振るわぬG大阪 -SL VS徳島-

2009年08月24日 | 脚で語るガンバ大阪
 上位進出をかけて臨んだ金沢での名古屋戦、まさかのロスタイム被弾で2-3と悔しい敗戦を喫したG大阪。敗戦自体は久々だったが、2-0と試合をリードしながらの逆転負けという事実と、上位をうかがうための意味合いを考えれば少なからずショックは大きい。レアンドロの移籍も取り沙汰される中、チームが転換期に差し掛かっていることは今さら言うまでもない。

 そんな中、ここまで1勝も挙げられていないサテライトリーグ第4節徳島戦が練習場で行われた。試合は3-3のドローという結果だったが、J2徳島サテライトに途中まで0-2と試合をリードされる展開。後半から出場の平井がPKを含む2得点、そして終了間際のラストワンプレーで寺田が同点となるシュートを決めて辛くも追いつくという厳しい内容だった。

 
 暑さが和らぎ、涼しい風が吹き込む絶好のコンディション。
 しかし、前半から“がむしゃらさ”を見せたのは徳島。

 
 開始10分に徳島の先制点を献上する展開。
 佐々木が渾身のシュートを試みるがゴールならず。

 
 前日の名古屋戦は途中出場だったチョジェジンも出場。
 サテライトは不本意ながら、運動量も少なく存在感に欠けた。

 
 播戸も前半のみ出場。
 積極的に裏を狙うがゴールは得られず。

 
 ボールタッチも多く、好配球も見られた倉田。
 もっともっとフィニッシュまで絡んでほしいところだ。

 
 今季のサテライトではキャプテンマークがお馴染みの武井。
 プレーエリアが広く、守備でチームに貢献する。

 
 星原の突破を阻む徳島GK日野。大きな声でチームを叱咤。
 敵の守護神として久々に万博に戻ってきた。

 
 菅沼も落ち着いているが、もっとフィードを狙って欲しい。
 3失点目は彼のヘディングの目測を誤る致命的なミスから。

 
 フル出場の山崎は良いアピールができず。
 ミドルレンジのシュートが浮いてしまい好機を逸した。

 
 得意の攻め上がりが鳴りを潜めている安田理。
 パフォーマンスでも完全に下平に後れをとってしまったか。

 
 前日の名古屋戦では不本意な途中出場だった高木。
 心なしか元気がないように見えた。

 
 後半から出場の平井は2得点と結果を出した。
 ワンタッチで相手を翻弄する場面も幾度か見られた。

 
 こちらも後半から出場の寺田はラストワンプレーで得点。
 自身では手応えを感じていないのか、終了後も笑顔はない。

 
 後半から出場の宇佐美はまずシュートを狙う。
 確実に枠内に飛ばした3本は可能性を感じさせてくれた。

 格下の徳島と比べても覇気に欠けた印象のこの試合。前日のトップチームの負け方に端を発してか個々に元気が無かったようにも感じられた。トップは今季のリーグ優勝は絶望的だが、まだ決して下位に甘んじているわけではない。今こそこのサテライトに甘んじる選手たちが奮起すべき時だと思うのだが。この試合、ベンチで戦況を見守っていた西野監督の目にはどう映っていたのだろうか。

天皇杯出場へ王手 -奈良県予選 VS天理大-

2009年08月23日 | 脚で語る奈良クラブ
 8月中に奈良県代表決める奈良県選手権こと天皇杯奈良県予選は準決勝に突入。ここまで奈良育英と一条の高校勢は揃って準々決勝で敗戦。準決勝はディアブロッサ高田と奈良産業大、そして奈良クラブと天理大という対戦に。社会人VS大学生の熱い戦いが繰り広げられた。

