週の真ん中の夜に、近くの病院になんか切迫破裂とのことで、どこの破裂かもよくわかりませんでしたが、来てみたら、遠位弓部の70mmで症状あり、画像上はまだ胸水などないので、切迫状態ということで、翌日のAVRと差し替えて、朝からやることにしました。
いちおう第4肋間であけて、冷やして、東海メディカルのバルーンでを使った、なんちゃって脳分離の予定で挑みました。
開けてみたら胸膜下血腫になっていたので、胸膜でなんとか止まっていた状態、切迫というか、破裂になりますか。
これはまずいということで、剥離はあとにして、とりあえず、足からポンプのせて20度まで冷却開始です。今年4月からエドワーズのQuick DrawというMICSを対象にした脱血管が日本でも発売になりまして、これが壁が菲くて、脱血効率が良く、通常、吸引をかければ足からの一本脱血で十分、フルフローが出るというもので。
今回は、落差のみも、ほぼフル脱血が可能でした。ただ、うちの施設は吸引脱血のシステムがまだなく、MEさんも経験したことがないので、念のため肺動脈にも一本脱血管を追加しておきました。ARはないので、左室ベントはなしでOKでした。
冷やしている間に、中枢、末梢と剥離して、鎖骨下動脈だけテーピングして、20度で、下半身は1L/分、上半身は右ひじから入れた8Frで動脈圧モニター兼、なんちゃって脳分離というか上半身のエア抜き用というか、兎に角、ちょろちょろで300ml/分ぐらいで、流して、中枢は、これまでも何度かお世話になっている東海メディカルのバルーンで遮断して、腕頭と総頚の穴をふさいで、いちおう片側脳分離のつもりで開始。
中枢、末梢と普通に吻合して、終了です。末梢もかなり粥状で、かつ、破裂部位から解離していたので、open distalにして吻合となり、復温のタイミングがだいぶ後ろにずれ込みました。
やはり、この手術は血が止まりません、いたるところから血がわいてきますので、吻合部から外科的な出血さえなければ、暫くはこつこつと止血をするしかありません。
人工心肺139分で、手術が305分でしたので、一時間ぐらいは止血していたわけであります。
術後はすぐに覚醒させて、神経学的異常はなかったので、またすぐに鎮静です。
この手術の宿命とまでは言いませんが、術中に少なからず、肺出血を起こしてしましますので、術後もしばらくは肺が真っ白です。
翌朝から腹臥位作戦開始です、、、とにかく気管枝内の血餠を出し切るしかありません。これでイマイチなら気管支鏡で見たところで対して吸えないだろうし、1度抜いてNPPV+ミニトラックか、もしくは正中切開ではないので穿刺で気管切開というてもあるはあるが、おそらくもう数日で抜けると信じてます。
左開胸の循環停止は手術はやりやすいのですが、いくつか欠点があります。凝固能が壊れて、止血に苦労すること、肺出血で術後に苦労すること。時間がかかること。そして、心臓と頭のエア抜きが問題となること。
止血に関しては、兎に角、視野は最高なので、出血しないように一発できれいな吻合をすることと、まー、輸血は免れませんので、人工心肺にMAPとFFPを大量にぶち込んで、ポンプを降りた時点で、少しでも良い条件にしておくことでしょうか。
上半身のエア抜きは、下手に左室ベントなんかを入れてしまうと、エアを引いてしまうので、ARがひどい場合は仕方ないが、入れるとしても落差脱血ぐらいにしておくこと。
頭を上げれば心臓のエアは抜けるが、頭は抜けず、頭を下げれば頭のエアは抜けるが、心臓は抜けずといった、めんどくさい手術ですので、腕からの8Frシースでちょろちょろの片側で十分なのであります。脳分離循環の量としては十分でないかもしれませんが、基本冷やしていますので問題ないでしょう。それより、こういった方は基本、粥状硬化などで、ごみが落ちることもあるかもしれませんので、この手技はかなりいい方法だと思います。
そして、吸引脱血ができればですが、足からのQuick draw 一本の脱血で問題ないはずですので、術野が非常にシンプルになって、今後に期待します。
ちなみに今回登場したQuick drawもまだ、正規のものではないのか、名前やサイズなどは手書きのものでした。急にお願いしたから余ったやつつかまされたのかな、それでも、半日で持ってきてくれたから贅沢は言えません。
