脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

最悪の三ッ沢

2007年08月20日 | 脚で語るJリーグ


 「最悪な試合をしてしまった。」

 試合後、そう語った遠藤にサポーターのブーイングはどう聞こえていたのだろうか。勝利に慣れてしまったサポーターの求めるクオリティは高い。今季二度目となる三ッ沢でガンバはそれを垣間見せることなく首位から陥落することとなった。

 三ッ沢で今季行われた横浜の2チームとの対戦はゴール裏で声を張り上げるサポーターにとってはどちらも非常に疲れるものであった。先日の横浜FC戦は首位と最下位チームの対戦という構図もクローズアップされたが、それ以上に勝利を求める絶対的欲求が欠けていたというべきだろう。球際でのプレーに精彩を欠き、横浜FCの堅守に攻撃陣は沈黙した。"崩せなかった"という言い方がふさわしいともいえるが、"崩そう"としない歯痒いシーンも散見され、勝利への希薄さがこのドロー劇を呼び込んでしまったに違いない。
 まさに"超攻撃"というスローガンが聞いて呆れる。ただでさえシーズン中盤に入り、各々のチームで研究が進む中で、より多くのオプションや幅広い戦術面でのポリバレントさが不可欠なはずなのだが。拙攻の連続はサポーターが求めるクオリティとは程遠いものだった。

 加地のクロスの著しく低い精度と家長がキープする際の周囲とのプレー感覚のズレはひどく気になる点だ。その家長も自分が試合の流れを変える強い意志をプレーでもっと見せて欲しい。何しろこれだけピッチに出てからその好不調の波が分かるようではハイリスクにもほどがある。
 選手それぞれに疲れが見えるのは確かだ。しかし、この2試合は勝っておきたかった。ガンバは自らのつまずきで今季独走して覇権を奪うチャンスをフイにした。まるで優勝を経験する前の経験値の低い頃のガンバを見ているようでもある。今季序盤から堅守を見せた基盤の4バックすらテコ入れ及び3バックへの修正が必要なのかもしれない。

 結果的に甲府に快勝した浦和と順位は入れ替わった。ここからは追いかける立場、もちろん取りこぼしは許されないし、浦和が調子を崩すのを待つ完全な他力本願状態である。安田、家長よ。やべっちFCで調子に乗っている場合ではないぞ。

 最悪な試合は終わった。あとは上を目指すのみだ。もう最悪な試合というワードは言わせない。