今季の天皇杯出場を懸けた奈良県選手権の決勝が28日に橿原公苑陸上競技場で行われ、奈良クラブは奈産大と対戦。県選手権最多記録となる7得点を奪い、7-2と快勝で3年連続奈良県代表としての天皇杯出場を決めた。
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カンカン照りの陽射し、雨でも降って欲しいと思わせてくれるような酷暑の中で迎えた県内王座決定戦の大一番。この試合が終わればあっという間に天皇杯が始まり、優勝に王手をかけたリーグ戦も再開される。先週のミニ国体の敗戦からチームが再び上昇気流に乗るためにも重要な試合だった。相手は関西学生リーグ2部の奈産大。準決勝ではディアブロッサ高田(関西Div2)を3-1で下して決勝に進出。この前日に静岡県大会ではJFLのHondaを下して静産大が天皇杯の切符を掴み、東京都予選では、JFLの町田を相手に専大がPK戦まで持ち込む健闘を見せるなど大学勢の奮闘も目立っていた。油断はできない相手だった。
奈良クラブは、準決勝の天理大戦から陣容をチェンジ。ゴールを守る日野は変わらず、ミニ国体前の練習試合からサイドバックに挑戦している谷山が右サイドバックに入り、橋垣戸、眞野のセンターコンビに、左は吉田。中盤に矢部が起用され、三本菅とセンターラインを組む。辻村剛が左に、そして李が右に入る形となった。好調を維持するFWコンビの牧と檜山は変わらず先発。
準決勝の天理大戦でもそうだったが、リーグ戦でもなかなか立ち上がりから先制点を取るという場面は少なかったが、この試合では開始早々から格の違いを披露。特に中盤の矢部から相手DFラインの裏へ何度もパスが通った。開始5分の檜山の得点、そして21分にも辻村剛の得点を彼のラストパスから演出。38分には相手GKのミスも手伝って辻村剛が加点し、前半から3-0という展開を見せた。
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決定機演出で3アシストの矢部。
先発起用に応える。
後半も変わらず、加点していく奈良クラブ。檜山が後半開始早々に矢部のラストパスからシュートを決めると、その直後には左サイドを駆け上がった橋垣戸の折り返しを牧が決めて5-0とする。5分後にはCKから相手のオウンゴールを誘発して6点差に。勝負の行方は完全に決まった。
しかし、暑さも手伝って運動量が落ちてくると、73分に奈産大のFW井上皓に1点を返される。スピードのある彼にぽっかりと空いた最終ラインのスペースを持ち込まれた。こういう試合で完封こそできれば格別の圧倒感なのだが、これでゼロでは終われなくなる。
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ミニ国体では規約上出番の無かった辻村剛。
2得点と勝利に貢献。
84分には辻村剛のパスを受けた李が正確なシュートを決めて7点目を奪う。攻撃面ではまだまだ追加点が期待できた。ところが途中出場の辻村隆、浜岡、嶋が何度もチャンスを作るがこの日はこれにて打ち止め。アディショナルタイムに入る直前に奈産大にカウンターから失点を食らう。最後に決められたのはMF橋田。相手陣内のエリア手前まで持ち込んでいながらのカウンターの食らい方は頂けなかった。7-2とスコアだけ見れば圧倒的勝利、内容でも圧倒していたとは思うが、リーグ戦で失点が少ないこともあってか、先週のミニ国体から続く失点場面についつい敏感になってしまう。試合後にNHKのインタビューで吉田監督が快勝にも関わらず、「7点だけという結果だけ見れば…前半から通してちゃんとサッカーしなさいという内容。」と敢えて苦言を呈したのは明らかにこの2失点の後味の悪さも大いにあっただろうと思う。
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檜山は大会2試合3得点で調子を上げている。
これで、天皇杯1回戦は同じく橿原で兵庫県代表と対戦することになった。試合後に分かったその相手はなんと三洋洲本。十中八九、兵庫県の決勝は関学大(関西学生1部)が勝利するだろうと思っていただけにビックリ。リーグ戦で手の内を知るライバルと天皇杯という舞台で対峙することになった。天皇杯特有の“非日常”感この1回戦は薄いが、これに勝利すれば2回戦ではJ1の神戸と対戦することになる。もちろん2年ぶりのJクラブとの真剣勝負の場を目指す意味では絶対に負けられない試合だ。兵庫県の決勝戦のメンバーを見ていると、三洋洲本は先週のミニ国体にもその姿がなく、おそらく負傷の影響だろうか、リーグ戦でも出番がほとんどなかったGK浅野、MF成瀬(関西リーグ2年連続MVP)の2人が出場している。ここに中盤の村上、稲垣、沈、前線で主砲となる梅川(関西リーグで2年連続得点王)という陣容はリーグ屈指で、昨季の地域決勝で奮闘を見せ、JFL入替戦まで進んだ強い三洋洲本のまさにそのもの。5月に五色で2-0と勝利を収めた三洋洲本、先週ミニ国体でPK戦の末に退けた兵庫県選抜という名の三洋洲本(正確には姫獨大の河野が加わっていたが)とは違うと思わなければいけない。なんと偶然にも天皇杯1回戦の翌週には、同じく彼らと優勝に王手のかかったリーグ戦で対峙するのだ(9/11@三木防災)。この2週は彼らも相当な覇気で挑んでくるはず。昨季の王者に挑む“挑戦者”の心意気で臨みたい。
とにかくこの決勝戦では、これまで以上に県内における奈良クラブの存在感を見せつける試合で、観客には大いにインパクトは与えられたはず。この日は思っていた以上にスタンドには観客が訪れたが、天皇杯は有料試合。同じように1回戦でも有料試合に見合う試合ができるかしっかりその点をアピールしたい。来季昇格を目指すJFLは基本的に有料試合、この日の試合より一歩進化したサッカーを見せて欲しい。天皇杯はもうすぐ今週末の日曜日だ。
