あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

谷川俊太郎の詩:「生きる」 より

2011-03-31 10:47:18 | インポート

    生きる

        谷 川 俊太郎

生きているということ

今生きているということ

それはのどがかわくということ

木もれ陽がまぶしいということ

ふっと或るメロディを思いだすということ

くしゃみすること

あなたと手をつなぐこと

  生きているということ

  いま生きているということ

  それはミニスカート

  それはプラネタリウム

  それはヨハン・シュトラウス

  それはピカソ

  それはアルプス

  すべての美しいものに出会うということ

  そして

  かくされた悪を注意深くこばむこと

    生きているということ

    いま生きているということ

    泣けるということ

    笑えるということ

    怒れるということ

    自由ということ

      生きているということ

      いま生きているということ

      いま遠くで犬が吠えるということ

      いま地球が廻っているということ

      いまどこかで産声があがるということ

      いまどこかで兵士が傷つくということ

      いまぶらんこがゆれているということ

      いまいまが過ぎてゆくこと

        生きているということ

        いま生きているということ

        鳥ははばたくということ

        海はとどろくということ

        かたつむりははうということ

        人を愛するということ

        あなたの手のぬくみ

        いのちということ

こういう時だからこそ,生きているということを いつでも どこでも いろんなものから 素直に感じ取ることのできる感性を 身につけていたいものですね。

人のぬくもりや いのちの輝きを 実感できる 柔らかな感性をもちたいものです。

たとえ 雨が降っていても 雲の向こうに,あの青い空が広がっていることを 想像できる 豊かな感性をもちたいものです。 

  

※一昨日,日本代表対Jリーグ選抜のサッカーの試合(震災復興支援チャリティーマッチ)を見 ました。選手一人一人のプレーから,被災地を気遣い,応援する熱い思いを感じることができました。特に最年長のカズのゴールは,最後まであきらめずに頑張れというメッセージが伝わって来て感動的でした。サッカーをはじめスポーツ界のさまざまな選手たちが,国内や海外で支援活動に取り組んでいることに,心から感謝したいと思います。

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いつか 雨は 止んで

2011-03-29 08:33:19 | インポート

余りにもたくさんの命と 家族の幸せと 夢と 未来を 奪っていった 震災でした。

引き続いて起こった 原発の事故は 福島の人々の故郷まで 奪おうとしています。

悲しい雨は 止む時を忘れたように 今も 降り続いています。

まるで迷い子のように 道の真ん中で 途方に暮れて立ち止まってしまいます。

しかし それでも 今

  被災者でありながら,被災者のために 働いている人がいます。

  家族を失いながら,悲しみに耐え懸命に生きている子どもたちがいます。

  消えた町のがれきの中に 行方不明の人を 探し続ける人がいます

  救援物資を運ぶ人がいます。

  避難所で 食事をつくっている人がいます。

  命がけで 原発の点検・修理に取り組んでいる人がいます。

今の今も 立ち止まることなく 懸命に働き 懸命に生きている人がいるということ,

日本中 いや世界中の人々が 祈り 行動していることを 

忘れないようにしておきたいと思います。

  立ち止まらず 行動すること。

  小さなひとつの行動が 復興に向けての大きな一歩になるはずです。 

降り続く雨も,やがて いつかは 止むときが来ます。

雨上がりの空の向こうに,やはり あの青い空を見たいものですね。

  

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卒業式に参加して

2011-03-24 19:52:42 | インポート

今日,7名の卒業生の旅立ちを見守ることができました。

この状況ですので,式自体も簡素化された形で実施されましたが,卒業証書をいただいた後の卒業生一人一人の思い出と希望の発表,卒業生一人一人に対する在校生たちの感謝の言葉,校長先生の式辞や先生方の励ましの言葉,卒業生から親・在校生・先生方・地域の皆さんへの感謝の言葉,合唱等 …… なかなか練習の時間もとれない状況だったでしょうが … 一つ一つの言葉や歌にしっかりと気持ちが入っていて,目頭が熱くなりました。

また,卒業生・在校生の元気な顔を見ながら,感じたことがありました。…子どもたちが 誰一人 けがもせずに ここに こうして 元気に生きている ということを とてもうれしく感じました。そして一人一人の子どもたちのことをとても愛しく思いました。

