「~ 自分に残された年月をかけて、愛する2人(妻と息子)の人生の続きを、私が歩んでいこうと思います。」
3月11日に行われた政府追悼式での 遺族代表:西城卓哉さんのことばの一節です。新聞の一面の見出しにもなっていました。
2人が歩めなかった その続きを 自らが歩んでいく という決意を込めたメッセージに、谷川俊太郎さんの詩:「そのあと」 と重なり合うものを感じました。その続きを歩むことは、終わらない そのあとを生きるということであると感じたからです。それはまた、西城さんの心にある そのあと を 生きることでもあるのかもしれないと思いました。
西城さんは、幸せな時間をくれた二人への感謝の思いも語っています。
「~ それでも一つだけ確かなことは、あなたが(息子さんも含め)いた私の人生は幸せだったということです。」
納棺師となった川村さんも、次のように語っていました。
「震災から1年は、『助けてあげられなくてごめん』と家族に謝ってばかりだった。いまは、『自分のところに来てくれてありがとうね』と語りかけています。」
亡くなった家族への感謝の思いが、悲しみを乗り越え、次の一歩を踏み出そうとする力になっていったように感じました。止まっていた時間が ゆっくりと 西城さんの心の中で動き出したようにも感じました。
続きを歩むということは、心の中に生きる家族とともに、これからの人生を歩むということなのかもしれません。これからも立ち止まり、悲しみを乗り越えていくための辛い時間が訪れるかもしれませんが、どうか歩み続けていってくださいと 心から願います。