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カンカン照りの陽射し、雨でも降って欲しいと思わせてくれるような酷暑の中で迎えた県内王座決定戦の大一番。この試合が終わればあっという間に天皇杯が始まり、優勝に王手をかけたリーグ戦も再開される。先週のミニ国体の敗戦からチームが再び上昇気流に乗るためにも重要な試合だった。相手は関西学生リーグ2部の奈産大。準決勝ではディアブロッサ高田(関西Div2)を3-1で下して決勝に進出。この前日に静岡県大会ではJFLのHondaを下して静産大が天皇杯の切符を掴み、東京都予選では、JFLの町田を相手に専大がPK戦まで持ち込む健闘を見せるなど大学勢の奮闘も目立っていた。油断はできない相手だった。
奈良クラブは、準決勝の天理大戦から陣容をチェンジ。ゴールを守る日野は変わらず、ミニ国体前の練習試合からサイドバックに挑戦している谷山が右サイドバックに入り、橋垣戸、眞野のセンターコンビに、左は吉田。中盤に矢部が起用され、三本菅とセンターラインを組む。辻村剛が左に、そして李が右に入る形となった。好調を維持するFWコンビの牧と檜山は変わらず先発。
準決勝の天理大戦でもそうだったが、リーグ戦でもなかなか立ち上がりから先制点を取るという場面は少なかったが、この試合では開始早々から格の違いを披露。特に中盤の矢部から相手DFラインの裏へ何度もパスが通った。開始5分の檜山の得点、そして21分にも辻村剛の得点を彼のラストパスから演出。38分には相手GKのミスも手伝って辻村剛が加点し、前半から3-0という展開を見せた。
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決定機演出で3アシストの矢部。
先発起用に応える。
後半も変わらず、加点していく奈良クラブ。檜山が後半開始早々に矢部のラストパスからシュートを決めると、その直後には左サイドを駆け上がった橋垣戸の折り返しを牧が決めて5-0とする。5分後にはCKから相手のオウンゴールを誘発して6点差に。勝負の行方は完全に決まった。
しかし、暑さも手伝って運動量が落ちてくると、73分に奈産大のFW井上皓に1点を返される。スピードのある彼にぽっかりと空いた最終ラインのスペースを持ち込まれた。こういう試合で完封こそできれば格別の圧倒感なのだが、これでゼロでは終われなくなる。
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ミニ国体では規約上出番の無かった辻村剛。
2得点と勝利に貢献。
84分には辻村剛のパスを受けた李が正確なシュートを決めて7点目を奪う。攻撃面ではまだまだ追加点が期待できた。ところが途中出場の辻村隆、浜岡、嶋が何度もチャンスを作るがこの日はこれにて打ち止め。アディショナルタイムに入る直前に奈産大にカウンターから失点を食らう。最後に決められたのはMF橋田。相手陣内のエリア手前まで持ち込んでいながらのカウンターの食らい方は頂けなかった。7-2とスコアだけ見れば圧倒的勝利、内容でも圧倒していたとは思うが、リーグ戦で失点が少ないこともあってか、先週のミニ国体から続く失点場面についつい敏感になってしまう。試合後にNHKのインタビューで吉田監督が快勝にも関わらず、「7点だけという結果だけ見れば…前半から通してちゃんとサッカーしなさいという内容。」と敢えて苦言を呈したのは明らかにこの2失点の後味の悪さも大いにあっただろうと思う。
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檜山は大会2試合3得点で調子を上げている。
これで、天皇杯1回戦は同じく橿原で兵庫県代表と対戦することになった。試合後に分かったその相手はなんと三洋洲本。十中八九、兵庫県の決勝は関学大(関西学生1部)が勝利するだろうと思っていただけにビックリ。リーグ戦で手の内を知るライバルと天皇杯という舞台で対峙することになった。天皇杯特有の“非日常”感この1回戦は薄いが、これに勝利すれば2回戦ではJ1の神戸と対戦することになる。もちろん2年ぶりのJクラブとの真剣勝負の場を目指す意味では絶対に負けられない試合だ。兵庫県の決勝戦のメンバーを見ていると、三洋洲本は先週のミニ国体にもその姿がなく、おそらく負傷の影響だろうか、リーグ戦でも出番がほとんどなかったGK浅野、MF成瀬(関西リーグ2年連続MVP)の2人が出場している。ここに中盤の村上、稲垣、沈、前線で主砲となる梅川(関西リーグで2年連続得点王)という陣容はリーグ屈指で、昨季の地域決勝で奮闘を見せ、JFL入替戦まで進んだ強い三洋洲本のまさにそのもの。5月に五色で2-0と勝利を収めた三洋洲本、先週ミニ国体でPK戦の末に退けた兵庫県選抜という名の三洋洲本(正確には姫獨大の河野が加わっていたが)とは違うと思わなければいけない。なんと偶然にも天皇杯1回戦の翌週には、同じく彼らと優勝に王手のかかったリーグ戦で対峙するのだ(9/11@三木防災)。この2週は彼らも相当な覇気で挑んでくるはず。昨季の王者に挑む“挑戦者”の心意気で臨みたい。
とにかくこの決勝戦では、これまで以上に県内における奈良クラブの存在感を見せつける試合で、観客には大いにインパクトは与えられたはず。この日は思っていた以上にスタンドには観客が訪れたが、天皇杯は有料試合。同じように1回戦でも有料試合に見合う試合ができるかしっかりその点をアピールしたい。来季昇格を目指すJFLは基本的に有料試合、この日の試合より一歩進化したサッカーを見せて欲しい。天皇杯はもうすぐ今週末の日曜日だ。