降りやまない雨に打たれ、うつむき加減な庭の宗旦ムクゲ・・・
そんな日曜の昼過ぎ・・・健さんから電話があった。
手術後、食事がなかなかのどを通らず、
かろうじてお粥と菓子パン（？）の日々・・・だとか。
現在の体重は５９キロ。
首の右側を大きく切り開いての手術だったため
左側頭を下にして寝ているから腰も痛いらしい。
まだ、お風呂にもはいれないのだという。
早く家に帰りたい！ と言うけれど
普通に食事が取れるようにならないと、そりゃ無理だよ。
それにまだ、抜糸もしていないんだし・・・
でも、病院内をウロウロと散歩はしているらしいし
友達もできたみたいだ。
まだしばらくは、入院生活が続くであろう
健さんに会えるのは
いつになることやら・・・
午後８時過ぎに医大のドクターから電話があった。
健さんの手術が無事、終わったという連絡だった。
健さんのことを心配してくださっていたみなさま
励ましのエールを送ってくださったみなさま
ほんとうにありがとうございました。
心から感謝しています。
みなさまにうれしい報告ができて
わたしもホッと一安心・・・
体中の力がいっきに抜けてしまって
気づいたら、なぜか涙がポロポロ・・・
な、わたしでした。
娘が、健さんの手術の説明書と処置行為に対する説明書
およびそれらに対する同意書を持ってきてくれた。
その後、健さんにLINEで手術のこととか聞いてみた。
「ちょっとビビルよね」と、健さん。
「執刀するドクターは？」とたずねたら返信は
LINEじゃなくて、電話がかかってきた。
スマホで文字を打つのが、めんどくさいらしい。
で、答えはいつも診てくれている先生と
准教授と女の先生の４人だそうな。
名前は・・・聞いたけど覚えていないらしい。
４時間ほどの手術になるようで、けっこうリスクも高いようだ。
手術の詳しい内容は、息子が長い長いLINEで知らせてくれている。
右側の頸動脈に巻き付いていたリンパ節転移したガンは
なくなっているけれど、
リンパ節転移の別のガンがまだ残っているらしい。
かなり小さくなっているけれど、放置しておくと転移したり
大きくなる恐れがあるために、
今のうちに取り除くのが今回の手術である。
右側の首筋をかなり大きく切り開くという。
神経がいっぱい集まってるところだからね・・・
きっと健さんは
「ちょっとビビルよね」どころじゃないくらい、
ビビってるのかもしれない。
神経を切断してしまう危険性もあるしね・・・
手術は６日だけど、病院には家族も入れてもらえないとのこと。
何時から始まるのかもわからないんだそうな・・・
なんたって福井県にゃ、緊急事態宣言でてるしね。
病院からの電話を待って、６日は長～い１日になりそうだ。
明日は、健さんが再入院する。
わたしもついて行こうか・・・と言ったら
来なくていい！ らしい。
娘と息子からも来なくていい！
どうもオジャマ虫なわたし・・・
明日は主治医から手術の話があるのだけど、
わたしがドクターにアレコレ聞きまくるのが、
健さんにとってはマイナスになるから・・・というのが理由らしい。
子どもたちからは、性格の違いだから・・・
と、慰められた（？）けれど、気になって今夜は眠れそうにない。
まあ、息子が逐次、ラインで情報を送ってくれるようだから
まかせることにした。
あ～・・・でも気になる！ なんて因果な性格！
今日も息子の運転で医大へ向かった。
自分のガンは、すっかりなくなっていると
思いこんでいた健さんにとって、ドクターの言葉は
悪魔の声に聞こえていたかもしれない。
ペット検査の結果、頸動脈を巻いていたガンが、
小さくはなっているがまだ生きているという。
今後、大きく育つと治療がいっそう難しくなるので
小さくなった今、手術で取り除くのがベストだ・・・
と言うのが、ドクターの診断である。
これからのスケジュールは、
月曜日に麻酔科の主治医の診察と説明を受け
７月２日に入院し、手術は６日、
手術後、２週間ほど入院が必要とのことだった。
で、その後はお昼も食べずに何時間もかけて手術に向けての
さまざまな検査を受けるハメになった健さん。
付き添っていったわたしの歩数計は、病院内だけで
なんと！ ４５００歩！
いくつ検査を受けたのか、今はそれすら思いだせないほど
疲れ果ててしまった。
８号線で帰る途中に、昼食だか夕食だかわからない食事をして
家に帰りついたのは午後６時過ぎ・・・
健さんにとっては、心にも身体にもハードな１日だったと思う。
月曜日も入院の時も手術の時も、わたしは付き添えないけれど
