企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

10年後の呉服市場は?

2008年01月12日 | 和の話(呉服業界など)
ちょっと呉服業界の人と話をすることがあった。大手の撤退、縮小が続いているこの業界だが、10年後には業界売上は今の半分にすらなるんじゃないか?とまで言われているほどらしい。そうした中、業界の再編の話もあったりと、いったいこれからどうなるのか?と思っている若手も少なくないことと思う。
では、業界の年配の人々はどういうことを考えているのだろう?そう思って幾名かの人に聞いてみたのだが、揃って言うことは同じ。縮小する市場の中で、自社だけはどうやって生き残るか?を考えているとのこと。仮に売上が下がっても、なんとか会社を維持できるような体制をどう築き上げるかが重要だ、なんてことをおっしゃっている。
上の方の人がそういうのでは、若手はあまり将来に期待が持てないよなぁ、と感じてしまうのだが、どうだろうか?斜陽産業?と言われる中、市場を新たに見いだしたり、また積極的に市場に働きかけて、成長をしてきたような企業は少なくないと思う。ただ、この業界では、20年近く続いてきた衰退期の中で、新たになんとかしたい、という気持ちは生まれてこなくなって来たのかもしれない。
そりゃそうかも。。今、50歳-55歳の人にとってみれば、30-35歳くらいのときから、どんどん会社が苦しくなってきて、言ってみれば大きな撤退の戦の中をたたかってきたばかりなのだから。
流れに抗って、様々な手を打ってきたつもり、ではあったが、ことごとく結果を残せず。期待した大手には裏切られてしまう結果となり、万策尽きたという感じなのかもしれない。
こういう時は、外部の業界にもっともっと知恵と人材をもとめてはどうか?と思うのだが、自分たちの業界は特殊!という意識があまりに強く(もちろん、人間関係や業界知識含めて、難しいのは確かだが)、相手にしていない。

業界内の知恵を結集!なんてことは、もともと自分さえ儲かればいい、という人が少なくない業界だけに、それこそ難しいわけで。ま、よほどの大きなお金と人材が投入されなければ、全体の改革って難しいのかもしれない。

でも、傍観する立場ではあるものの、思うところは決して少なくない、というのが私の立場。せめて、市場を今と同じ規模に維持しようとすると何が必要か?とか、様々なファッションのトレンドの中、どういうことができるのか?とか、考えるところはある。
自身は懐疑的ながらも、温暖化というキーワードだって、決して無視してならないと思うし、少子高齢化という国内の話、また、世界レベルでの格差の拡大なんかも、もっともっと考えなきゃならない。これから伸びてくるマーケットに進出することだって考えられる。
目先のトレンドだけを追っていては、本当に将来がなくなってしまうわけで、それは否定しようが無い事実なんだから、先を見た行動をおこしてもらいたいものだ。
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1 コメント

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意見 (kk)
2009-11-03 15:46:18
着物を長く愛用でている者として残念な状態ですね。内向き勝ちの日本人の短所が典型的に現れていると感じます。私見では今最も大切なことは高級志向ではなく着物を普段い着る底辺の人口を何とか確保しできればふやして行くことであると信じます。業界内部に留まらず伝統文化を守ることは政治の問題でもあり幼時からの教育も必要です。こういう方向を考える人はもういないのでしょうか?
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