AFCチャンピオンズリーグは、一発勝負のラウンド16に突入。なんと今季はここでG大阪とC大阪の大阪ダービーが実現。意地と意地がぶつかる試合は、終了間際に高橋の得点でC大阪が1-0でG大阪を下し、ベスト8に進出。翌日に行われた試合では名古屋、鹿島の日本勢も揃って破れ、C大阪が日本勢で唯一ベスト8に勝ち進んだ形となった。
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日本のクラブがアジアのベスト8を懸けて直接戦うということは鹿島、名古屋を含めた日本勢4チームがラウンド16に進んでいることを考えれば珍しくはないが、ここで大阪の2チームがマッチアップするという希有なケースになった今季のAFCチャンピオンズリーグ。試合会場はG大阪のホーム・万博。2008年にアジア王者に輝いているG大阪にとっては、絶対に負けられない大阪ダービーとなった。
平日にも関わらず、16,463人の観客が集まった万博記念競技場。G大阪は負傷の山口に代わって、新潟戦で途中出場でJリーグデビューを飾った内田が初先発。頭部を負傷した二川は幸いにも5針を縫うだけに留まり、絆創膏を額に貼って先発出場を果たす。武井が2試合連続で左サイドバックに入り、その他は同様の陣容でこの一戦に臨んだ。対するC大阪は守備の要である茂庭が出場停止。しかしながらそれ以外はほぼ今季おなじみのメンバー。開幕戦は2-1でG大阪が勝利を奪っている。
C大阪ペースで始まった前半の序盤。乾、キム・ボギョンのシュートやピンパォンに合わせようとするマルチネスのクロスなど、前半早々からC大阪は得点を狙ってきた。対するG大阪も宇佐美のドリブル突破から徐々に反撃。エリア内でシュートコースを切られながらも果敢にシュートを狙い、そして彼のクロスに二川がケガの影響を感じさせないヘッドで決定機を演出するなど、チャンスを作る。しかし、アドリアーノがほとんど良い形でボールをもらえず孤立するなど、相手のブロックを破れないまま前半をスコアレスで折り返した。
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倉田のドリブルを初先発の内田が追う。
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イ・グノがボールを繋ぐ。前半はうまく機能せず。
0-0で迎えた後半、C大阪はいち早くカードを切る。倉田、乾を下げて、中後と小松を投入。これでパスの起点とその当てどころができ、C大阪はリズムを掴んだ。上背がありながら明らかに足元でのプレーも上手い小松のプレーに、G大阪は容易に崩される場面も出てくる。序盤は小松、ピンパォンの連携にかなり手を焼いているように見えた。なんとかマイボールを取り返しても、53分のような速攻カウンターの場面では宇佐美のシュートコースが切られてまともに打たせてもらえない。チャンスが到来したかと思えば、すぐにピンチも訪れる。
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加地が清武の行く手を阻む。
55分にはロングパスに抜け出したキム・ボギョンにGK藤ヶ谷が対応。しかし、不用意な飛び出しをさらりとかわされて折り返されると、ピンパォンがシュート。これはかろうじて加地のブロックに助けられたが、この辺りから明らかに攻守の歯車は狂い出した。C大阪のプレスも高い位置で効いており、ずるずるG大阪のラインは後退。なかなか高い位置でボールが回せない。
63分には、マルチネスのロングパスを受けた小松が右から持ち込んでシュート。これは藤ヶ谷がかろうじてセーブ。武井が対応に苦しそうだったが、この直後の67分にG大阪は佐々木を投入してもう一度攻撃に転じようとする。
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正確なロングパスは脅威、C大阪・マルチネス。
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アドリアーノはなかなか良い形でボールがもらえず孤立。
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佐々木を投入してもう一勝負。
しかし、藤ヶ谷はこの時間から不安定だった。68分には内田が対応しきれないと思ったか、ピンパォンの突破を必要以上の飛び出しでファウル。あとわずかでエリアだったことを考えると、ここでPKを取られてもおかしくなかった。72分には佐々木からのライナー性の好クロスをアドリアーノがミートし切れず、決定的なチャンスを逃してしまい、焦りが徐々にG大阪には募っていった。