 
 春の練習試合では敗戦を喫している天理大が相手。
 一条高校戦のような戦いでは痛い目に遭う。

 
 前半からペースを握る奈良クラブ。
 スタミナで分が悪いことを考えれば先制点が勝負のカギだ。

 
 13分に檜山の鮮やかなシュートで先制した奈良クラブ。
 そして立て続けに金城が2得点を決め、試合の行方を決める。

 
 積極的に攻撃参加するDF橋垣戸。
 再三の接触プレーで倒されるも気合いで勝利に貢献。

 
 縦横無尽のランで相手を撹乱させるMF畑中。
 絶妙な折り返しで金城のゴールをアシスト。

 
 矢部が果敢にシュートを試みる。
 73分には相手のオウンゴールを誘う絶妙なシュートで4点目。

 
 途中出場の松野正が相手DFと競り合う。
 シンプルなプレーで前線を再活性化。

 
 4-2で勝利の奈良クラブが決勝進出を決める。
 立役者は2得点の金城。決勝でも彼の活躍はマストだろう。

 少し緩慢なサッカーに終始していた準々決勝の一条高戦と違って、やはり本大会出場を懸けて選手たちの動きは前半から勝負に出ていた。後半やや運動量が落ちたものの、「先制点がネック」と語っていたチームは最低限のミッションコンプリートで優位に試合を進めることができたといえる。

 この結果、第1試合でディアブロッサ高田を5-2で下した奈良産業大と決勝を戦うことになった。今季の関西学生リーグ2部の春季リーグでは4位と天理大より戦績は下だが、昨季は天皇杯本大会で2回戦まで進んだ侮れない相手。正直かなりの強敵だ。ここ数年、奈良県代表といえばこの奈良産業大か天理大という状況を打破するためにも社会人代表の奈良クラブ、是非本大会の切符を掴みたい。

これが水戸の勢い -C大阪VS水戸-

2009年08月22日 | 脚で語るJリーグ
 第3クールに突入したJ2は第35節。首位のC大阪がホームの長居に5位・水戸を迎えての試合は、劣勢の水戸が終始耐えながら高崎の1点を守りきって辛勝した。C大阪は直近3試合で2分1敗といまいち波に乗れず。対する水戸は連勝で直近の10試合においては7勝2分1敗と絶好調の様相を呈している。

 

 前半からC大阪が試合のペースを握り、前線のカイオ、中盤の香川やマルチネスを中心に水戸ゴールを再三脅かす。しかしながら先制点がわずかに遠い。苦しい序盤を強いられた水戸は、後半にカウンターから好機を見出そうとした。

 
 大活躍だった水戸の守護神・本間。
 C大阪のシュートを立て続けにセーブし、ゴールを死守。

 
 パスにドリブルにと、やはり香川のプレーは見ていて楽しい。
 が、この日は水戸の守備の前になかなか決定機を作り出せず。

 
 今季2度の対戦で香川1人に計5ゴールを決められている水戸。
 もうこれ以上ゴールは許すまいと徹底マークで潰しにかかる。

 
 闘志剥き出しのプレーが印象的だった水戸のDF保崎。
 流経大から加入1年目ですっかり定位置を確保している。

 
 水戸のエース荒田にゴールは生まれず。
 C大阪の厳しいチェックに遭いながらも泥臭くゴールに向かう。

 
 0-0で迎えた後半、徐々にカウンターで好機を狙う水戸。
 その中心はMF菊岡のドリブルだった。

 
 
