あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

チャンスとは、、、

2011-11-09 17:54:11 | Weblog
ここのところ、いくつか声を変えてくれる方がおりますが、現在、今の施設で執刀のチャンスをいただいているので、よっぽどの好条件でない限り、施設を変わる気にはなれないが、この施設も私の前後にオペレーターがいますので、厳しいこと言えば、いつかは誰かが出ていかなくてはならなくなるのかもしれない。みんなで仲良く症例を分けていければ良いが、そこまで症例も多くもなく、下は増えていくでしょうし、そういうことを考えていかなくてはいけないのでしょう。
これは大学にいようが、どこにいようが、一緒のことだろうけど、大学ならおそらく、生きていけるだけのポジションは与えてくれるのだろうが、他人に決められたレールで満足するかどうかということでしょう。
私のような、無所属のアウトローは誰も保障してくれませんね。

ある方の言葉で
「チャンスに前髪はあるけど、後ろ髪はない」というのを最近耳にした。
つまりはチャンスはやってきたときにつかまないと、通りすぎて、あとから追っかけても、もうつかむものはないということ。
なかなか面白い話だ。

器用な手術

2011-11-09 17:29:27 | Weblog
今日はボスの弁置換+CABGの前立ちをさせていただきました。ボス自体が執刀する機会が最近は少なくなってきたので、貴重な経験です。
ボスの手術はきれいというよりは器用といったほうがいいのでしょうか、どんな状況でも、何があっても柔軟に対応していく姿をこれまでも何度となく見てきましたが、さすがです。おそらくこれまで3000例以上は執刀しているのだと思いましたが、そこまで来ると何があっても、なんとでもできてしまうのでしょうね。
私もどこまでいけるのか、ボスと同じ年までに、あと16年、何例ぐらい経験できるのでしょうか。
まー、単純に考えて、年間200ぐらいやらんと、追いつけないな。
数こなせば良いというものでもなく、良い手術を心がけていけばよいのであるが、やるに越したことない。
数こなさないと、経験できないこともたくさんある。特にトラブルシューティングや予期せぬことは、知ってないと、なかなか普通は冷静に対応できるものではない。

今週も充実

2011-11-09 10:45:28 | 術者、勉強になった症例
今週もバラエティにとんだ症例が7例入っています。うち3例は、これまた透析ということで、外科だけで透析入院が6人となりMEさんも大変です。私の担当は透析のCABGとDVT合併した腸骨動脈瘤となりそうです。今日は久しぶりにボスが執刀するとのことで、勉強させていただきます。先日のCABGは術前のCAGでもLADが心尖部までずーと石灰化してまして、ここしかないという隙間を見つけて、冠動脈を開けてみたはいいものの、壁厚が全周性に分厚くておそらく2mmぐらいでしょうか、切開してもなかなか血が出てこず、サイドを切ってしまったのかと、一瞬、あせりましたが、分厚いだけでした。左右の側面のどちら側かだけ分厚い症例というのはときどき遭遇しますが、全周にわたって分厚い方は、初めて遭遇しました。
前後は石灰化が強くてあまり大きく開けられませんので、余計、開かず、内腔は見にくかった。
分厚いぶん、かなりダイナミックに吻合することになったので、まるで膝下の末梢血管の吻合のようで、ある意味、楽ではありました。まー、ボスが麻酔側から見ててくれて、いろいろとアドバイスしてくれたので、助かりました。ほんとに一人だったら、どうしたかな。まー、やるしかないんだろうけど。
また、ダイヤモンド吻合について、あまり好きでないのでなるべくやらないようにしていたのだが、先日はやらざるを得ないので、やりましたが、一応、理論上はグラフトの直径ぐらいまでは切開してよいということになっていますので、思い切って大きく切って見たら、意外と難しくありませんでした。視野もいいし、8針の運針部位が決まっていますので、わかりやすかった。
これからも自信もってやれそうです。