海沿いの被災地には,今回の震災で亡くなったり,まだ行方のわからなかったりする子どもたちがたくさんいます。子どもたちには,その子どもたちの分まで生き,果たせなかった夢の分まで自分の夢を実現することに頑張ってほしいと思いました。 

今回の震災の復興までには,かなりの長い年月がかかることが予想されます。そして,未来において,その復興の主体となるのは,今の子どもたちなのではないかと思います。10年後に卒業生は22歳の若者に成長します。それからさらに10年後には32歳の働き盛りで,復興の主体となって活躍しているはずです。

昨日,選抜高校野球の開会式がありました。選手宣誓で,創志学園(岡山)の野山慎介君が語った言葉が感動的でした。

『私たちは,16年前,阪神大震災の年に生まれました。…人は仲間に支えられることで,大きな困難を乗り越えることができると信じています。…私たちに今できること。それはこの大会を精いっぱい元気を出して戦うことです。がんばろう,日本。生かされている命に感謝し,全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います。』

生かされている命に感謝しながら力いっぱいプレーする選手たちに,心から応援の拍手を送りたいと思います。東北高校の選手たちのプレーからは,元気と勇気をもらえることと思います。

生かされている命に感謝しながら,日々新たな気持ちで頑張っていきたいものですね。

改めて 7名の卒業生たちに 言葉にして伝えたいと思います。

「卒業 おめでとう!元気な顔を見て安心しました。

    生かされた命を輝かせ,目の前に広がる未来の空を 力強く かけめぐってほしい。

        未来は,あなたたちのために用意された 活躍のステージなのだから。」

     < 追 詩 >

                 あれから12年

      あれから12年

         あなたの誕生を

         だれよりも 喜び

         あなたの命を

         だれよりも 愛しく感じた

         あの日から もう12年

            今は もう

            この手で抱き上げるには 重すぎる

            健康な心と体を持ち

            卒業という旅立ちの時を迎えた あなた

               あふれる夢と希望を その翼に乗せ 

               目の前に 大きく広がる 未来を

               力強く そして 高く

               翔び続けてほしい

                  限りない未来は

                  いつだって あなたのために

                  用意されているのだから

                     あなたの成長と幸せが

                     これからも

                     母の柔らかな笑顔と

                     父の穏やかな微笑みを

                     つくってくれるのだから

   

  

 

 

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あの青い空のように

2011-03-23 11:20:18 | インポート

 悲しいことが多すぎると,明るい太陽の光が降り注いでいても,気持ちまでは明るくなりませんね。。この震災を通して,たくさんの人の死と悲しみに接してきたせいでしょうか。この心を覆う暗雲を少しでも振り払い,あの青い空を心の内に呼び寄せたいものです。

よかった探しの名人であった『ポリアンナ』を見習って,震災以降に,私自身が体験し,考え・感じた よかったことを まとめてみたいと思います。

○信号がなくても お互いに譲り合って 安全に通行できました。

 地震で電気が通らず信号が点かない状態でも,交差点ではお互いに相手の車の進行方向に気を配りながら,譲り合って通行していました。事故や混乱も起こらず,スムーズに通行できたのは,お互いを気遣って譲り合う思いやりの心があったからなのではないかと思いました。

○見ず知らずの方と気軽に話す機会が増えました。

 いろんな場所で待つことが多くなり,その間に同じ待ち人同士で話す機会が増えました。ボランティアの活動の中でも,支援する方や関わりのあるたくさんの人と話し,ふれあうことができました。地震を乗り越えお互いに無事で元気であるということが,強い連帯感を産んでいるような気がします。

○地域のつながりを強く感じました。

 同じ地区に住んでいる方の物置が倒壊し危険な状態にあるので,日曜日に地区民総出で後片付けをしました。たくさんの男手があったため,半日で片づけは終りました。奥様方は,炊き出しで昼食を準備してくれました。地域のまとまりと確かなつながりを実感しました。

○春のような気持ちになりました。

 水道が出ない時に,洗い物やトイレ用の水として,川の水を利用しました。自宅の裏側に板倉堰が流れており,その水を汲みあげて使いました。他の人も汲みやすいよう,汲み上げ用のバケツを置いていたところ,それを使って水を汲んだ家庭からお礼として花をもらいました。咲き始めた福寿草でした。春のような温かい気持ちになりました。

