脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

真のスペクタクルリーグ、スペイン!

2007年08月24日 | 脚で語る欧州・海外


 昨夜書いたカルチョだけでなく、今週末には世界最高峰と名高いリーガエスパニョーラも幕を開ける。マドリードダービーで開幕を迎えるなんてマドリードの人々は熱い一日を過ごすのだろう。個人的にはこの一戦が最も注目カードではあるが、バレンシアVSビジャレアルも気になるところだ。

 覇権争いは間違いなくレアルとバルセロナの一騎打ちの構図が予想されるが、セビージャの存在はこの2チームを上回るインパクトを残しかねない。欧州全土から熱い眼差しを送られるファンデ・ラモス監督率いるこのセビリアの勇者たちは、今季欧州チャンピオンズリーグの舞台にも挑戦する。昨季圧倒的な強さを誇示したカップ戦同様、チャンピオンズリーグでも旋風を巻き起こせるだろうか。

 リーグではその成長著しいセビージャに昨季は肉薄された上記のビッグ2。アンリを獲得し、補強面ではストーブリーグの話題をかっさらったバルサよりもやはり「脱・ギャラクティコ」と一皮むけたレアルに注目だ。チームOBでもあるベルント・シュスター新監督を迎え、優美で強いレアルの復権は見られるのだろうか。その不安定なプレーシーズンマッチを見ているだけでも何か楽しみになってくる。
 そのレアルは負のイメージが付き纏った歴代CB陣の補強にメッツェルダーを獲得し、昨季バロンドールを獲得したカンナバーロよりも目立ったセルヒオ・ラモスを左に回すことが濃厚である。45億円の移籍金が物議を醸したペペもこの白いビッグクラブでキャリア中絶好のアピールチャンスを得た。中盤はディアッラの出来にかかっているだろう。シュスターの目指す「スペクタクルなサッカー」には堅実な守備力を誇る彼の存在は不可欠。プレーで目立つのは前線のサビオラ、そして不動のエースであるファンニステルローイの役割だ。

 絶対的な強さはともかく、銀河系集団時よりも面白いメンバーは揃った。あとはどれだけバルサと対等に渡り合えるかで今季のリーガの面白さは左右される。少しでも油断すればセビージャにも足元をすくわれかねない。バレンシアやサラゴサあたりも面白い。欧州屈指の実力伯仲ぶり、これが真のスペクタクルではなかろうか。