 その菊岡からボールを受けた高崎が67分に右足を一閃。
 値千金のゴールを生み出し水戸に歓喜をもたらす。

 
 終盤のC大阪の猛攻を凌ぎ続ける水戸。
 ロスタイムには途中出場の吉原も豪快なシュート。

 
 なんとか1-0で逃げ切った水戸。高崎と吉原がハイタッチ。
 対するC大阪は後方でカイオが非常に悔しい表情。

 前半からC大阪が試合をリードしていくように思われた試合だったが、水戸が予想以上の好調さを結果に現した。19本のシュートを放ったC大阪はカイオのヘディングシュートがポストに嫌われたり、不可解な判定に左右されたりと、少しツキが無かったかもしれない。しかし、これで水戸が勝点を62ポイントにまで積み重ね、首位のC大阪までの5チームで点差が6ポイント。今節は2位・仙台と3位・湘南の直接対決があり、どちらか勝利したチームが首位を狙えることになる。ただ、残りはまだ16試合を残すJ2。この混戦の中で息切れせずにどこがベスト3に食い入ってくるか非常に面白くなってきた。水戸が今この位置にいるのも非常に面白い。

ターフ・ムーアの熱狂

2009年08月21日 | 脚で語る欧州・海外
 プレミアリーグはこのミッドウィークに2節が行われ、昨季王者のマンチェスター・U(以下=マンU)が今季イングランド・チャンピオンシップから昇格してきたバーンリーに敵地で敗れる波乱が起きた。ビッグ4では、CLを戦ったアーセナルを除いてチェルシーとリバプールが共に順当に勝利。トッテナムとチェルシーが開幕2連勝を果たしている。

 バーンリーの本拠地であるターフ・ムーアが熱狂に湧いた。まるで昨季のハルシティを見ているかのよう。精細を欠く王者を相手に19分、左MFのブレイクがゴールを奪う。GKイェンセンの再三の好守もあり、そのまま逃げ切ったバーンリーが34年ぶりにプレミアでの勝利を挙げた。タイムアップのホイッスルが鳴った瞬間に顔色を変えずバーンリーのコイル監督がマンUベンチに赴く。決して王者への敬意を忘れない様子ながらも、目の前の金星に明らかな手応えを感じている顔を見せていた。

 王者マンUは、明らかに精彩を欠く不出来な内容に終始。簡単なパスミスや前線と中盤の噛み合いの悪さがひたすら目立った試合だった。67.3%のボールポゼッションは1点も奪えない結果に。ファーディナンドとファンデルサルの欠場を抜きにしても、どうも今季はエンジンがまだかかっていないようである。

 対照的にチェルシーはサンダーランドを相手に見事な逆転勝利。アンチェロッティが導入したダイアモンド型の中盤の頂にはデコが鎮座し、決勝ゴールとなる3点目を見事に決めた。開幕戦では、ミケルを中盤の底に起用していたが、この日はエッシェンを配置。バラック、ランパードでデコをサポート。終了間際にはシェフチェンコの出番も回ってくる光景も。イヴァノビッチが出番を掴んで存在感を見せていたり、ドログバと組んだカルーも上々と、特に戦力の入れ替えが無いながらも現有戦力で十分といった戦いぶり。今季指揮官以外に大きな動きがなかったことが最もストロングポイントになっているかもしれない。

 今季初勝利を掴んだバーミンガムもマクファッデンがプレミアの舞台で久々のゴール。ウルヴスことウォルヴァーハンプトンも2戦目で早くも初勝利。ターフ・ムーアの熱狂と共に昇格組がプレミアリーグに新鮮な風を吹かせてくれている。

鬼門・ビッグスワン攻略

2009年08月20日 | 脚で語るガンバ大阪
 このミッドウィークに行われたJ1はもう22節。5試合連続のドローに苦しむ新潟に挑んだG大阪。直近5試合では敗戦がなく、完全に上昇気流に乗れたのではないだろうか。2005年シーズンから4連敗という鬼門・ビッグスワンの攻略はそのG大阪にとって大きなチャレンジとなった。

 前節から加地が右SBに復帰し、左に遠藤、右に二川、そしてルーカスとレアンドロという2トップはここ数試合の定番布陣。前節では播戸の劇的な決勝ゴールが印象深いが、その播戸の飛び出しを導いた下平のフィードは判断が良かった。その下平がもっともっと攻撃に絡む場面も見たいところではある。

