あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

コメントをいただいて

2013-03-05 08:37:22 | インポート

 寄せていただいたコメントを読み、改めて 2010.9.10に書いたブログと詩を読み返してみました。やっぱりいい詩だなあと再認識しました。テレビで、谷川俊太郎さんが 「ありがとう」の詩を朗読されたとのこと。私は残念ながら視聴することはできなかったのですが、詩を読み直して新たに感じたことを書きとめておきたいと思いました。

         ありがとう

                           谷川  俊太郎

空 ありがとう / 今日も私の上にいてくれて /

曇っていても分かるよ / 宇宙へと青くひろがっているのが /

花 ありがとう / 今日も咲いていてくれて /

明日は散ってしまうかもしれない / でも匂いも色ももう私の一部 / 

お母さん ありがとう / 私を生んでくれて /

口に出すのはてれくさいから / 一度っきりしか言わないけれど /

でも誰だろう 何だろう / 私に私をくれたのは?

限りない世界に向かって私は呟(つぶや)く / 私 ありがとう

         <みんなの谷川俊太郎詩集 ハルキ文庫より>

ありがとうという視点で、周りの世界をとらえなおすことで、どんなにこの世界は豊かでいとおしいものに見えることでしょう! あたりまえのように見えていた頭上の空も、咲いた花も。忘れてしまっていた 自分が生まれたという事実 と 生んでくれた母親のことも。今こうして 周りの世界を 見つめ直すことのできる 私という存在についても……。

ありがとうは、自分を開きながら 感謝の思いを込めて この世界を肯定的に受け止めることなのかもしれません。360度自分を開くことで、限りない世界の 人や 色や 匂いや 光や 風や 思いや 言葉を まっすぐ受け入れるということ。空っぽの器に水が満々と満たされるように、自分の心の内側が豊かに深く満たされていくことなのかもしれません。

私に私をくれたのは、誰なのでしょう。何なのでしょう。それは これまで 限りない世界を受け止め 受け入れてきた 私自身。ここまで生きてきた私を認めるもう一人の私なのかもしれません。そういった私が これから たくさんの新たな私を くれるのかもしれません。でも、何より確かなことは、いろんな私に支えられて今の私が在るということ。だからこそ、私ありがとう!と 心から言えるのだと思います。

※ 以前に谷川さん自身の詩の朗読会に参加したことがありました。目で読む詩の世界とは異なる 作者自身の生の声がつくりあげる詩の世界のすばらしさを味わうことができたことを思い出します。ひとつひとつの言葉に命がふきこまれ、イメージする世界が鮮やかに頭の中に広がっていくような印象がありました。作者の思いがよりストレートに心に伝わって来るからでしょうか。

コメント
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