ありがたいことに、娘と息子が病院へ行ってくれるという。
娘や息子たちに、これ以上の心配や負担をかけないためにも
わたし自身の体調をととのえ、健康管理に励まなくっちゃ！
お昼前、同級生のＳ君が健さんの見舞いに来てくれた。
昨日、Ｓ君からわたしに電話があり
健さんの病気のことを初めて知ったとのこと。
で、今日は三方の源与門の「うなぎ弁当」を
届けに来てくれたのだという。
精をつけてはよ元気になれよ！ という
Ｓ君のやさしい思いが伝わってくるうなぎ弁当は発熱式で
熱々が家庭でも楽しめるという優れモンだった。
Ｓ君、ホンマにありがとう！
さて夜は、健さんとふたりでテレビ観戦・・・
井上尚弥VSマイケル・ダスマリナスの試合である。
ネットのニュースではすでに
井上尚弥の３回ＫＯ勝ちが報じられていたけれど
やっぱりこの目で勝つとこ観たいもんね。
実はわたし・・・子どものころからボクシングが好きだった。
５歳のころ、近所の電気屋さんの店先の大型テレビジョンで
白井義男の負けるところを祖母・おクニやんと観ていたのである。
おクニやんが「そらイケェエエ！！！」と叫んでいたのを
今でも鮮明に覚えている。
ボクシングの映画もけっこう観ている。
ロバート・デ・ニーロの「レイジング・ブル」
デンゼル・ワシントンの「ザ・ハリケーン」
クリント・イーストウッドの「ミリオンダラー・べイビー」
スタローンの「ロッキー」シリーズなどなど
どの映画も泣ける映画なのだ。
井上尚弥もきっといつの日か伝説のボクサーとなり
映画になるかも・・・
朝７時半過ぎに家を出て福井医大へ向かった。
９時半予約の診察の前に血液検査もあるので、
早めに出発したけれど
高速を降りてから混んでいて、
到着はギリギリになった。
血液検査の結果では、まだ白血球等いくつかの数値が低く
免疫力がアップしていないとのこと。
超音波や内視鏡の検査では、ガンが消えたのかどうかは
はっきりしないので再来週に、ペット検査をすることになった。
わたしが議会中なので娘と息子が健さんを
連れて行ってくれるという。
少しづつ食べる分量は増えてはいる健さんだけど
体重はまったく増えてこないし、歩いたり身体を動かすと
すぐに、しんどくなってしまうらしい。
ガンが見つかる前は８８キロあった体重が
今は６２キロしかないのだから、しんどいのは当然だろう。
それでも市内なら車の運転もできるようになった。
ガンが見つかって半年・・・
なんてったって退院してまだ３週間・・・
あせらずボチボチ、休み休み進めたら上等だよね。
少しずつだけど食事の量が増えてきた健さん・・・
近ごろ、ノンアルコールのビールも食事のお供になっている。
いまだに水を飲むとむせるクセに
ノンアルのビールは大丈夫なんだそうな。
食事の量に比例して体重も増えてくれるといいのだけど
なかなか思惑通りにはいかないようだ。
で、相変わらず甘いモンに目がない健さんは
昨日、あんころを買ってきていた。
ところがこのあんころ、あんこも中のもちも
ネットリしすぎてて、
口中にへばりついて飲み込めなかったらしい。
今、いちばんのお気に入りはエクレアだとか・・・
甘～いカフェラテとエクレアを食べる健さんは異星人だ。
糖尿病を併発・・・な～んてならないことを祈ってます。
健さんは、体力をつけようとウォーキングに挑戦したという。
結果は、哀しいかな・・・
我が家から本町の大通りへでたところで、挫折したらしい。
買い物に行ってもカートにつかまっていないと
ふらついて危ないし、重いものも持てない状況だ。
腕や足の太さも、わたしとあまり変わらないんだから・・・
口から食べられるといっても、その量はわたしの半分以下。
裸になると骨皮スジエモン・・・である。
「色男 金と力はなかりけり」っていうけれど
今じゃ色男もなくなってしまってタダのシワしシワジジイだ。
このところ健さんの、残りもんをたいらげるようになって
おナカの周りに、よけいなお肉がついてきている。
「夫の看病でやつれた妻の図」とは、ほど遠い・・・
昨日の続きです・・・
担当課で聞いてきました。
アイケープラストさんの保育園は、認可外保育園で
働いている方のためにつくられたんだそうです。
で、保育士さんは市の病児保育と同じ
広島の派遣会社からだそうです。
市長がお祝に駆けつけたのは、市の産業団地だから・・・
産業経済部がらみでだそうです。
スッキリ！
さて健さんですが、
今朝の朝食はアマ～いワッフルと
ヨーグルトにアマ～いカフェラテ・・・
甘党に変身しただけではなく、なんと！！！
冬でも半袖Ｔシャツの超・暑がりから