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86分にはアドリアーノがこのチャンスを決められない。
武井が本職でないポジションで悪戦苦闘しているところを突いてきたか、後半の中盤を過ぎるとC大阪は高橋の攻撃参加が目立つようになる。ただでさえ、ピンパォン、小松、清武、キム・ボギョンが織り成す攻撃を何とかしのぎ続けるG大阪だったが、遂に守備はミスによって決壊した。
88分、清武のクロスをキャッチした藤ヶ谷がすかさずエリア手前にいた二川にスローイングでパス。二川は2タッチで遠藤にはたくものの、遠藤のワントラップ目が大きくなったところをかっさらわれそうになる。中澤がヘッドでクリアしようとするが、拾ったのはC大阪。右に展開されたボールは走り込んだ高橋によってニアに射抜かれた。
対応に行った武井は高橋との間を詰めることができず、シュートを含めてコースを切れなかった。しかし、それ以上にニアががら空きの藤ヶ谷のポジショニングも拙かった。ここが見えていた高橋のシュート精度はお見事。ほぼ成す術なしといった場面だった。
終了直前にアドリアーノの強引なドリブル突破からの折り返しを宇佐美が決めきれず、万事休す。試合終了のホイッスルで試合は決した。
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ここまでの大阪ダービーをデータで見ると、G大阪の18勝1分8敗と通算対戦成績は圧倒的にG大阪だが、そのほとんどはリーグ戦での結果。1発勝負の試合になると、C大阪が過去の天皇杯2試合で2試合共勝っているというデータがあった。最も直近では、2005年の長居での天皇杯準々決勝(2-3でG大阪が敗戦)が記憶に新しいところだが、6年ぶりとなる1発勝負、この決着は偶然かはたまた必然か。とりわけG大阪にとっては、その経験が大きな自負でもあるアジア王者となった2008年の翌年から3年連続でラウンド16での敗戦。二つの意味で“最も負けたくない試合”を勝つことができなかった。驚くほど静まり返った万博の北半分の静寂ぶりがこの敗戦のショックの大きさを感じさせた。
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この悔しさはリーグを含めた残りタイトルの奪取に繋がるか。
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日本のクラブがアジアのベスト8を懸けて直接戦うということは鹿島、名古屋を含めた日本勢4チームがラウンド16に進んでいることを考えれば珍しくはないが、ここで大阪の2チームがマッチアップするという希有なケースになった今季のAFCチャンピオンズリーグ。試合会場はG大阪のホーム・万博。2008年にアジア王者に輝いているG大阪にとっては、絶対に負けられない大阪ダービーとなった。
平日にも関わらず、16,463人の観客が集まった万博記念競技場。G大阪は負傷の山口に代わって、新潟戦で途中出場でJリーグデビューを飾った内田が初先発。頭部を負傷した二川は幸いにも5針を縫うだけに留まり、絆創膏を額に貼って先発出場を果たす。武井が2試合連続で左サイドバックに入り、その他は同様の陣容でこの一戦に臨んだ。対するC大阪は守備の要である茂庭が出場停止。しかしながらそれ以外はほぼ今季おなじみのメンバー。開幕戦は2-1でG大阪が勝利を奪っている。
C大阪ペースで始まった前半の序盤。乾、キム・ボギョンのシュートやピンパォンに合わせようとするマルチネスのクロスなど、前半早々からC大阪は得点を狙ってきた。対するG大阪も宇佐美のドリブル突破から徐々に反撃。エリア内でシュートコースを切られながらも果敢にシュートを狙い、そして彼のクロスに二川がケガの影響を感じさせないヘッドで決定機を演出するなど、チャンスを作る。しかし、アドリアーノがほとんど良い形でボールをもらえず孤立するなど、相手のブロックを破れないまま前半をスコアレスで折り返した。
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倉田のドリブルを初先発の内田が追う。
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イ・グノがボールを繋ぐ。前半はうまく機能せず。
