あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

中村哲 医師の死を悼みながら

2019-12-12 18:47:39 | 日記
久しぶりです。
長い間の休息でしたが、元気にやっております。

アフガニスタンでの中村哲医師殺害のニュースには、衝撃を受けました。

内戦やテロの危険な状況下で、献身的な医療と 「百の診療所よりも一つの用水路」の持論のもと、
自ら重機を操り、井戸を掘り、用水路を作ることに 尽くされた その行動力に頭が下がります。
事業で潤った土地は、東京ドームの約3,500個分にあたる約16,000ヘクタール。
約60万人が恩恵を受けたそうです。

きれいな水と食料があれば、どれだけたくさんの命を救うことができるのだろうか。
「飢えと渇きは、薬では治せない。」
行動力の根底に、失われていく命を救うことのできない 医師としての無力感をかみしめる苦しい
思いがあったのではないでしょうか。

12/6付けの河北新報:「河北春秋」では、『行動に移したのが、中村さんのすごさだった』と述べ、
12/5付けの朝日新聞:「天声人語」では、『これほど強固な信念を持ち、遠い国に尽くした医師を
ほかに知らない』と述べています。

告別式で 中村さんの長男は、行動することの大切さを父から学んだと語っています。

アフガニスタンでは、たくさんの人々が中村さんの死を悼み、その遺影を囲み、ろうそくの火を灯し
ました。その写真の中に、地元の人が手にしたメッセージカードが写っていました。

メッセージは、日本語と現地の言葉が書かれていました。
カードには『中村さん、あなたはいつも私たちの心にいます』とありました。

中村さんはクリスチャンですが、現地の人々が信仰するイスラム教や価値観に対しても敬意と理解を
表し、水路と同時にモスクも建設しました。中村さんへの信頼や敬愛は、そんな地道な取り組みや
誠実な人柄から培われていったのだと思います。

内戦とテロの中にあるアフガニスタンにいることで、平和憲法の下にある日本の平和の尊さを実感し
たそうです。武器を持たないで活動を続けた中村さんの心の内と現地の人々によせる信頼の思いが、
深く理解できるような気がします。

裏切る人がいても、その人を裏切る人にはならない。
現地の人々に対する信頼の思いを 河北春秋では、次のように述べています。
『73年の生涯で大切にしたのは、「信頼」の二文字。その信念はゆるぎなかった。』

中村さんは、小さい頃は虫好きの子どもで、ファーブル昆虫記に夢中になったとのこと。
医師になってから、登山仲間と一緒に、希少種のアゲハチョウのいる パキスタンと
アフガニスタンの国境にあたる山に登ったことが縁となり、パキスタンやアフガニスタンで
医療活動を行うようになったそうです。

今頃は、天国で 見たことのないアゲハチョウを 少年のような瞳で追い求めているのかも
しれません。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

中村さんが行動で示された 一つ一つが、強く心に残ります。
そこから得たものや学んだことを これからの人生にどう生かしていくべきか、
問われているような気がしています。
 









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