 その新潟戦は開始1分、ルーカスの鮮やかなミドルシュートで幕を開ける。エリア手前でボールを受けたルーカスは相手DF陣のわずかな壁からシュートコースを捉えた。苦手とするビッグスワンで大きなリードを手に入れる。日頃、FWの代名詞である“ゴール”という見せ場では、今季圧倒的にレアンドロが担い手になっているが、久々のルーカスのゴールは彼の喜び方からもその爽快感が伝わってきた。黒子役の会心の一撃はG大阪のムードを盛り上げた。
 新潟の攻撃をかわし続けるG大阪は、42分にレアンドロの折り返しを二川が走り込んでダイビングヘッド気味にゴールに沈める。こちらも今季は初ゴール。日頃滅多にお目にかかれない二川の貪欲なゴールへのプレーはチームのいつもと違う雰囲気すら感じさせた。

 高めの位置で相手のボールを奪取でき、最後尾では松代の好守も光った。後半に1点を返されるものの、しっかりと試合巧者ぶりを見せての辛勝。次節は金沢開催の名古屋戦。豊田の悔しい敗戦から1ヶ月強、鬼門を攻略したG大阪の勢いは相性の良い金沢でさらに良い試合を見せてくれるだろう。

プレミアリーグ09/10酔夢譚

2009年08月18日 | 脚で語る欧州・海外
 いよいよイングランド・プレミアリーグが先週末に開幕。チェルシーをはじめ今季もビッグ4を中心に来年の5月まで続く熱い38試合の火蓋が切って落とされた。

 アンチェロッティが指揮を執るチェルシーはハルシティと対戦。分厚い彼らの守備に手を焼き、新加入のハントに先手を奪われる展開。しかし、コミュニティシールドを制したチェルシーはドログバのミラクルな2発で逆転勝利。彼が見せた見事な直接FKと終了間際の角度のないループシュートはさすが。昨季から陣容はほぼ変わらずとも、その連携面の向上を武器に今季はリーグ制覇に雲行きも上々の発進を果たした。

 昨季の王者、マンチェスター・Uはプレミア復帰のバーミンガムを相手にやや苦戦。ルーニーのゴールで面目は保ったものの、新加入のGKハートを中心に守りから攻撃までバーミンガムも可能性を見せてくれた。開幕戦は落としたが、これからの戦いぶりに少し期待が持てそう。一方のマンUは、C・ロナウドの移籍が少なからずとも響いている印象。加えてファンデルサルとファーディナンドの負傷離脱で序盤戦は守備面で苦戦するかもしれない。

 開幕から元気な様子だったのが、アーセナル、ストークシティ、そしてウィガン。アーセナルは敵地でエバートンを6-1と一蹴。セスクの2ゴールにエドゥアルドも開幕ゴールを決め、トゥーレ、アデバヨールの退団を感じさせない快勝劇。
 ストークシティは、プレミア初陣のバーンリーに経験値の違いを誇示。2点目のデラップのロングスローから相手のオウンゴールを導くあたりは彼ららしい得点パターン。なんとか今季は中位争いに顔を出したいところだ。
 そのミドルゾーンに食い入りそうなウィガンは、昨季6位のアストンビラを蹴散らした。ロダレガ、クーマスのゴールで相手の守備の拙さを突く上々のスタート。対するアストンビラは、昨季終盤から全く建て直せていない状況に、昨季のような中盤戦までの躍進は今季は難しそう。

 その他、バリー、トゥーレ、アデバヨール、テベスと豪華補強のマンチェスター・Cは開幕戦を快勝スタート(アイルランドのテクニカルな2点目は何ともニクい)。トッテナムにリバプールが苦杯を喫するなど、開幕戦から悲喜こもごもの展開を見せたプレミアリーグ。万年優勝予想を独占するビッグ4の一角にどこが食い込んでくるのか。今季はそのポイントが面白くなってきそうだ。