0-0で迎えた後半、C大阪はいち早くカードを切る。倉田、乾を下げて、中後と小松を投入。これでパスの起点とその当てどころができ、C大阪はリズムを掴んだ。上背がありながら明らかに足元でのプレーも上手い小松のプレーに、G大阪は容易に崩される場面も出てくる。序盤は小松、ピンパォンの連携にかなり手を焼いているように見えた。なんとかマイボールを取り返しても、53分のような速攻カウンターの場面では宇佐美のシュートコースが切られてまともに打たせてもらえない。チャンスが到来したかと思えば、すぐにピンチも訪れる。
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加地が清武の行く手を阻む。
55分にはロングパスに抜け出したキム・ボギョンにGK藤ヶ谷が対応。しかし、不用意な飛び出しをさらりとかわされて折り返されると、ピンパォンがシュート。これはかろうじて加地のブロックに助けられたが、この辺りから明らかに攻守の歯車は狂い出した。C大阪のプレスも高い位置で効いており、ずるずるG大阪のラインは後退。なかなか高い位置でボールが回せない。
63分には、マルチネスのロングパスを受けた小松が右から持ち込んでシュート。これは藤ヶ谷がかろうじてセーブ。武井が対応に苦しそうだったが、この直後の67分にG大阪は佐々木を投入してもう一度攻撃に転じようとする。
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正確なロングパスは脅威、C大阪・マルチネス。
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アドリアーノはなかなか良い形でボールがもらえず孤立。
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佐々木を投入してもう一勝負。
しかし、藤ヶ谷はこの時間から不安定だった。68分には内田が対応しきれないと思ったか、ピンパォンの突破を必要以上の飛び出しでファウル。あとわずかでエリアだったことを考えると、ここでPKを取られてもおかしくなかった。72分には佐々木からのライナー性の好クロスをアドリアーノがミートし切れず、決定的なチャンスを逃してしまい、焦りが徐々にG大阪には募っていった。
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86分にはアドリアーノがこのチャンスを決められない。
武井が本職でないポジションで悪戦苦闘しているところを突いてきたか、後半の中盤を過ぎるとC大阪は高橋の攻撃参加が目立つようになる。ただでさえ、ピンパォン、小松、清武、キム・ボギョンが織り成す攻撃を何とかしのぎ続けるG大阪だったが、遂に守備はミスによって決壊した。
88分、清武のクロスをキャッチした藤ヶ谷がすかさずエリア手前にいた二川にスローイングでパス。二川は2タッチで遠藤にはたくものの、遠藤のワントラップ目が大きくなったところをかっさらわれそうになる。中澤がヘッドでクリアしようとするが、拾ったのはC大阪。右に展開されたボールは走り込んだ高橋によってニアに射抜かれた。
対応に行った武井は高橋との間を詰めることができず、シュートを含めてコースを切れなかった。しかし、それ以上にニアががら空きの藤ヶ谷のポジショニングも拙かった。ここが見えていた高橋のシュート精度はお見事。ほぼ成す術なしといった場面だった。
終了直前にアドリアーノの強引なドリブル突破からの折り返しを宇佐美が決めきれず、万事休す。試合終了のホイッスルで試合は決した。
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ここまでの大阪ダービーをデータで見ると、G大阪の18勝1分8敗と通算対戦成績は圧倒的にG大阪だが、そのほとんどはリーグ戦での結果。1発勝負の試合になると、C大阪が過去の天皇杯2試合で2試合共勝っているというデータがあった。最も直近では、2005年の長居での天皇杯準々決勝(2-3でG大阪が敗戦)が記憶に新しいところだが、6年ぶりとなる1発勝負、この決着は偶然かはたまた必然か。とりわけG大阪にとっては、その経験が大きな自負でもあるアジア王者となった2008年の翌年から3年連続でラウンド16での敗戦。二つの意味で“最も負けたくない試合”を勝つことができなかった。驚くほど静まり返った万博の北半分の静寂ぶりがこの敗戦のショックの大きさを感じさせた。
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この悔しさはリーグを含めた残りタイトルの奪取に繋がるか。