あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

収縮性心膜炎

2012-07-21 12:25:58 | Weblog
数年前の弁膜症術後で収縮性心膜炎疑いの方がおります、病態は明らかな慢性の右心不全で、腎不全、肝不全で、黄染があり明らかに悪液質な印象ですが、まだお若いので、本当に心膜が原因であれば、手術で十分に改善する可能性があります。おそらくほっておけば1年と持たない印象です。
ということで先日、左小開胸で心膜の生検を行なってみましたが、病理結果を待つまでもなく、心膜による拡張障害は明らかでした。心膜に切開を入れたとたんに、中から心臓がもりもりと飛び出てきて、まるで水を得た魚のように、うれしそうに動いていました。
このままついつい、すべて剥がしたくなりましたが、今回は生検のみということで、何れ、もう少し全身状態を立て直してから、心膜剥離術の予定となりそうです。

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2 コメント

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Unknown (まぁちゃん)
2012-07-24 10:11:46
心膜剥離術ってなかなか難しいですよね。はがすだけではないっていうか・・・あっ申し遅れまして初コメントさせて頂きましたしがない麻酔医です・・・。
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はじめまして (あぽいち)
2012-07-24 16:37:14
その通りなんですよ、開けてみたら、くっついてないとか、剥がしても良くなるのは最初のうちだけだったり、やるなら一発で徹底的にやった方が良いかなと思っていますが、絶対に良くなるよと、患者さんに自信持って言える手術じゃないところがね、でも、だいたいにおいて外科に紹介来るときは、じり貧だからやるしかないんだけど。
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