超・寒がりに変身！
パッチはいてます・・・
まだ電気絨毯つかってます・・・
朝晩は、綿入れ半纏を着てます・・・
なんだか別人と暮らし始めたようでまごついてます。
まあね・・・新しい男と暮らし始めた・・・
って、思えば人生もまた楽しからずや・・・ですかね。
久しぶりに外の空気を吸って、
すっかり舞い上がってしまった健さんは
娘とアル・プラザやコンビニへ行ってきたらしい。
体重が６０キロ台になったもんだから
歩くとふらつくらしい。
あんなに暑がりだったのに、
風の冷たさが身に染みるとも言っていた。
口から食べられるといっても、
パクパクパク・・・とはいかない。
少しずつ飲み込まないとむせるし
水分もゴクゴク飲むと、鼻から垂れてくるらしい。
今朝は「鼻から牛乳～・・・」になったと言っていた。
夕食の量も、
わたしの半分も食べられない状態だから
まずは普通食を大人ひとり分、
食べられるようにガンバラなきゃね。
いつも健さんのことを励まし応援してくださったみなさま
健さんは明日、レイクヒルズ美方病院を退院します。
体力が元通り・・・になったわけではありませんが
口から食事を取れるようになったことで
退院の許可が下りました。
このあとは、また福井医大で検査や治療について
ドクターとの面談などをかさねながら
治療を受けることになります。
明日はわたしがいないので、
娘がかわって迎えに行ってくれることになりました。
わたしがいなくて、さみしいやろけど我慢してね・・・
と、電話したら
アンタの顔、見んでもええからホッとした・・・
なんてイヤミをいえるぐらいだから
一安心です。
みなさまからの励ましや応援が
健さんにとっては最高の薬だったのだと思います。
ほんとうにありがとうございました。
朝一で娘と医大へ向かった。
病棟のフロアで息子と合流し、健さんが出てくるのを待った。
転院先へ提出する書類に健さんの署名が必要だったり
治療費・入院費の支払いなどの手続きなど
けっこう時間がかかった。
写真は医大を出発する直前の健さん
レイクヒルズ美方病院へは、１２時過ぎに到着した。
耳鼻咽喉科の担当医との面談や血液検査・レントゲン・ＣＴなど
検査を済ませ、書類にサインするなど
手続きが済んでやっと病棟へ入った。
患者は病棟から出られないし、１階の売店にも行けないんだそうな。
家族からの差し入れも食べ物はＮＧ！
テレビのカードも買いに行けないというから
とりあえず５枚を買って健さんに渡した。
部屋は個室・・・差額ベッド代が３２００円（１日）・・・
コロナ禍の中、外部からの入院だから・・・と言うのが理由らしい。
だよねぇ・・・医大からの転院だしねぇ・・・
財布はカラッポになったけれど、頭ン中はカッカッカ
たぶん、血圧を測ったら１６０は軽く超えてるかも・・・
啄木の気分で、ぢっと手を見る・・・わたし。
今日、久しぶりに健さんと電話で話した。
まだ声も出にくいし、食事ものどを通らないようだ。
放射線治療はＭＡＸの４０回をクリアしたけれど
しつこいガンは、なかなか消滅してはくれない。
しかもノドが焼けただれているから、口から水分を補給しても
激痛がはしるという。
みなさんからの励ましのメールやコメントには
いつも心から感謝していると健さん。
ほんとうにありがとう！
こんな状況でも、めげずにガンバっている健さんに
わたしのほうが、勇気づけられた気分です・・・
健さんのガンは、かなりしつこいようだ。
首の周りが焼けただれて、ケロイドになっているのに
消滅はしていないのだ。
しかも頸動脈に巻き付いているのが、超やっかいな奴だという。
ドクターの話では、あと４回で放射線量もＭＡＸになるらしい。
その後については、消化器内科での食道ガンの状態の検査等が
待ち受けている。
その結果をふまえて今後の治療方針を再度、検討するという。
現在の状況で退院となっても家では暮らせないのは明らかだから
ほかの病院へ転院ということになり
そこで、抗がん剤による新たな治療になるとのこと。
ドクターの説明の後、
放射線認定看護師さんがさらに詳細な説明をしてくれた。
放射線治療後の１ヵ月がもっとも効き目が表れてくる時期であり
プラス抗がん剤でガンが消滅する可能性は高いという。
で、最後に
治ってもぜったいお酒は、飲まないでくださいね！
健さんにはこれがいちばん、こたえたようだ。
えっ・・・お酒が飲めなくなる・・・
おいおい！ そこで落ち込むのか・・・
とりあえずは、消化器内科のドクターの診断にゆだねられ
最終判断は、来週以降となった。