○被災者が助け合ってたくましく生きる姿を見て

 悲しいニュースはたくさん見ましたが,そんな状況にあっても被災者同士が助け合って生活している様子を見て,人と人との温かいつながりを感じることができました。すべてが流されても,故郷の再建を誓い力強い一歩を踏み出そうとしている人々の姿に,元気とパワーをもらいました。避難所等で献身的に働いている小・中・高の子どもたちの姿に,未来への希望を見出すことができました。奥さんと二人の子供を亡くした父親が,絶望の淵から立ち上がり,三人を守るためにこれからも頑張ると決意をした姿に,生きることの意味や大切さを痛感しました。

○国境を超えた支援の輪を感じて

 貧しいバングラデシュの人々も,少ない家計から募金をし,励ましのメッセージを送ってくれました。対立関係にあった中国やロシアからも,最近被害に遭ったニュージーランドからも救援の手が差し伸べられています。世界中に日本への温かい支援の輪が広がっていることに,心から感謝をしたいと思います。「人は,誰でも二つの祖国を持っている。一つは自分の国であり,もう一つは地球である。」 世界環境宣言の一節ですが,支援の輪の広がりと人間としての温かさを感じる時,世界とつながった地球人であることを自覚します。

 よかったことの一つ一つが,悲しみの空の一画に,青空を見せてくれるような気がします。

 あの青い空のように 頑張っていきましょう!

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災害復旧に取り組む人々に感謝して

2011-03-21 16:08:05 | インポート

昨日,石巻で震災以来10日振りに,おばあさんとお孫さんの二人が無事救出されたというニュースを知り,とてもうれしく思いました。若いお孫さんが,しっかりとおばあさんを守り抜いた結果だったのではないかと思います。その間,雪の降る寒い日もあったのですが,冷蔵庫内に残されたわずかの食料を食べながら,厳しい寒さにも負けずに生きぬいた その強くたくましい生命力にも深い感動を覚えました。

今朝のテレビでは,岩手県の避難所生活の様子が紹介されていました。避難所生活を共にする皆さんで,食事や清掃等の分担を決め,自分たちでできることに進んで取り組みながら協力して生活している様子でした。インタビューに対し,身内に行方不明者のいる主婦の方が「こうして,みんながいるから,頑張って生活でき,生きてゆける。」と,答えていました。一緒に生活することで,辛い思いも共有し,お互いがお互いを支え合うことで生きているんだなということを強く感じました。

新聞には,お風呂をつくった大工さんを紹介する記事がありました。子どもたちをお風呂に入れてあげたいと気持ちから,大工の腕を生かしお風呂と脱衣所等のある建物をつくり,さっそくお湯をわかして子どもたちを入れてあげたという記事でした。

プログにコメントを寄せてくださったTさんの義理の兄さんは,被災地に生活物資を運ぶ仕事に従事しており,実のお母さんが行方不明という状況にありながらも,輸送の仕事に献身的に取り組んでいるとのことでした。お母さんの安否確認もできずに仕事に専念する兄さんの代わりに,Tさんたちが避難所等を回っていたようですが,車の燃料が手に入らないため,今は身動きができない状況にあるようです。残念で悔しい思いを感じているのではないかと推察します。

岩手県陸前高田市の市長さんも,奥様が行方不明という状況にありながら,市民のためにできることに懸命な努力を続けているようです。私がボランティアで関わった市の職員の方々も,地震以来不眠不休のような形で献身的に災害の復旧作業や被災者のサポートに取り組んでいました。

自らも被災者という立場でありながら,他の被災者を救うために今も懸命な努力を続けている人々が,たくさんおられるということを忘れてはいけないと思いました。

また,原発の現場では,東京電力の社員や関係企業の皆さん,警察・自衛隊・消防署の皆さんが,放射能を浴びる危険な状況の中,命がけで給水活動や機器の復旧作業に取り組んでいます。

こうして災害復旧のため多くの人々が献身的に働いていることに,心から感謝したいと思います。

再度自らできることを自問し,実践する中で,少しでも復旧への道に貢献できたらと思います。

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