いちおう第4肋間であけて、冷やして、東海メディカルのバルーンでを使った、なんちゃって脳分離の予定で挑みました。
開けてみたら胸膜下血腫になっていたので、胸膜でなんとか止まっていた状態、切迫というか、破裂になりますか。
これはまずいということで、剥離はあとにして、とりあえず、足からポンプのせて20度まで冷却開始です。今年4月からエドワーズのQuick DrawというMICSを対象にした脱血管が日本でも発売になりまして、これが壁が菲くて、脱血効率が良く、通常、吸引をかければ足からの一本脱血で十分、フルフローが出るというもので。
今回は、落差のみも、ほぼフル脱血が可能でした。ただ、うちの施設は吸引脱血のシステムがまだなく、MEさんも経験したことがないので、念のため肺動脈にも一本脱血管を追加しておきました。ARはないので、左室ベントはなしでOKでした。
冷やしている間に、中枢、末梢と剥離して、鎖骨下動脈だけテーピングして、20度で、下半身は1L/分、上半身は右ひじから入れた8Frで動脈圧モニター兼、なんちゃって脳分離というか上半身のエア抜き用というか、兎に角、ちょろちょろで300ml/分ぐらいで、流して、中枢は、これまでも何度かお世話になっている東海メディカルのバルーンで遮断して、腕頭と総頚の穴をふさいで、いちおう片側脳分離のつもりで開始。
中枢、末梢と普通に吻合して、終了です。末梢もかなり粥状で、かつ、破裂部位から解離していたので、open distalにして吻合となり、復温のタイミングがだいぶ後ろにずれ込みました。
やはり、この手術は血が止まりません、いたるところから血がわいてきますので、吻合部から外科的な出血さえなければ、暫くはこつこつと止血をするしかありません。
人工心肺139分で、手術が305分でしたので、一時間ぐらいは止血していたわけであります。
術後はすぐに覚醒させて、神経学的異常はなかったので、またすぐに鎮静です。
この手術の宿命とまでは言いませんが、術中に少なからず、肺出血を起こしてしましますので、術後もしばらくは肺が真っ白です。
翌朝から腹臥位作戦開始です、、、とにかく気管枝内の血餠を出し切るしかありません。これでイマイチなら気管支鏡で見たところで対して吸えないだろうし、1度抜いてNPPV+ミニトラックか、もしくは正中切開ではないので穿刺で気管切開というてもあるはあるが、おそらくもう数日で抜けると信じてます。
左開胸の循環停止は手術はやりやすいのですが、いくつか欠点があります。凝固能が壊れて、止血に苦労すること、肺出血で術後に苦労すること。時間がかかること。そして、心臓と頭のエア抜きが問題となること。
止血に関しては、兎に角、視野は最高なので、出血しないように一発できれいな吻合をすることと、まー、輸血は免れませんので、人工心肺にMAPとFFPを大量にぶち込んで、ポンプを降りた時点で、少しでも良い条件にしておくことでしょうか。
上半身のエア抜きは、下手に左室ベントなんかを入れてしまうと、エアを引いてしまうので、ARがひどい場合は仕方ないが、入れるとしても落差脱血ぐらいにしておくこと。
頭を上げれば心臓のエアは抜けるが、頭は抜けず、頭を下げれば頭のエアは抜けるが、心臓は抜けずといった、めんどくさい手術ですので、腕からの8Frシースでちょろちょろの片側で十分なのであります。脳分離循環の量としては十分でないかもしれませんが、基本冷やしていますので問題ないでしょう。それより、こういった方は基本、粥状硬化などで、ごみが落ちることもあるかもしれませんので、この手技はかなりいい方法だと思います。
そして、吸引脱血ができればですが、足からのQuick draw 一本の脱血で問題ないはずですので、術野が非常にシンプルになって、今後に期待します。
ちなみに今回登場したQuick drawもまだ、正規のものではないのか、名前やサイズなどは手書きのものでした。急にお願いしたから余ったやつつかまされたのかな、それでも、半日で持ってきてくれたから贅沢は言えません。
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